授業コード | 20079400 | 単位数 | 2 |
科目名 | 比較社会学Ⅱ | クラス | |
履修期 | 後期授業 | カリキュラム | *下表参考 |
担当者 | 新本 万里子 | 配当年次 | *下表参考 |
授業の題目 | 月経する身体とジェンダー |
学修の概要 | 女性たちは、月経にどのように対処してきたのだろうか。また、月経する身体は、社会からどのような眼差しを向けられてきたのだろうか。この授業では、月経する身体とジェンダーについて、月経対処をめぐるモノと月経をめぐる言説から考えていきます。 月経についての講義は、男性や性自認に疑問をもつ人に敬遠されがちかもしれません。しかし、社会やジェンダー関係を理解するために良い材料だと思いますので、性別を問わず参加してほしいと思っています。 |
学修の到達目標 | ・文化人類学の方法論と、文化人類学において月経がどのように扱われてきたのか説明できる。 ・日本における月経をめぐる歴史を説明できる。 ・現代日本の月経をめぐる状況とジェンダー関係を説明できる。 ・日本の事例を世界の事例に比較して考察できる。 |
授業計画 | 第1回 | イントロダクション 授業の目的と構成について理解する。 |
第2回 | 月経をめぐる研究――文化人類学において 文化人類学における月経研究の歴史を概観する。月経をめぐって何が議論されてきたのかを理解する。また、担当者は、月経する身体とジェンダーを考えるためにモノと言説の視点が有効だと主張する。なぜそのように考えているのか、月経をめぐる研究史から理解する。 |
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第3回 | 月経をめぐる社会状況――途上国・先進国において 開発課題として、何がジェンダーをめぐる課題と捉えられているのかを理解する。 |
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第4回 | 生理的現象としての月経 保健学の視点から月経の生理的側面を理解する。 |
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第5回 | 日本における月経をめぐる文化 日本民俗学の成果から、日本における月経をめぐる文化とジェンダーを理解する。 |
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第6回 | 日本における月経対処の歴史 社会学の成果から、月経対処に使用されたモノの変遷と女性の身体史を理解する。 |
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第7回 | 日本における月経の医療化と生理休暇の誕生 月経をめぐる言説と医療化の歴史を理解する。 |
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第8回 | パプアニューギニアにおける月経をめぐる文化 生業と月経が密接に関係する社会があったことと、その社会のジェンダーを理解する。第5回の授業内容に比較して考える。 |
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第9回 | パプアニューギニアにおける月経対処の歴史 月経対処をめぐるモノと女性の身体史を理解する。第6回の授業内容に比較して考える。 |
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第10回 | パプアニューギニアの都市に生きる女性たち 都市に生きる女性たちの月経対処の事例から、彼女たちの月経観、ジェンダーについて理解する。日本社会と比較して考える。 |
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第11回 | インドネシア農村部の女子中学生の月経対処 インドネシアの女子中学生の月経対処の事例から、インドネシアの月経観、モノと身体、ジェンダーについて理解する。日本社会と比較して考える。 |
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第12回 | 男性からみた月経 男性にとっての月経の扱いにくさを切り口に、男性の「他者化」とその乗り越えの方法について考える。 |
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第13回 | 障害のある人の月経 障害のある人の月経については研究蓄積が少ない。その見えにくさの構造を理解する。 |
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第14回 | 現代日本における月経対処をめぐるモノ 月経対処に使用されるモノを実際にみて触れて、私たちの身体とジェンダーについて考える。 |
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第15回 | 現代日本における月経をめぐる言説 月経をめぐる言説を集めて、私たちの身体とジェンダーについて考える。 |
授業外学習の課題 | 2時間程度の事前学習:Shudo Moodleに、授業前に調べてきてほしい事柄や読んできてほしい資料を掲載しますので予習してください。 2時間程度の事後学習:授業ノートをまとめ、配布する資料を読んで復習してください。 |
履修上の注意事項 | ・この講義は、科学研究費補助金 基盤研究(B)「現代日本の文脈に即した月経に関する教育の在り方の検討」(代表:大阪大学 杉田映理)の一環として行っています。 ・上記研究に係る研究者に、ゲストスピーカーとして講義をしていただきます。 ・本授業で提出してもらうコメントとレポートは、上記研究の成果として、書き手を匿名として発表されることがあります。これについては、初回の授業でも説明します。 ・文化人類学的な思考を身につけたい学生を求めます。 ・性別に関係なく多様な学生が集まることを望みます。 ・授業終盤に時間を確保し、授業内容に対するコメントを書いてもらいます。授業時間内にコメントを書く時間を確保できなかった場合には、事後学習として自宅でコメントを書いてもらいます。 ・欠席が6回以上の場合は失格とし、評価の対象としません。 ・公認欠席は欠席として扱いますが、単位認定要件または期末レポートの提出要件には影響しないよう配慮します。 |
成績評価の方法・基準 | コメント(30%)と期末レポート(70%)によって評価します。 |
テキスト | 指定しません。 |
参考文献 | 杉田映理・新本万里子編『月経の人類学――女子生徒の「生理」と開発支援』世界思想社 2022 田口亜紗『生理休暇の誕生』青弓社 2003 マーガレット・ロック『更年期――日本女性が語るローカル・バイオロジー』みすず書房 2005 小野清美『アンネナプキンの社会史』JICC出版局 1992/宝島社文庫 2000 田中ひかる『生理用品の社会史――タブーから一大ビジネスへ』ミネルヴァ書房 2013 天野正子・桜井厚『「モノと女」の戦後史』平凡社 2003 波平恵美子『ケガレの構造』青土社 1988 波平恵美子『ケガレ』岩波書店 1996 板橋春夫『産屋の民俗』岩田書院 2022 松本清一『日本女性の月経』フリープレス 1999 小山健『生理ちゃん』vol.1~4 KODAKAWA 2018~2020 髙橋由為子『セイリの味方スーパームーン――生理なんでもハンドブック』偕成社 1998 その他、適宜、Shudo Moodleに掲載します。 |
主な関連科目 | 文化人類学、社会学、日本民俗学 |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
授業の前後に対応します。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 | 身につく能力 | ||||
知識・技能 | 思考力 | 判断力 | 表現力 | 協創力 | ||||
人文学部人間関係学科社会学専攻(社会学専門科目) | FHHS23211 | 2017~2022 | 2・3・4 | - | - | - | - | - |
人文学部人間関係学科社会学専攻(社会学専門科目) | FHHS23211 | 2023~2023 | 2・3・4 | ○ | ○ | - | - | - |