授業コード 30005100 クラス
科目名 韓国・朝鮮研究 単位数 2
担当者 金 栄鎬 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 朝鮮半島と東アジアの政治・国際関係
授業の概要 近現代の朝鮮半島をめぐる戦争をヨコとタテの視点から考えることから説き起こし、植民地統治からの解放・独立が国家分断に至った経緯をたどります。国家分断と冷戦下の韓国の権威主義政治体制と北朝鮮の一党支配体制を概観した後、韓国の民主化、選挙と政党について考察します。冷戦の終結と北朝鮮の核開発にともなう安全保障の諸論点を踏まえながら、あわせて日韓関係の歴史・領土問題や韓国からの被爆地への視線についても議論します。なお、各回授業の順序は授業の進度や地域動向などにより変更する場合があります。
学習の到達目標 朝鮮半島の地域研究および日本との関係に関する基本的な知識を習得する。
政治・社会・国際関係の変化の様相や要因への認識を深める。
朝鮮半島を含む東アジアの動向について自らの考えを説明できる。
授業計画 第1回 3つの戦争からみる朝鮮半島の近現代史
-戦争についてヨコ軸(国家vs.国家)とタテ軸(国家vs.民衆)の視点を学ぶ
第2回 朝鮮半島の解放・冷戦・南北分断
-いわば冷戦の「先取り」としての朝鮮半島分断の歴史を考える
第3回 朝鮮戦争とサンフランシスコ体制
-戦後日本の国際的枠組みと東アジアの革命・戦争・冷戦の一体性を習得する
第4回 韓国の革命・クーデター・開発
-東アジアに共通してみられる植民地解放後の政治変動と開発の歴史を学ぶ
第5回 北朝鮮の一党支配体制
-社会主義の政治体制の特徴が国家・政党関係の特異性にあることを考察する
第6回 日韓国交正常化とベトナム戦争
-宗主国・植民地関係の戦後再編の戦前との連続性と冷戦の影響を考える
第7回 デタント・新冷戦と朝鮮半島
-戦後の国際秩序の変化として60-70sのデタントと80s新冷戦について習得する
第8回 韓国の政治体制の民主化
-民主主義でも全体主義でもない権威主義政治体制とその変化を学ぶ
第9回 韓国の選挙・政党・政治的亀裂
-政治学の基礎概念を踏まえ、その一例としての現代韓国政治の一断面を考える
第10回 冷戦の終結と北朝鮮の核開発
-冷戦終結の意義と新たな問題を踏まえ、朝鮮半島核問題の基本知識を習得する
第11回 韓国の政権交代と北朝鮮政策
-国民意識の変化がもたらす内政の変化、内政の変化がもたらす外交の変化を学ぶ
第12回 朝鮮半島の統一問題
-戦後の分断国家のケースとともに朝鮮半島の統一問題について考える
第13回 日韓関係における歴史問題と領土問題
-日韓関係の争点の変化を踏まえ、移行期正義としての歴史問題を習得する
第14回 韓国からみた原爆投下とヒロシマ
-原爆史観に関する日・米・旧植民地アジアの視線の差異とその意味を考える
第15回 東アジアの分断国家と安全保障
-東アジアの二つの分断・分裂国家のケースを踏まえて地域の安定条件を習得する
授業外学習の課題 受講前に配布または指定する資料を読み、関連事項を調べる(2時間程度)
受講後に講義内容と質問・意見を提出し、関連事項を調べる(2時間程度)
履修上の注意事項 政治・社会・国際関係などに関するニュースを読み比べてください。
期末レポートでは参考文献その他から1冊以上の文献の活用を求めます。
公認欠席は、期末評価や単位認定要件には影響しないように、授業資料の後日配布や提出物等の後日提出などの配慮をします。
成績評価の方法・基準 受講後のリアクション・ペーパー(40%)と期末レポート(60%)
テキスト 毎回の講義に先立ち講義レジュメや資料を配布する
参考文献 D.オーバードーファー、2015、『二つのコリア 第3版』共同通信社
坂井隆・平岩俊司、2017、『独裁国家・北朝鮮の実像』朝日新聞出版
秋月望(監修)、2016、『韓国映画で学ぶ韓国の社会と歴史』キネマ旬報社
糟谷憲一他、2016、『朝鮮現代史』、山川出版社
金惠京、2021、『未完の革命:韓国民主主義の100年』明石書店
文京洙、2020、『文在寅時代の韓国』岩波新書
東アジア共同体研究所琉球・沖縄センター編、2020、『虚構の新冷戦』芙蓉書房出版
前川一郎他、2020、『教養としての歴史問題』東洋経済新報社
歴史教育者協議会編、2014、『すっきりわかる歴史認識の争点Q&A』大月書店
山崎雅弘、2019、『歴史戦と思想戦』集英社新書
和田春樹、2012、『領土問題をどう解決するか』平凡社新書
李鍾元他、2017、『戦後日韓関係史』有斐閣アルマ
金栄鎬、2008、『日韓関係と韓国の対日行動』彩流社
市場淳子、2005、『広島を持ちかえった人々』凱風社
若林正丈、2023、『台湾の歴史』講談社学術文庫
主な関連科目 政治学概論、国際政治学、日本政治外交史、東洋政治外交史
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
各回授業への質問への対応は次回の講義の冒頭で行う。
試験等へのフィードバックを含めてそのほか相談があればまずはメールで連絡をすること。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
法学部国際政治学科(D群) 2015~2016 2・3・4 - - - - -