授業コード | 20093000 | 単位数 | 2 |
科目名 | 英語学・英語教育学ゼミナールD(通訳翻訳研究) | クラス | |
履修期 | 後期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 石塚 浩之 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 通訳翻訳研究II Interpreting and translation studies II |
学修の概要 | いったい通訳翻訳はなぜ可能なのだろうか。この授業では、認知意味論・認知語用論の基礎を学びつつ、通訳翻訳を可能とする思考と言語と世界の関係について思いをはせる。通訳翻訳は単なる言語変換ではないが、言語を中心にした活動であることは否定できない。だからこそ、言語についての学びは、通訳翻訳についての考察の深さに直結する。通訳翻訳における言葉の役割を考察するための鍵を握るものがコミュニケーションである。この授業では、コミュニケーションにおけるレトリックの処理に関する基礎理論を学び、ディスコース・レベルでのことばを分析する視点を身につけ、通訳翻訳を対象とし卒業研究を進めるための知識と手を身につける。 授業での主たる活動は以下の通り。 1.文献講読 通訳翻訳研究の入門書およびこれに関連する文献をよみ、コミュニケーションの仕組や通訳・翻訳の本質について議論する。 2.口頭発表と年次報告論文 夏期休暇の終わりに研究発表会にて、各自の研究の初回報告を口頭で行う。その際、 クラスメートの発表を客観的に評価し、議論に参加する。また、ゼミの伝統として、年度末には論集を作成する。その成果をもとに研究を進め、次年度の「卒業研究」の授業で発表を行う。 |
学修の到達目標 | 1.認知意味論・認知語用論や通訳・翻訳研究に関する文献を読解し、その内容について議論する。 2.他人の研究に対する批判的かつ建設的な分析を自分の研究に生かす。 3.言語について自分なりの問題意識を持ち、英語・日本語の文献を主体的に調査する。 |
授業計画 | 第1回 | オリエンテーション 研究発表 |
第2回 | レトリックとコミュニケーション:語用論と意味論 | |
第3回 | 推論モデル | |
第4回 | 協調の原理と会話の格率 | |
第5回 | 関連性の原理 | |
第6回 | 表意:飽和・曖昧性の除去 | |
第7回 | 表意:自由拡充・アドホック概念(緩和・絞り込み) | |
第8回 | 高次表意と推意 | |
第9回 | データ分析:関連性理論と翻訳 | |
第10回 | 認知意味論:概念メタファーとその構造 | |
第11回 | 認知意味論:メタファーの普遍性と特殊性 | |
第12回 | 認知意味論:メタファーとメトニミー | |
第13回 | 認知意味論:メトニミーと思考 | |
第14回 | データ分析:レトリカル・シフト | |
第15回 | データ分析:言語の認知的基盤と通訳翻訳 |
授業外学習の課題 | 授業外の学習は最低2時間は必要です。 主な内容は以下の通りです。 講読テキストの読解(発表担当者はレジュメ作成) 指定された通訳・翻訳データの分析(分析レポート作成) 各自の関心に合わせたデータ収集 関連文献の調査 年次報告論文の作成 |
履修上の注意事項 | *4回を超えた欠席(公認欠席を含む)をした場合、単位は認めない。また、欠席については事前に連絡をすること。 *この授業の履修者は全学共通科目「日本語と英語」を履修することが望ましい。 |
成績評価の方法・基準 | 授業への貢献度25%、提出物25%、期末試験25%、年次報告論文25%で行う。 |
テキスト | 内田聖二『ことばを読む、心を読む 認知語用論入門』開拓社 その他、授業中にプリントを配布する。 |
参考文献 | Lakoff, G. & M. Johnson. Metaphors we live by. The University of Chicago Press (渡部・楠瀬・下谷訳『レトリックと人生』大修館) Sperber, D. & D. Wilson. Relevance: Communication and Cognition, Second Edition. Blackwell. (内田聖二ほか訳『関連性理論 伝達と認知』研究社) ディアドリ・ウィルソン、ティム・ウォートン『最新語用論入門12章』大修館書店 今井邦彦『言語理論としての語用論』開拓社 東森勲・吉森あき子『関連性理論の新展開:認知とコミュニケーション』研究社 船山仲他『自然言語をめぐる秩序 言語化と概念化』開拓社 その他、授業内で随時指示する。 |
主な関連科目 | 通訳演習I (入門)、通訳演習II (基礎)、通訳演習III (同時通訳) 日本語と英語 |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
質問・相談は、基本的に授業終了時に受け付ける。時間を要する質問・相談については、その都度調整する。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
人文学部英語英文学科(英語学・英語教育学) | FHEN30313 | 2017~2022 | 3・4 | - | - | - | - | - |
人文学部英語英文学科(英語学・英語教育学) | FHEN30313 | 2023~2023 | 3・4 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
人文学部英語英文学科(英語学・英語教育学) | 22400 | 2024~2024 | 3・4 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |