授業コード 30028609 単位数 2
科目名 基礎演習 クラス 09
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 三阪 佳弘 配当年次 *下表参考

授業の題目 日本の法・法文化を歴史的に探求する
学修の概要  現在の日本の法制度の中には、その内容や運用において、国際的に見てかなり異なる特徴を持つものが意外と多く存在します。民事紛争解決において裁判所利用が他国と比して極端に少ないことは長年議論の対象とされてきました。また2023年の国連人権理事会による審査では、政府から独立した人権機関が無いことが批判され、死刑制度の存続、夫婦同氏制度の存続に象徴される女性差別の存在などが指摘されています。いずれも21世紀の国際的な潮流からは「異端」ともいえる特殊なあり方ともいえますし、それらが人権の問題に関わるのであれば、日本社会は生きづらい社会なのかもしれません。
 この授業では、こうした問題を手がかりにして、日本の法制度が、どのようにして歴史的に形成・運用され、どのようにして人々に受容されてきたのか(あるいは、受容させられてきたのか)を検討しようと思います。このことを通じて、日本に住む人々が、自分たちの権利や法制度にどのように向き合ってきたのか、そこに他の国々との違いはあるのか、歴史的な視点で考えたいと思います。
学修の到達目標 1.ものごとを客観的な根拠に基づき、客観的に把握することができる。
2.理解や意見の異なる者との間で意思疎通、意見交換、問題の共有、冷静な議論をすることができる。
3.自分の理解や意見を口頭または文書でわかりやすく伝えることができる。
授業計画 第1回 ガイダンス 講義の概要、運営方法の説明、
第2回 松沢裕作『生きづらい明治社会』を読む 前半  本のまとめ方とそこから何を読み取るか
第3回 松沢裕作『生きづらい明治社会』を読む 後半  本のまとめ方とそこから何を読み取るか
第4回 教員が設定するテーマ事例 テーマの設定の仕方と調べたこともまとめ方、みんなに何を議論してほしいのかの提示の仕方(日本における権利や法の考え方の特徴)
第5回 教員が設定するテーマ事例 テーマの設定の仕方と調べたこともまとめ方、みんなに何を議論してほしいのかの提示の仕方(日本における国家権力の強さと人々の権利のあり方の特徴)
第6回 受講学生による、グループに分かれてのテーマの設定
第7回 学生グループによるテーマ報告とディスカッション(憲法の歴史)
第8回 学生グループによるテーマ報告とディスカッション(立憲主義の定着)
第9回 学生グループによるテーマ報告とディスカッション(刑事裁判における権利の抑圧)
第10回 学生グループによるテーマ報告とディスカッション(具体的な刑事事件の分析)
第11回 学生グループによるテーマ報告とディスカッション(家制度のもとでの権利の抑圧)
第12回 学生グループによるテーマ報告とディスカッション(近代家族制度とジェンダー)
第13回 学生グループによるテーマ報告とディスカッション(裁判官の独立の限界)
第14回 学生グループによるテーマ報告とディスカッション(日本人の法意識)
第15回 まとめ
授業外学習の課題 1.教員が指示した教材があるときにはそれを熟読して講義に臨む。
2.自らの関心に基づいてテーマを立てて、それについて、資料を収集検討する。
3.そのテーマに関する自己の主張を、根拠を持って伝えられるように、レジュメやパワーポイントにまとめる。
4.授業での議論をふまえて、その授業回の内容やテーマについての自分の意見をまとめる。
以上の授業外学習時間は4時間程度を予定している。
履修上の注意事項 授業の際には、当日指定された文献を読んでおいてください。
最初に講読する松沢裕作『生きづらい明治社会』についてはこちらで準備しますので購入の必要はありません。
皆さんが報告する際に守るべき事柄(レジュメの作成、提出方法等)は授業の際に説明します。
議論には積極的に参加してください。
無断欠席、とくに発表があたっている授業回の無断欠席は厳禁です。
授業計画は、参加者の数や進行度合いに応じて変更することがありますので注意してください。
公欠制度の欠席と発表回が重ならないように配慮します。
成績評価の方法・基準 出席して、積極的に議論に参加することが前提です。
報告への取り組みと課題提出の内容(70点)、授業での議論へ積極さ(30点)、欠席による減点等により評価します。
テキスト
参考文献
主な関連科目
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業終了時に対応します。そのほか、説明に時間を要したりややこみいった質問・相談・成績評価に関しては、研究室で対応します。この場合は事前にアポイントメントをとってください。
メールでも対応します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
法学部法律学科(演習) FLLA20801 2018~2022 2 - - - - -
法学部法律学科(演習) FLLA20801 2023~2023 2