授業コード | 20084000 | 単位数 | 2 |
科目名 | 親密性の社会学演習(理論) | クラス | |
履修期 | 前期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 河口 和也 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 親密性の社会学 Sociology of intimacies |
学修の概要 | 「家族」を研究対象とする社会学の一領域としては、「家族社会学」があります。しかし、現在、家族をめぐる状況の変化・変容に対して、従来の「家族」という概念をとおして分析することは難しくなってきているのも事実です。家族をはじめとする私的で、親密な間関係性の問題に対するオルターナティブなアプローチとして、「親密性」「親密圏」という概念が提案されるようになってきました。これまでこの用語・概念をめぐっては、様々な定義が与えられてきましたが、この演習ではそうした諸定義と諸理論を整理しつつ、「親密性」「親密圏」の概念や理論をとおして、公的領域以外における様々な関係性を取り上げます。そのなかには「家族関係」、「友人関係」、「恋愛関係」などが含まれます。 とくに、この演習では、典型的な異性愛核家族には含まれない、ある種の非典型的な「家族」のあり方を、「親密性」という枠組みをとおして捉えなおしていくと同時に、従来のとらえ方の射程外に位置づけられてきた非異性愛の「恋愛関係」をはじめとして、性的マイノリティの親密性や親密圏を検討しなおしていきたいと考えています。 |
学修の到達目標 | 1.近代家族の成立の過程を説明できるようになり、現代社会の家族問題と関連付けて考えることができるようになる。 2.現代社会の家族をめぐる問題に関する視角を得ることで、「新しい」家族形態を理解することができるようになる。 3.従来の家族社会学のなかで培われてきた「家族」概念やそれをめぐる諸理論を批判的に検討し、現代社会において変容していく家族のあり方を「親密性」という枠組みでとらえなおすことができるようになる。 4.受講生は親密な関係性の意味を多様に考察することができるようになる。 |
授業計画 | 第1回 | イントロダクション:「家族」とマイノリティ |
第2回 | 家族を超える社会学1 「家族のオルタナティブと新たな生の基盤を求めて」「家族の臨界」 | |
第3回 | 家族を超える社会学2 「家族からの出発」 | |
第4回 | 家族を超える社会学3 「ジェンダー家族のポリティクス」 | |
第5回 | 家族を超える社会学4 「若者の自律/自立と共同性の創造」 | |
第6回 | 家族を超える社会学5 「性愛の多様性と家族の多様性」【オンデマンド授業】 | |
第7回 | 恋愛の社会学1 「恋愛からの疎外、恋愛への疎外」 | |
第8回 | 恋愛の社会学2 「ポリアモリーという性愛と文化」 | |
第9回 | 恋愛の社会学3 「アセクシュアル/アロマンティックな多重見当識=複数的指向」 | |
第10回 | 恋愛の社会学4 「クワロマンティック宣言」 | |
第11回 | 恋愛の社会学5 「これからの恋愛の社会学のために」 | |
第12回 | 恋愛の社会学のまとめ【オンデマンド授業】 | |
第13回 | 結婚の社会学1 「ロマンティックラブ・イデオロギーというゾンビ」 | |
第14回 | 結婚の社会学2 「『愛―性―結婚』の現在地」 | |
第15回 | まとめ 「親密性とは何か」 |
授業外学習の課題 | 講義のなかで読むことを求められた文献は必ず事前に読んで理解するようにしてください。また、授業に関連した小レポートなどを課すことがありますので、準備を怠らないようにしてください。 事前学修(2時間程度):毎講義の最後に次回の講義テーマを発表するので、各自でできる限り調べて予備知識を集めておき、関係する事柄について調べておくこと 事後学修(2時間程度):講義中にわからなかった用語については、次回までに各自で調べること |
履修上の注意事項 | 本講義で使用する資料等は、Moodleにてダウンロードできるようにします。 提出物やレポートなどは必ず指定された期限内に提出すること。 授業用の配布資料や課題などは、Moodleに掲載することがありますので、確認してください。 小テストやプレゼンテーション時に公認欠席となる場合、追試や代替措置で対応します。 ブレンド型授業を実施します(Moodle使用) |
成績評価の方法・基準 | 授業中の発表やグループ作業等における積極性(50%)、学期末に課すレポート(50%)を総合して評価する。欠席は減点することがある。 |
テキスト | 授業のなかで適宜指示する。 |
参考文献 | 阿部 天・荒木 晃子他 2022 『LGBTQの家族形成支援―生殖補助医療・養子&里親による』信山社 赤川学 2017 『これが答えだ!少子化問題』 筑摩書房 荒川和久 2017 『超ソロ社会―「独身大国・日本」の衝撃』 浅野素女 2014 『同性婚、あなたは賛成?反対? フランスのメディアから考える』パド・ウィメンズ・オフィス Leo Bersani & Adam Phillips, 2008 Intimacies. The University of Chicago Press. (=檜垣立哉・宮澤由歌訳 2012『親密性』 洛北出版) Brake, Elizabeth, 2012 Minimizing Marriage: Marriage, Morality, and the Law. Oxford University Press. (=久保田裕之監訳・羽生有希・藤間公太・本多真隆・佐藤美和・松田和樹・阪井裕一郎訳 2019 『最小の結婚―結婚をめぐる法と道徳―』 白澤社) Chambers, Deborah 2006 New Social Ties: Contemporary Connections in a Fragmented Society. Palgrave Macmillan. (デボラ・チェンバース著 辻大介+久保田裕之+東園子+藤田智博 訳 2015『友情化する社会―断片化のなかの新たな<つながり>』岩波書店) チョウンシー、ジョージ(上杉富之・村上隆則 訳)2006 『同性婚―ゲイの権利をめぐるアメリカ現代史』 明石書店 藤森克彦 2017 『単身急増社会の希望―支え合う社会を構築するために』日本経済新聞出版社 |
主な関連科目 | 表象文化論演習 |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
質問や相談等については、授業中でも、授業終了時でも受け付けますので、遠慮なく申し出てください。また、オフィスアワーを設けますので、そのときに研究室に訪問してくださってもけっこうです。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
人文学部人間関係学科社会学専攻(専門演習科目) | FHHS34272 | 2017~2022 | 2・3・4 | - | - | - | - | - |
人文学部人間関係学科社会学専攻(専門演習科目) | FHHS34272 | 2023~2023 | 2・3・4 | - | ○ | - | ○ | ○ |