授業コード | 30026200 | 単位数 | 2 |
科目名 | 日本法制史 | クラス | |
履修期 | 後期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 三阪 佳弘 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 歴史から学ぶ現代日本法の基礎 |
学修の概要 | 現在の日本法を支える基本的な理念や考え方は、概ね19世紀後半(具体的には明治維新以後)に、欧米社会から継受したもので、近代法原理ないしは近代市民法原理と呼ばれます。そのなかには、立憲主義、権力分立、司法権の独立、法の支配、罪刑法定主義、所有権の自由、契約の自由などがあり、個々の法制度の中で具体化されてきました。これらの考え方は、数世紀にわたって歴史的に形成され、尊重されてきたものです。そのプロセスを理解することは、現在の法制度を学ぶ上でも重要です。 この授業では現在でも基本法である憲法・刑法・民法の歴史を学ぶことを通して、以上の近代法原理・近代市民法原理の理解を深めます。 |
学修の到達目標 | 1.実定法学を支え・発展させる基礎法学の知識を身につける。 2.近代市民法原理を歴史的流れの中で理解できる。 3.日本における近代市民法原理の受容と日本的特質(変容)を理解できる。 4.現代社会に対する複眼的な思考を身につける。 |
授業計画 | 第1回 | ガイダンス:日本近代法の概観といわゆる「六法」と呼ばれる法典の成立 |
第2回 | 立憲主義の考え方は日本にどのように伝わったか--幕末から明治維新へ | |
第3回 | 天皇は憲法によって制限されるのか--明治憲法の制定と立憲主義 | |
第4回 | 議会を通じて人々の意見はどのように反映されるのか--明治憲法のもとでの政党内閣的慣行の成立 | |
第5回 | 立憲主義は戦前日本において定着したのか--昭和戦前期天皇機関説事件 | |
第6回 | なぜ日本国憲法は制定されたのか--天皇主権から国民主権へ | |
第7回 | 前近代社会において国家はどのように人を処罰していたか--江戸時代から明治初期の刑罰 | |
第8回 | 罪刑法定主義は日本でいつ実現されたのか--1880年刑法(旧刑法)の画期性 | |
第9回 | 刑罰は、悪い行いへの応報なのか、悪い行いをした人の矯正なのか--1907年刑法(現行刑法)の成立 | |
第10回 | 国家が望ましいと考える価値を刑法によって強制できるのか--昭和戦前期の刑法改正の試みと1925年の治安維持法の運用 | |
第11回 | 現在の日本で、なぜ夫婦・親子は同氏でなければならないのか--日本の現在の家族法・戸籍制度が抱える問題とその歴史的原因 | |
第12回 | 明治以降、政府は家族をどのように把握しようとしたのか--1871年戸籍法の制定と「家」制度 | |
第13回 | 近代の家族にはなぜ家の「長」が必要なのか--日本の「家」制度と西欧の近代家父長家族法 | |
第14回 | 戦前の「家」制度に問題はなかったのか--1898年民法(明治家族法)の成立と運用 | |
第15回 | 日本国憲法の24条はどのように制定されたか--戦後の民法改正の意義と限界 |
授業外学習の課題 | 法律学だけでなく、日本史や世界史の理解があると興味が湧くと思います。歴史書を読み、歴史に対する知識と感覚を養ってください。 事前の教材の熟読と、毎回の講義終了後にレジュメを読み直す手助けとなる簡単な確認テストをしてもらう予定です(確認テストの具体的な方法については、講義開始時に改めて指示します)。以上を含めた講義前後の授業外学習は4時間を目安としています。 |
履修上の注意事項 | 講義中のおしゃべり、飲食、携帯電話の使用等は禁止します。 講義の進行度に合わせて、授業内容は変更する場合があります。注意してください。 公欠制度の欠席の回の講義資料は、別途配布します(配布方法については授業中に指示します)。 |
成績評価の方法・基準 | 平常点(20点)と期末試験(80点)で評価します。なお、平常点は、「授業外学習の課題」で記載したように、各回の授業についての復習課題を出す(どのような形で出すかは講義開始時に指示)ので、それによって評価します。 |
テキスト | テキストは使用せず、講義資料を配布します。 |
参考文献 | 川口由彦『日本近代法制史(第2版)』(新世社) 浅古弘・伊藤孝夫・植田信廣・神保文夫編『日本法制史』(青林書院) 山中永之佑編『新・日本近代法論』(法律文化社) 山中永之佑監修『日本現代法史論-近代から現代へ-』(法律文化社) 伊藤孝夫『日本近代法史講義』(有斐閣) |
主な関連科目 | |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
授業終了時に対応します。そのほか、説明に時間を要したりややこみいった質問・相談に対しては、研究室で随時対応します。この場合は事前にアポイントメントをとってください。メールでも対応します。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
法学部法律学科(基礎法) | - | 2016~2016 | 2・3・4 | - | - | - | - | - |
法学部法律学科(基礎法) | FLLA20204 | 2017~2017 | 2・3・4 | - | - | - | - | - |
法学部法律学科(基礎法) | FLLA20203 | 2018~2022 | 2・3・4 | - | - | - | - | - |
法学部法律学科(基礎法) | FLLA20203 | 2023~2023 | 2・3・4 | ○ | ○ | ○ | - | - |