授業コード 11026602 単位数 2
科目名 憲法Ⅰ クラス 02
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 葛 虹 配当年次 *下表参考

授業の題目 日本国憲法が採用する統治システムの歴史的・思想的背景を明らかにする。The Historical and Ideological Background of Modern Costitutional Law
学修の概要  まず、憲法の歴史的発展過程を概観し、権力分立制や人権保障の観点から近代立憲主義と現代立憲主義の相違について明らかにする。
 次に、憲法を単なる政治的規範としてではなく、裁判規範として具体的事件に解釈・適用する上で不可欠な制度として、司法審査制(裁判所が法律等の合憲性を最終的に審査する制度)について、それが生まれたアメリカでの歴史的発展過程を概観し、その民主的正当性をめぐる問題を検討する。
 その上で、日本国憲法における司法審査制の概要を説明し、裁判所が法律等の合憲性を審査する方法ならびに基準について、具体的な事例を取り上げながら、解説する。さらに、最高裁判所が法律等を違憲とした重要な判例を順次紹介し、最近の注目すべき下級裁判所による違憲判決についても取り上げる。
学修の到達目標 日本国憲法の採用する統治システムに関する基本原理を理解し、主要な憲法問題について、自分なりの判断を下す能力を養う。
授業計画 第1回 憲法を学ぶための基礎的な法学知識
法の起源、法の分類、法の解釈方法に関する入門知識を得る。
第2回 憲法の歴史的発展過程(1) 世界史なかの憲法
立憲主義の概念、近代立憲主義憲法と現代立憲主義憲法の特徴に関する知識を得る。
第3回 憲法の歴史的発展過程(2) 日本国憲法の誕生
明治憲法の問題点、日本国憲法の起草をめぐる歴史背景などの知識を得る。
第4回 権力分立制(1)立法権(オンデマンドで実施)
権力分立、立法権の概念、国会での法案提出、法案審議、法案可決の過程などの知識を得る。
第5回 権力分立制(2)行政権
行政権、議院内閣制の概念、権力分立の下での行政と立法の関係などについて知識を得る。
第6回 権力分立制(3)司法権
司法権、裁判独立の概念、裁判所の組織構造などについて知識を得る。
第7回 国民の参政権(1)
 …投票価値の平等に関する最高裁判決
憲法14条の平等原則、15条の選挙権、44条の選挙人資格の平等規定についての最高裁の見解を把握する。
第8回 国民の参政権(2)
 …在外日本国民の選挙権と国民審査権に関する最高裁判決
外国に居住している日本国民の15条の選挙権及び79条の国民審査権の実現に関する最高裁の見解を把握する。
第9回 アメリカにおける司法審査制成立の歴史的発展過程(1)
 … マーべリ対マディソン事件判決(1803年)
司法審査の概念、付随的司法審査制の発祥などに関する知識を得る。
第10回 アメリカにおける司法審査制成立の歴史的発展過程(2)
 … ニュー・ディール立法をめぐる米連邦最高裁の判決
二重基準論などの司法審査手法などに関する知識を得る。
第11回 アメリカにおける司法審査制成立の歴史的発展過程(3)
 … ウォーレン・コートの時代の米連邦最高裁判決
人権保障における司法審査の重要性を知り、表現の自由における厳格審査基準等に関する知識を得る。
第12回 アメリカにおける司法審査制成立の歴史的発展過程(4)
 … 近年話題となった米連邦最高裁の判決
女性の妊娠中絶の自由、大学入学における人種平等に関するアメリカ連邦最高裁の最新の見解を知る。
第13回 ドイツの司法審査制度の成立及びその発展過程(オンデマンドで実施)
ドイツの司法制度、憲法裁判所の構成、抽象的司法審査制に関する知識を得る。
第14回 日本の司法審査制度の成立及びその発展過程(1)
…憲法82条と警察予備隊違憲訴訟
憲法82条について最高裁の見解を把握する。
第15回 日本の司法審査制度の成立及びその発展過程(2)
…司法積極主義と司法消極主義
司法積極主義及び司法消極主義の概念及びそれぞれの代表的な司法審査手法に関する知識を得る
授業外学習の課題 授業外学習は毎週3~4時間を目安としましょう。参考文献に挙げた本は、初学者向けの読みやすい本ですので、一度読み通してみるといいでしょう。あるいは、自分が読みやすいと思った憲法の教科書を一冊読んでみることをお勧めします。
