授業コード | 30068204 | 単位数 | 2 |
科目名 | ゼミナール基礎 | クラス | 04 |
履修期 | 後期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 十河 隼人 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 犯罪予測の過去・現在・未来 |
学修の概要 | 本ゼミでは、基礎演習III(前期の2年ゼミ)において検討した神経犯罪学の問題提起を踏まえながら、犯罪予測にかかわる刑法・刑事政策の文献を中心に、犯罪心理学や精神医学といった隣接領域の文献も参照しながら輪読を行うことで、将来の刑事政策のあるべき姿について考えていきます。 そこで問われるのは、「AI技術の進展は、犯罪予測の手法にどのような影響を与えるだろうか?」、「犯罪予測を目指した監視の拡大は、どのような社会につながるだろうか?」、「まだ犯罪をしていない人でも、将来、罪を犯す危険があるといえるなら、隔離施設に閉じ込めるべきだろうか?」といった問いです。 このような問いを通じて、未来の社会における犯罪予防政策のあり方について根本的なところから考え、議論したいと思える学生の参加を歓迎します。 |
学修の到達目標 | 1. 刑事政策に関する文献・資料を精確に読解できるようになること。 2. 犯罪学上のデータを踏まえつつ、倫理的な観点にも配慮した刑事政策提案ができるようになること。 3. 発表(プレゼン)を行い、それを踏まえて議論を交わすスキルを身につけること。 |
授業計画 | 第1回 | ガイダンス:授業の進め方、報告者の割り当て 授業の流れを理解し、報告者の担当範囲を決める |
第2回 | 報告と検討(1):AIによる社会の変容・総説 刑事法的分析の前提として、近時におけるAIの発展が社会全体にどのような影響を与えつつあるかを知る |
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第3回 | 報告と検討(2):犯罪予測と犯罪不安 犯罪予測と犯罪不安の相互関係を理解する |
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第4回 | 報告と検討(3):治安悪化の神話? 日本の治安は悪化している、としばしば言われるが、それが本当なのかを統計に基づいて検証できるようになる |
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第5回 | 報告と検討(4):犯罪予測の理論的基盤 犯罪予測の理論的基盤(特に環境犯罪学)の概要を把握する |
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第6回 | 報告と検討(5):AI活用による犯罪予測――海外の事例 海外におけるAIを活用した犯罪予測の取り組みを知る |
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第7回 | 報告と検討(6):AI活用による犯罪予測――日本の事例 日本におけるAIを活用した犯罪予測の取り組みを知る |
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第8回 | 報告と検討(7):監視社会①――監視資本主義 刑事法と監視の関係を検討する前提として、監視社会化の意義と危険性を比較検討する |
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第9回 | 報告と検討(8):監視社会②――アーキテクチャと刑法 監視技術の進展に伴う新たな犯罪予防策の内容を知り、その有効性と危険性を比較検討する |
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第10回 | 報告と検討(9):再犯リスクとそのアセスメント 再犯リスクの評価に関わる最新の科学的・心理学的技術の概要を把握する |
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第11回 | 報告と検討(10):認知行動療法と再犯予防 再犯予防における認知行動的アプローチの重要性を知る |
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第12回 | 報告と検討(11):「危険な人間」の系譜①――ロンブローゾからフォン・リストへ 「再犯リスクを評価する」という発想の歴史的起源を知る |
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第13回 | 報告と検討(12):「危険な人間」の系譜②――保安処分と優生学 「危険」とされた人間に過酷な処分がなされてきた歴史を知る |
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第14回 | 報告と検討(13):刑事政策の未来 ここまでに学んだ犯罪予測技術を有効かつ人道的に用いるにはどうしたらよいか、を皆で議論し、自分なりの考え方を確立する |
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第15回 | まとめ(オンデマンド) 授業の中で得た様々な知識をワークシートにまとめて、全体の立体的な理解を獲得する |
授業外学習の課題 | 事前学修(1時間程度。報告担当の回は4時間程度):報告担当者は、報告の準備をお願いします。また、報告担当でない受講生も、文献の指定箇所等を予習した上で、授業時に議論の中で行いたい質問や話したい話題を考えておいてください。 事後学修(2時間程度):報告と授業での議論を思い出しながら、関連するニュースや文献を調べて知識を収集し、扱ったテーマについての理解を深めてください。 |
履修上の注意事項 | *報告の担当箇所は第一回の授業で決定します。 *この授業ではMoodleを利用します。授業資料等はMoodleにアップロードします。 *テキスト(下記)は購入してください。 *ブレンド型授業を実施します。(Moodle) *公認欠席制度の配慮内容は以下の通りです。 ・公認欠席は、成績評価において出席と同等に扱います。 ・公認欠席時の資料等については、Moodleコース上にデータを提示します。 |
成績評価の方法・基準 | 報告(40点)、演習への参加度・貢献度(40点)、出席状況・授業態度(20点)を総合的に評価します。発言・授業参加の積極性を重視します。報告を行わない者には単位を与えません。 |
テキスト | 守山正編著『犯罪予測:AIによる分析』(成文堂、2022年)。これ以外の文献も扱いますが、適宜コピーを配布します。 |
参考文献 | 授業中に適宜指示します。 |
主な関連科目 | |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
アポイントを取って頂ければ、フィードバック、質問、相談等には随時対応します。その他、メールやMoodle等による相談にも対応します。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
法学部法律学科(演習) | FLLA20802 | 2018~2022 | 2 | - | - | - | - | - |
法学部法律学科(演習) | FLLA20802 | 2023~2023 | 2 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |