授業コード 30055700 クラス
科目名 刑法各論 単位数 2
担当者 伊藤 嘉亮 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 刑法各論Ⅰ
(Criminal Law Special Part, Part I)
授業の概要 本講義で扱う「刑法各論」は、殺人罪や窃盗罪などの犯罪を個別に検討するものです。本講義を、新聞やニュースで目にする事件について何故に犯罪が成立するのか、あるいは成立しないのかを考えるきっかけにして頂きたいと思います。抽象的な理論の説明には終始せず、理論と事例の間での視線の往復を常に心掛けます。受講生に質問や発言を求めることで双方向的な対話形式の授業をつくりたいと思います。
本講義では殺人罪や窃盗罪といったメジャーな犯罪を扱います(やや聴き馴染みがないかもしれない犯罪は刑法各論Ⅱで扱います)。
学習の到達目標 ①刑法各論の基本的な学識を修得する。
②社会の変化に伴って生じる新たな問題を主体的に発見・解決する能力を得る。
③その解決策を選択した理由を相手に伝達し、納得させられるだけの発信能力を得る。
授業計画 第1回 イントロダクション
講義全体のスケジュールを確認する
第2回 刑法の基礎
刑法の基本原則と犯罪論体系を確認する
第3回 殺人罪、自殺関与・同意殺人罪:偽装心中は殺人になる?
偽装心中事例を素材に殺人罪と自殺関与・同意殺人罪の区別ができるようになる
第4回 暴行罪、傷害罪:騒音出してたら傷害?
「音」による暴行・傷害罪の成否を検討できるようになる
第5回 住居侵入罪:ビラ配布目的でも住居侵入?
住居権侵害と表現の自由のどちらを優先すべきかを考えられるようになる
第6回 不同意わいせつ・不同意性交等罪:法改正のポイント
性犯罪を定める刑法176条・177条の変遷を理解する
第7回 財産犯総説、窃盗罪①:占有って何?
窃盗罪と占有離脱物横領罪の区別ができるようになる
第8回 窃盗罪②:死者の占有ってありうる?
例外的に死者から財物を奪っても窃盗罪が成立する事例を判別できるようになる
第9回 強盗罪①:強盗罪の基本類型
財物を強奪する場合と財産上の利益を強奪する場合とを区別できるようになる
第10回 強盗罪②:準強盗罪の諸類型
事後強盗罪における「窃盗の機会」の有無を判断できるようになる
第11回 詐欺罪①:窃盗と詐欺はどうやって区別される?
特殊詐欺(オレオレ詐欺など)の中には窃盗罪が成立する場合もあることを理解できるようになる
第12回 詐欺罪②:他人名義のクレジットカードを使用したら詐欺?
クレジットカードの仕組みを理解した上で、その濫用に成立する罪を理解できるようになる
第13回 恐喝罪:権利行使のためなら恐喝してもいい?
権利行使としての恐喝が許容される場合とされない場合を区別できるようになる
第14回 放火①:放火罪の基本構造
様々な類型がある放火罪の全体像を理解できるようになる
第15回 放火罪②:「公共の危険」ってどういう意味?
建造物等以外放火罪が成立するために必要な「公共の危険」の意味を理解できるようになる
授業外学習の課題 事前学修(30分程度):1週間前にはレジュメをMoodleにアップしておくので、それとテキストの該当箇所に目を通し、初見の用語や概念を調べておくこと。
事後学習(3時間半程度):授業で扱った事例を期末試験として出題するので、各事例の論点が何なのか、それをめぐる判例・学説の状況はどうなっているのか、自身はどう考えるのかをレジュメやテキストを参照しながらまとめること。
履修上の注意事項 *Moodleの使用:①レジュメの配布(1週間前に公開)、②期末試験、レポート、ミニッツペーパーの点数公開
*出席回数について:「11回以上」の出席がなければ、評価は「X」とします。
*公認欠席制度の配慮内容は以下の通りです。
 ・公認欠席は欠席として扱いますが、単位認定要件には影響しないよう配慮します。
 ・ミニッツペーパー実施時に公認欠席となる場合は、代替措置で対応します。
成績評価の方法・基準 期末試験(60%)、レポート(20%)、ミニッツペーパー(20%)で評価します。
テキスト 大塚裕史ほか『基本刑法Ⅱ各論〔第3版〕』(日本評論社、2023年)
*ただし、既に別の教科書を持っている場合は、それを引き続き使用して下さって構いません。
参考文献 佐伯仁志ほか編『刑法判例百選Ⅱ各論〔第8版〕』(有斐閣、2020年)、十河太朗ほか編『刑法各論判例50!』(有斐閣、2017年)
*購入する必要はありませんが、図書館等で適宜参照して下さい。
主な関連科目 刑法総論、特別講義A(刑法各論Ⅱ)、刑事政策
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
・オフィスアワーとしての時間は設定していません。アポイントを取って頂ければ、質問や相談等には随時対応します。
・Moodle上でも質問できるようにします。これもいつでも受け付けます。
・レポートやミニッツペーパに対するフィードバックはMoodleで行います。
・試験答案の添削などは、メールで対応します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
法学部法律学科(刑事法) 2016~2016 1・2・3・4 - - - - -
法学部法律学科(刑事法) FLLA20402 2017~2017 1・2・3・4 - - - - -
法学部法律学科(刑事法) FLLA10501 2018~2022 1・2・3・4 - - - - -
法学部法律学科(刑事法) FLLA10501 2023~2023 1・2・3・4 -