授業コード 20092900 単位数 2
科目名 英語学・英語教育学ゼミナールC(通訳翻訳研究) クラス
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 石塚 浩之 配当年次 *下表参考

授業の題目 通訳翻訳研究I Interpreting and translation studies I
学修の概要  二言語間に対応する語彙や表現が見つからないことは珍しいことではない。また、一見したところ対応するように見えても、じっくり分析すると置き換えのきかない表現は枚挙にいとまがない。「翻訳は不可能である」とする主張はそうした例を根拠とすることが多い。にもかかわらず、通訳翻訳の実践は人類の歩みと匹敵するくらい古い歴史を持ち、我々の世界のあり方に重要な役割を担ってきた。近年は機械翻訳の実用化も進んでいる。この授業では、通訳翻訳研究の基本的視点と問題意識を学び、コミュニケーションにおけることばを分析する視点を身につけ、卒業研究を進めるための知識と手法を身につける。
 授業での主たる活動は以下の通り。

1.文献講読
 通訳翻訳研究の入門書およびこれに関連する文献をよみ、コミュニケーションの仕組や通訳・翻訳の本質について議論する。

2.データ分析と口頭発表
 授業で得た理論的知識を生かし、実際の通訳翻訳データから抽出した共通課題を分析し、クラス内で発表する。また、クラスメートの発表を客観的に評価し、議論に参加する。

 ゼミの伝統として、年度末には論集を作成する。セミナールDと合わせた年間の活動はこれを目標として進めていく。
学修の到達目標 1.通訳・翻訳研究の基本概念と問題意識を理解する。
2.他人の研究に対する批判的かつ建設的な分析を自分の研究に生かす。
3.言語について自分なりの問題意識を持ち、英語・日本語の文献を主体的に調査する。
授業計画 第1回 通訳翻訳研究について
ゼミナールの目標と運営
第2回 通訳データと翻訳データ:データ分析入門
データの選択と入手
第3回 翻訳研究の着眼点1:日本語と英語(語彙と意味)
第4回 翻訳研究の着眼点1:日本語と英語(構文・文法)
第5回 翻訳研究の着眼点2:目標志向と機能主義(概要)
第6回 翻訳研究の着眼点2:目標志向と機能主義(各論)
第7回 翻訳研究の着眼点3:ポリシステムとCDA(概要)
第8回 翻訳研究の着眼点3:ポリシステムとCDA(各論)
第9回 翻訳データ分析1:視点と記述
第10回 翻訳データ分析2:分析と主張(通訳翻訳の文化社会的基盤)
第11回 通訳と翻訳:共通点と差異
第12回 通訳の分野
第13回 通訳翻訳の分野:研究対象とデータ
第14回 通訳データ分析1:分割・保持・組換え
第15回 通訳データ分析2:追加情報
授業外学習の課題 授業外の学習は最低2時間は必要です。
主な内容は以下の通りです。

講読テキストの読解(発表担当者はレジュメ作成)
指定された通訳・翻訳データの分析
各自の関心に合わせたデータ収集
関連文献の調査
履修上の注意事項 *4回を超えた欠席(公認欠席を含む)をした場合、単位は認めない。欠席については事前に連絡をすること。
*この授業の履修者は全学共通科目「日本語と英語」を履修することが望ましい。
成績評価の方法・基準 授業への貢献度30%、提出物30%、期末試験40%で行う。
テキスト プリントを配布する。
参考文献 Munday, J. Introducing translation studies. Routledge (鳥飼久美子監訳『翻訳研究入門』みすず書房)
鳥飼玖美子編著『よくわかる翻訳通訳学』ミネルヴァ書房
Pym, A. Exploring Translation Theories. Routledge. (武田珂代子訳『翻訳理論の探求』みすず書房)
Pöchhacker, F. Introducing interpreting studies. Routledge (鳥飼久美子監訳『通訳研究入門』みすず書房)
Baker, M. & Saldanha, G. Routledge Encyclopedia of Translation Studies, Second Edition. (藤濤文子監訳『翻訳研究のキーワード』研究社)
Reiss, K. & Vermeer, H. J. Grundlegung Einer Allgemeinen Translationstheorie. Walter de Gruyter. (藤濤文子監訳『スコポス理論とテクストタイプ別翻訳理論』晃洋書房)
石塚浩之編著『英日通訳翻訳における語順処理 順送り訳の歴史・理論・実践』ひつじ書房
その他、授業内で随時指示する。
主な関連科目 通訳演習I (入門)、通訳演習II (基礎)、通訳演習III (同時通訳)
日本語と英語
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
質問・相談は、基本的に授業終了時に受け付ける。時間を要する質問・相談については、その都度調整する。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
人文学部英語英文学科(英語学・英語教育学) FHEN30312 2017~2022 3・4 - - - - -
人文学部英語英文学科(英語学・英語教育学) FHEN30312 2023~2023 3・4
人文学部英語英文学科(英語学・英語教育学) 22400 2024~2024 3・4