また、新聞などで、最近の裁判に関する記事に関心を持って読んで見てください。そして、わからない言葉などがあれば、法律学辞典などで調べたり、講義の際に質問に来てください。
履修上の注意事項 ブレンド型授業を実施します。第4回、13回の講義は、オンデマンド(GoogleClassroom)で行います。GoogleClassroomのクラスコードは、Moodleでお知らせ致します。
なお、公認欠席は欠席として扱いますが、期末試験の受験要件(少なくとも8回の出席(オンデマンド授業を除く))には影響しないよう配慮します。
成績評価の方法・基準 【期末試験】有、対面で実施します。
期末テスト(100%)で評価します。
テキスト 西村裕三編著「判例で学ぶ日本国憲法」第二版 有信堂高文社 2016年
参考文献 芦部信喜著「憲法判例を読む」岩波セミナーブックス21
西村裕三編「リーガル・マインド入門」第2版 有信堂高文社 2019年
主な関連科目 憲法Ⅱ
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
ご質問などがあれば、お気軽にメールで葛宛(kkatus@alpha.shudo-u.ac.jp)にご連絡ください。メールで回答します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
商学部商学科(D2群) FCBS14201 2018~2022 1・2・3・4 - - - - -
商学部商学科(D2群) FCBS14201 2023~2023 1・2・3・4 - - - -
商学部商学科(D2群) 11200 2024~2024 1・2・3・4 - - - -
商学部経営学科(D2群) FCBA14201 2018~2022 1・2・3・4 - - - - -
商学部経営学科(D2群) FCBA14201 2023~2023 1・2・3・4 - - - -
商学部経営学科(D2群) 12200 2024~2024 1・2・3・4 - - - -
経済科学部現代経済学科(G群) FECE10701 2017~2022 1・2・3・4 - - - - -
経済科学部現代経済学科(G群) FECE10701 2023~2023 1・2・3・4 - - - -
経済科学部現代経済学科(G群) 41200 2024~2024 1・2・3・4 - -
経済科学部経済情報学科(G群) FEEI10701 2017~2022 1・2・3・4 - - - - -
経済科学部経済情報学科(G群) FEEI10701 2023~2023 1・2・3・4 - - - -
経済科学部経済情報学科(G群) 42200 2024~2024 1・2・3・4 - -
人文学部人間関係学科社会学専攻(人文学部総合科目) FHHS20105 2017~2022 1・2・3・4 - - - - -
人文学部人間関係学科社会学専攻(人文学部総合科目) FHHS20105 2023~2023 1・2・3・4 - - - -
人文学部教育学科(人文学部総合科目) FHED10104 2017~2022 1・2・3・4 - - - - -
人文学部教育学科(人文学部総合科目) FHED10104 2023~2023 1・2・3・4 - - - -
人文学部英語英文学科(人文学部) 2014~2016 1・2・3・4 - - - - -
人文学部英語英文学科(人文学部総合科目) FHEN10006 2017~2022 1・2・3・4 - - - - -
人文学部英語英文学科(人文学部総合科目) FHEN10006 2023~2023 1・2・3・4 - - - -
人間環境学部人間環境学科(関連科目) FHES18103 2017~2017 1・2・3・4 - - - - -
人間環境学部人間環境学科(関連科目) FHES18101 2018~2022 1・2・3・4 - - - - -
人間環境学部人間環境学科(関連科目) FHES18101 2023~2023 1・2・3・4 - - - -
人間環境学部人間環境学科(関連科目) 2024~2024 1・2・3・4 - - - -