授業コード 20046305 単位数 2
科目名 カルチュラル・スタディーズ演習B(応用) クラス 05
履修期 後期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 野村 浩也 配当年次 *下表参考

授業の題目 カルチュラル・スタディーズの理論と応用の基礎
学修の概要  カルチュラル・スタディーズは、人種差別に抵抗する文化的闘争のなかで誕生した。音楽・映像・文学・思想等を通した文化的運動が、差別に対抗する手段として、きわめて重要な役割をはたしてきたことは、「文化を武器にする」ということばで表すことができる。特に、黒人文化においてその傾向は顕著であり、ステュアート・ホールという黒人研究者によって創始されたカルチュラル・スタディーズは、「運動する学問」「学問する運動」として発展してきたといえよう。よって、本演習のキーワードも「文化」と「差別」である。

 差別をなくす方法はひとつしかない。それは、差別と闘うことである。本演習では、黒人差別と沖縄差別を具体的な事例として、音楽・映像・思想を通した差別と闘う文化的方法について社会学的に探究する。文化は、けっして非政治的でも中立でもない。文化は政治である。文化はしばしば支配や抑圧に奉仕し、権力維持の強力な武器として使用される。その一方で、マイノリティにとっての文化的実践は、しばしば抵抗そのものであり、権力や暴力的支配を解体する武器でもありうる。後期の本演習では、前期のカルチュラル・スタディーズ演習Aにおいて文献資料や音楽・映像資料を読解する訓練を積み重ねたことを前提に、文化の政治を社会学的に分析する方法について受講生の研究発表を中心に探究する。
学修の到達目標 学習の到達目標
① 差別とは何かを理解し、差別の原因を説明することができる。
② 差別の構造を社会学的に分析し、説明することができる。
③ みずからの政治性を問題化し、文化的に問題を解決する方法を考えることができる。
授業計画 第1回 9/20  イントロダクション
第2回 9/27  論文の書き方
第3回 10/4  研究論文とは何か
第4回 10/11 差別とは何か
第5回 10/18 差別はなぜ存在するのか
第6回 10/25 差別の原因とは何か
第7回 11/1  差別への抵抗
第8回 11/8  差別と闘うということ
第9回 11/15 米軍基地の押しつけは差別である
第10回 11/22 米軍基地をなくす方法
第11回 11/29 基地を引き取るということ
第12回 12/6  差別を意識するということ
第13回 12/13 自分を知るということ
第14回 12/20 自分の無知を知るということ
第15回 1/10  研究論文の作成
授業外学習の課題 ・事前学習(2時間程度もしくはそれ以上):必読文献(「教科書」)を精読すること。その上で、発表を担当する場合は原稿もしくはレジュメ作成のために時間をかけて準備すること。
・事後学習(2時間程度):授業ノートや発表レジュメを再読し、考えたことを可能なかぎり文章として書き残しておくこと。
・課題:必読文献、授業ノート、各発表のレジュメを精読して考えを文章化すること。
履修上の注意事項 ・対面授業を実施する。
・本演習を履修するための必須条件は、講義科目「文化社会学B」(前期金曜4限)を併せて履修することである。
・無断欠席しないこと。
・公認欠席時の資料は後日配付する。
成績評価の方法・基準 発表(40%)、授業への取り組み(20%)、期末レポート(40%)で評価する。
テキスト 必読文献:矢部宏治・須田慎太郎『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること』ちくま文庫、2020年(ISBN9784480437174)。
参考文献 エドワード・サイード『オリエンタリズム』平凡社
フランツ・ファノン『地に呪われたる者』みすず書房
マルコムX『マルコムX自伝(上・下)』中央公論新社
ポール・ギルロイ『ブラック・アトランティック』月曜社
屋良朝博『誤解だらけの沖縄・米軍基地』旬報社
野村浩也『無意識の植民地主義』松籟社
主な関連科目 文化社会学B(前期)、カルチュラル・スタディーズB(後期)
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
(1)授業時間中に質問の時間を設ける。
(2)授業時間終了後は教室および研究室にて随時質問を受け付ける。
(3)期末レポートへのコメントはメールにて送信する。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
人文学部人間関係学科社会学専攻(専門演習科目) FHHS34252 2017~2022 2・3・4 - - - - -
人文学部人間関係学科社会学専攻(専門演習科目) FHHS34252 2023~2023 2・3・4 - -