授業コード 30028604 単位数 2
科目名 基礎演習 クラス 04
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 十河 隼人 配当年次 *下表参考

授業の題目 刑事政策と犯罪学
学修の概要 本ゼミでは、「暴力犯罪を減らすためにはどうすべきか」という刑事政策的問題に、最新の犯罪学の知見をもって挑む書籍である、エイドリアン・レイン『暴力の解剖学』(紀伊國屋出版、2015年)を輪読し、それを踏まえて議論します。

そこで問われるのは、「連続殺人犯は、なぜ殺人を犯すのか? 生まれつきの性格か、それとも育った環境か?」、「罪を犯す危険のある人を、被害が出る前に閉じ込めておく制度を作るべきか?」といった問いです。

このような問いに興味をもち、犯罪対策のあり方について根本的なところから考え、議論したいと思える学生の参加を歓迎します。
学修の到達目標 1. 刑事政策に関する文献・資料を精確に読解できるようになること。
2. 犯罪学上のデータを踏まえつつ、倫理的な観点にも配慮した刑事政策提案ができるようになること。
3. 発表(プレゼン)を行い、それを踏まえて議論を交わすスキルを身につけること。
授業計画 第1回 ガイダンス:授業の進め方、報告者の割り当て
  ゼミの目的と流れを把握する
第2回 報告と検討(1):暴力の進化
  暴力を進化論の観点から理解する
第3回 報告と検討(2):犯罪の身体的基盤
  犯罪の社会的基盤と身体的基盤との区別を理解する
第4回 報告と検討(3):暴力犯罪者の脳神経科学的特徴
  暴力犯罪者に対する脳神経科学が明らかにしてきたことを知る
第5回 報告と検討(4):自律神経と暴力
  自律神経系の機能と暴力行動との関係を知る
第6回 報告と検討(5):フィニアス・ゲージの症例
  有名な事例であるフィニアス・ゲージの症例について、その概要を把握する
第7回 報告と検討(6):ホワイトカラー犯罪者とその脳
  ホワイトカラー犯罪の行為者を対象とした脳研究の概要を把握する
第8回 報告と検討(7):「生まれながらの犯罪者」?
  「生まれながらの犯罪者」というコンセプトの意味と危険性を知る
第9回 報告と検討(8):栄養と暴力
  栄養不良と暴力行動との相関関係について知る
第10回 報告と検討(9):精神疾患と暴力
  精神疾患と暴力行動との相関関係について知る
第11回 報告と検討(10):暴力の身体的基盤と社会的基盤
  暴力の社会的基盤を重視する学説と、身体的基盤を重視する学説との論争を、その歴史とともに理解する
第12回 報告と検討(11):犯罪の「治療」?
  再犯予防に向けた最新の脳神経科学的取り組みと、その成果を知る
第13回 報告と検討(12):脳科学と自由意思
  脳科学の進展が刑事司法システムに将来与えうる影響について考える
第14回 報告と検討(13):刑事政策の未来
  脳科学の進展と危険性とを踏まえて、将来における刑事政策のあるべき姿を考える
第15回 まとめ(オンデマンド)
  授業の中で得た様々な知識をワークシートにまとめて、全体の立体的な理解を獲得する
授業外学習の課題 事前学修(1時間程度。報告担当の回は4時間程度):報告担当者は、報告の準備をお願いします。また、報告担当でない受講生も、文献の指定箇所等を予習した上で、授業時に議論の中で行いたい質問や話したい話題を考えておいてください。

事後学修(2時間程度):報告と授業での議論を思い出しながら、関連するニュースや文献を調べて知識を収集し、扱ったテーマについての理解を深めてください。
履修上の注意事項 *この授業ではMoodleを利用します。授業資料等はMoodleにアップロードします。
*報告の担当箇所は第一回の授業で決定します。
*テキスト(下記)は購入してください。
*ブレンド型授業を実施します。(Moodle)
*公認欠席制度の配慮内容は以下のとおりです。
・公認欠席は、成績評価において出席と同等に扱います。
・公認欠席時の資料等については、Moodleコース上にデータを提示します(現物資料については後日配布しません)。
成績評価の方法・基準 報告(40点)、演習への参加度・貢献度(40点)、出席状況・授業態度(20点)を総合的に評価します。発言・授業参加の積極性を重視します。報告を行わない者には単位を与えません。
テキスト エイドリアン・レイン『暴力の解剖学』(紀伊國屋書店、2015年)。
参考文献 授業中に適宜指示します。
主な関連科目
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
アポイントを取って頂ければ、フィードバック、質問、相談等には随時対応します。その他、メールやMoodle等による相談にも対応します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
法学部法律学科(演習) FLLA20801 2018~2022 2 - - - - -
法学部法律学科(演習) FLLA20801 2023~2023 2