授業コード 20080400 単位数 2
科目名 宗教社会論 クラス
履修期 後期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 中道 豪一 配当年次 *下表参考

授業の題目 民俗宗教の視点から広島デルタ地域を眺める
学修の概要 本講義は宗教と社会の関係を考えるため民俗宗教という存在に注目します。

民俗宗教は教祖や教義の存在しない形態の宗教ですが、地域の文化や歴史と密接な関係を築きながら成長するため、時には伝統文化・習俗としての認識が優先し、本質的な宗教としての認識が欠落することが珍しくありません。例えばお正月に飾る「鏡餅」や「角松」。これらは「新年に家々を訪問する神様を迎えるため」のれっきとした民俗宗教のアイテムですが「宗教」という言葉で説明されると戸惑う人も少なくないのではないでしょうか。

本講義では具体性を重んじるため、広島デルタ地域(広島市中心部)という身近な地域に焦点を絞り民俗宗教の事例を1~12月まで順番に学んでいきます。近世から現代までの様々な事例に触れることで「宗教の存在」を感じ取れるようにすることを第一の目的とし、「宗教が地域社会に及ぼす影響」「時代による推移」「現代広島地域における特殊性」などのトピックについて意見を持てるようにすることを第二の目的とします。
学修の到達目標 ①民俗宗教事例を正しく理解し説明できる
②民俗宗教の存在を意識し現代社会における影響を説明できる
③民俗宗教の時代的推移を説明できる
④民俗宗教事例における広島の特殊性を説明できる
⑤宗教に関する理論を正しく理解し説明できる
授業計画 第1回 民俗宗教という存在から現代を眺める
―意外なところに存在する民俗宗教の影響―
―講義概要と評価方法の説明―
第2回 旧暦1月における旧広島市域の生活と文化
―正月行事を中心に人々の生活を知る―
第3回 旧暦2月における旧広島市域の生活と文化
―初午を中心に人々の生活を知る―
第4回 旧暦3~4月における旧広島市域の生活と文化
―上巳の節句(3月3日)・こと追いなどを中心に人々の生活を知る―
第5回 旧暦5月における旧広島市域の生活と文化
―端午の節句(5月5日)・さねもりさまを中心に人々の生活を知る―
第6回 旧暦6月における旧広島市域の生活と文化①
―忘れ去られた嚴島神社と管絃祭―
第7回 旧暦6月における旧広島市域の生活と文化②
―広島城下における敬神行事:火振り・御供船―
第8回 旧暦6月における旧広島市域の生活と文化
―氷餅・国主棚・大祓を中心に人々の生活を知る―※8回はオンライン(オンデマンド)で実施します
第9回 旧暦7月における旧広島市域の生活と文化
―忘れられた七夕とお盆の関わりを知る―
第10回 旧暦8~9月における旧広島市域の生活と文化
―八朔・重陽の節句(9月9日)・乙九日を中心に人々の生活を知る―
第11回 旧暦10月における旧広島市域の生活と文化
―亥の子を中心に人々の生活を知る―
第12回 旧暦11~12月における旧広島市域の生活と文化
―川通り餅・針供養を中心に人々の生活を知る―
第13回 広島県域における無形文化財と旧広島市域の比較①
―壬生の花田植・大山供養田植など―
第14回 広島県域における無形文化財と旧広島市域の比較②
―神楽(芸北神楽・十二神祇神楽・比婆荒神神楽など)―
第15回 広島県域における無形文化財と旧広島市域の比較③
―厳島神社信仰―
授業外学習の課題 参考すべき書籍・ホームページ等をGoogleclassで紹介します。【60~90分程度】
履修上の注意事項 【1・「Google classroom」登録について】

①「ブレンド型(対面+オンデマンド)」で実施します。
②「Google classroom」を使用するので、履修者確定段階で受講者全員に「Google classroom」のクラスコードを通知します。(※確認の方法が分からない学生は、教学センターへ問い合わせてください)初回講義日までに登録してください。
③毎回の講義資料は「Google classroom」で配信します。(講義直前の金曜日08:00を目途)
④各自、アップロードされたデータを出力して講義に出席してください。
⑤5・10回講義終了後に「Google classroom」で小課題を実施予定です。受講状況によっては小テストへ変更したり、実施しないこともあります。


【2・講義内容に関する注意事項】

①古文・漢文・くずし字等の専門知識は必要としません。
②理解を促すために関連映像を視聴することがあります。
③全15回の講義のうち10回以上の出席を評価対象とします。6回欠席すると評価対象外となります。
④公認欠席は出席になりません。
成績評価の方法・基準 100点を満点とし、得点配分は以下のようになります。
学期末試験(60%)…小課題や確認小テストを実施しない場合は試験(100%)になります
講義への取組み(40%)…小課題(×2)か小テスト(受講状況によっては実施しないことがあります)
テキスト テキストは講義中に配布するプリントを使用します。購入する必要はありません。
参考文献 ①広島関係の文献
 本講義内容に関連する内容について現代日本語で容易に読めるものとしては、薄田太郎の『がんす
 横丁』『続がんす横丁』『続々がんす横丁』『がんす夜話』 (この4冊は全てたくみ出版 昭和48)があります。
②宗教を考える理論に関する本
 ■Emile Durkheim 訳:古野清人『宗教生活の原初形態(上)(下)』岩波文庫 昭和50
 ■ピーター・L. バーガー『聖なる天蓋』筑摩書房 平成30
 ■和辻哲郎『風土-人間学的考察』岩波書店 昭和54
 ■櫻井義秀・三木英編著『よくわかる宗教社会学』ミネルヴァ書房 平成19(令和02年に5刷)
主な関連科目 ヒロシマ文化論Ⅰ、都市社会学、地域社会学
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
①講義時間の前後(対面講義が実施されている場合)
②「Google classroom」のコメント(※非公開コメントを推奨します)
③「Google classroom」に記載してあるメールアドレス

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
人文学部人間関係学科社会学専攻(社会学専門科目) FHHS23233 2017~2022 2・3・4 - - - - -
人文学部人間関係学科社会学専攻(社会学専門科目) FHHS23233 2023~2023 2・3・4 - - -
人文学部教育学科(関連科目) 23300 2024~2024 2・3・4 - - -
人文学部社会学科(社会の諸領域に関する科目) 24300 2024~2024 2・3・4 - - -