授業コード 30071600 クラス
科目名 特殊講義E(地方財政論) 単位数 2
担当者 山中 雄次 履修期 第3学期
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 地方自治体の財政はどれだけ厳しいか
授業の概要 諸君は、日頃、地方自治体に対して「新しい施設を建てるべきだ」と要望ばかりしていないだろうか?地方自治体の財源は限られる。実態を知ってもらうために、導入部では、身近な事例として広島県内の基礎自治体が策定した「公共施設等総合管理計画」を取り上げ、そこから、歳出・歳入の仕組みやルール、国と地方の関係、財政健全化を探っていく。また、役所の中で、財政担当課への予算要求と決定がどのようにして行われているのか、実務経験を交えて伝える。こうした知識は、公務員を希望する者だけでなく、市民として生活するために、必須のものとなろう。

【実務経験】
地方公務員として、地方自治体の全庁的な行政経営を担当した経験を踏まえ、現場の運用を交えながら説明する。
学習の到達目標 ・メディアで地方自治体の財政が取り上げられた際に、内容を正確に理解することができる。
・地方自治体の予算案及び決算報告が示された際に、本授業で学んだ知識をもとに、自分の意見を持つことができる。
授業計画 第1回 イントロダクション 地方財政論の全体像を理解する。
第2回 公共施設等総合管理計画 ハコモノ維持に要する費用と見通しに関する知識を得る。
第3回 地方自治体の歳出 地方自治体の歳出構造と特性を理解する。
第4回 地方自治体の予算調整 地方自治体の内部における予算要求の仕組みを理解する。
第5回 地方自治体の歳入1:歳入総論 財源の調達方法を理解する。
第6回 地方自治体の歳入2:地方税 地方税の種類と内容を理解する。
第7回 地方自治体の歳入3:地方債 地方自治体が借金をする場面と理由を理解する。
第8回 地方自治体の歳入4:国・地方関係 国から地方自治体への財源移転の実態を理解する。
第9回 地方自治体の決算 広島県内基礎自治体の決算報告を理解する。
第10回 地方財政の分析1:地方自治体間の財政比較 地方財政を把握するための分析指標を理解する。
第11回 地方財政の分析2:決算カード 公表資料から財政指標を自身で計算できる。
第12回 広島県内地方自治体の事例研究1 ゲストスピーカー(予定)から地方財政の現場を聴取する。
第13回 広島県内地方自治体の事例研究2 広島県内基礎自治体の財政状況を理解する。
第14回 地方財政を巡る最近のテーマ ふるさと納税やPFIの仕組みと課題を理解する。
第15回 総括、振り返り 地方財政論の基礎を説明できる。
授業外学習の課題 (1)毎回1時間、授業の事前学修として、以下に取り組むこと。
・授業の最後に次回授業の関連キーワードを示す。これらについて、インターネット検索や関連書籍を通じて事前学修する。
(2)毎回2時間、授業の事後学修として、以下に取り組むこと。
・授業中に取り組んだ課題(主に公務員試験の過去問)について、配布資料をもとに授業後に復習する。
・授業中に解説した時事について、各自で各社ニュースサイトを検索し、理解を深める。
・ゲストスピーカーの講義内容に対し、レポート作成する。
(3)その他、地元紙や地域のニュースを日頃からチェックし、本授業で学んだ理論が適用できないか考える習慣をつけてほしい。
履修上の注意事項 ・全ての授業中にプリントを配布する。データでの共有は行わない。
・全ての授業内で出席を兼ねた課題もしくはリアクションペーパーを求め、評価対象とする。
・ゲストスピーカーとのスケジュール調整の結果、開講順序を変更する場合がある。また、ゲストスピーカーには多忙な中でお越しいただくので、失礼がないように留意すること。
・公認欠席は単位認定要件に影響しないように配慮する。
・公認欠席時の資料は後日配布する。
・授業内で行う課題及びリアクションペーパーは、公認欠席となる場合、代替措置で対応する。
成績評価の方法・基準 授業内で行う課題及びリアクションペーパー(40%)、レポート(10%)、期末試験(50%)で評価する。
テキスト 毎回の授業で、プリントを配布する。
参考文献 ・以下の文献を適宜参考にすること。特に、講師が説明する用語や理論を確認する際に有用である。
・森裕之:『市民と議員のための自治体財政』自治体研究社、2020年
・沼尾波子・池上岳彦・木村佳弘・高端正幸:『地方財政を学ぶ〔新版〕』有斐閣、2023年
・小坂紀一郎『一番やさしい自治体財政の本〔第2次改訂版〕』学陽書房、2018年
主な関連科目 地方自治論、公共政策論、都市経営論ほか
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
・質問については、授業終了後、もしくはオフィスアワーに受け付ける。ただし、オフィスアワーを希望する学生は、事前にメールで連絡すること。
・試験・授業内の課題へのフィードバックは、授業時間内またはオンラインで行う。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
法学部国際政治学科(E群) 2015~2016 2・3・4 - - - - -