授業コード 20046805 単位数 2
科目名 文化社会学演習A(応用) クラス 05
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 野村 浩也 配当年次 *下表参考

授業の題目 犠牲のシステムと差別に関する文化社会学的研究
学修の概要  「犠牲のシステム」とは、ある集団の利益が他の集団の生活を犠牲にして生み出され、維持されるシステムのことであり、「家父長制」や「植民地主義」とは、このシステムの成立を可能にする思想・政治・制度のことである。女性差別は、女性を犠牲にして利益を搾取する行為であり、奴隷貿易から現在にいたる人種差別は、黒人を犠牲にして利益を奪う行為である。また、在日米軍基地専用施設面積の約70%が集中し、過剰な基地負担の重圧にあえぐ沖縄の現状も、この場合の犠牲に相当する。一方、このような差別に抵抗し、乗り越えていくための文化が生み出されてきたのも事実であり、その場合の抵抗と解放の文化は、社会学として学ぶべき重要な価値を有する。前期の本演習では、女性差別に関する文献資料や映像資料の読解と受講生によるレジュメ作成および発表を中心に、犠牲のシステムのメカニズムについて文化社会学的に分析する方法を探究する。
学修の到達目標 ① 差別とは何かを理解し、差別の原因を説明することができる。
② 差別の構造を社会学的に分析し、説明することができる。
③ みずからの政治性を問題化し、文化的に問題を解決する方法を考えることができる。
授業計画 第1回 4/12   差別とは何か:理論的な基礎
第2回 4/19   差別と闘う音楽
第3回 4/26   選択と差別
第4回 5/10   黒人差別と公民権運動
第5回 5/11(土) 補足とディスカッション
第6回 5/17   インターセクショナリティと女性差別
第7回 5/24   差別を認識するための実践的基礎:沖縄差別
第8回 5/31   平等を前提してはならない
第9回 6/7     不平等と特権
第10回 6/14  マジョリティと特権
第11回 6/21    民主主義と市民的不服従
第12回 6/28   特権を認識するための補足とディスカッション
第13回 7/5   無知の知
第14回 7/12    差別と自分を知るということ
第15回 7/19    期末レポートを作成するための基礎
授業外学習の課題 ・事前学習(2時間程度もしくはそれ以上):必読文献(「教科書」)を精読すること。その上で、発表を担当する場合は原稿もしくはレジュメ作成のために時間をかけて準備すること。
・事後学習(2時間程度):授業ノートや発表レジュメを再読し、考えたことを可能なかぎり文章として書き残しておくこと。
・課題:必読文献、授業ノート、各発表のレジュメを精読して考えを文章化すること。
履修上の注意事項 ・対面授業を実施する。
・本演習を履修するための必須条件は、講義科目「文化社会学B」(前期金曜4限)を併せて履修することである。
・無断欠席しないこと。
・公認欠席時の資料は後日配付する。
成績評価の方法・基準 発表(40%)、授業への取り組み(20%)、期末レポート(40%)で評価する。
テキスト 必読文献:上野千鶴子『こんな世の中に誰がした?』光文社、2024年(ISBN978-4-334-10203-6)。
参考文献 エドワード・サイード『オリエンタリズム』平凡社
フランツ・ファノン『地に呪われたる者』みすず書房
マルコムX『マルコムX自伝(上・下)』中央公論新社
ポール・ギルロイ『ブラック・アトランティック』月曜社
屋良朝博『誤解だらけの沖縄・米軍基地』旬報社
野村浩也『無意識の植民地主義』松籟社
主な関連科目 文化社会学B(前期)、カルチュラル・スタディーズB(後期)
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
(1)授業中時間に質問の時間を設ける。
(2)授業時間終了後は教室および研究室にて随時質問を受け付ける。
(3)期末レポートへのコメントはメールにて送信する。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
人文学部人間関係学科社会学専攻(専門演習科目) FHHS34255 2017~2022 2・3・4 - - - - -
人文学部人間関係学科社会学専攻(専門演習科目) FHHS34255 2023~2023 2・3・4 - -