授業コード 00043500 単位数 2
科目名 メディア論 クラス
履修期 前期授業 カリキュラム *下表参考
担当者 船津 靖 配当年次 *下表参考

授業の題目 国際・外交ニュースと主要メディア International, Diplomatic News and Mainstream Media
学修の概要 主要メディアが報じるニュースは現代社会を知る最大の情報源です。授業では国際・外交ニュースを中心に、①ニュースの内容、②主要メディアの仕組み~を講義します。2024年の国際ニュースの焦点であるアメリカ大統領選挙、イスラエル・ハマス戦争、ロシアのウクライナ侵略のほか、内外の経済や国内の事件・事故、社会問題も扱います。日本外交・安全保障の理解に欠かせない憲法9条や核兵器をめぐる争点を解説します。
 レジュメやパワポを使用し、学生の質問、感想を題材に、理解や表現を指導します。
 民主主義を支える言論・表現の自由の基盤は正確な事実。その肝心な事実が、SNSやAIの偽情報、陰謀論、サイバー攻撃で揺らいでいます。学生の皆さんの方が教員より偽情報や陰謀論にさらされているようです。皆さんの体験を参考にさせてください。
 人間の認識能力の制約や党派性、ニュース記事や書籍の活用法、文章の書き方、就活や実務での心構えに触れます。「身に付く能力」で思考力に〇を付けないのは、政治や社会について十分な知識や経験、バランスを欠いた段階で独自の「思考力」にこだわって、人生を棒に振るような悲惨な結果になった例を身近で多く見てきたからです。大きなニュースが飛び込めば以下の授業計画は柔軟に変更します。
 【実務経験】
 共同通信社の地方3支局で警察、裁判所、県庁、市役所、知事選・国政選挙などを取材後、外信部、モスクワ、エルサレム、ロンドン特派員、ニューヨーク支局長。東京本社で国際経済担当デスクや科学・文化・運動を含む重要ニュース全般の速報・編集管理や企画・論説を手掛けた。
学修の到達目標 好悪ではなく客観的な事実や論理で考えられるようになる。個人の尊厳・人権、言論・報道の自由、事実確認、公権力監視、多角的・複眼的な分析の大切さを学び、信頼できる優先度の高い情報を素早く選び出せるようになる。フェイクニュースの生成過程を理解し、騙されないようになる。自分自身を含め人間がその時代の思想の制約を受けていることを学び、権力関係や利害関係を客観的に観察できるようになる。組織や団体の建て前と本音、看板と実態の違いを見抜けるようになる。実務におけるスピード、正確性、確認作業とチームワークの大切さが理解できるようになる。
授業計画 第1回 主要メディア:日本と主に米英の報道機関の使命
内外主要メディアの名称や特徴を列挙でき、事実確認や報道の自由の重要性を理解できるようになる
第2回 米大統領選挙:バイデン再選かトランプ返り咲きか
国際政治における米大統領の大きな影響力、国際報道における米メディアの主導性を理解する
第3回 保守とリベラル:反急進主義の知恵、進歩主義の理性
価値観や政治思想の分布を理解する基本である保守とリベラルの特徴と多義性、あいまいさを学ぶ
第4回 憲法前文と9条2項:出生の秘密、解釈の変遷
前文のリベラル・デモクラシーや国連憲章と9条2項の「絶対平和主義」の矛盾をめぐる論争を知る
第5回 反ユダヤ主義①:3つの一神教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)の関係
日本人には理解の難しい三つの一神教の関係と反ユダヤ主義の複雑な関係の初歩を学ぶ
第6回 反ユダヤ主義②:ホロコースト否定論、陰謀論、トランプ現象
ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)報道の歴史、陰謀論と反ユダヤ主義の関係について概略を学ぶ
第7回 刑事事件の捜査と報道:刑罰と人権、死刑と冤罪
殺人、業務上過失致死など重大な刑事裁判の手続きと犯罪報道の実際、問題点を学ぶ
第8回 核兵器と抑止力:国際安全保障と核兵器不拡散条約
国際政治は大国中心という現実、大国間の世界大戦を防いできた核兵器の抑止機能の役割を知る
第9回 立花隆と田中角栄:調査報道と総理大臣の辞任・逮捕
博覧強記の「勉強魔」ジャーナリストと、政財界の闇を暴いた米国発ロッキード事件の報道を学ぶ
第10回 イタリアG7サミット:先進7か国首脳会議の意義と報道
世界経済やロシアのウクライナ侵略、中東紛争、中国の軍拡、日本の国際的立場と地位を知る
第11回 沖縄「慰霊の日」:壮絶な地上戦と占領、返還・核密約報道
広島を上回る約20万人が犠牲になり米占領統治の後返還された沖縄の人々の歴史と現在を知る
第12回 日本の近未来:人口急減、高齢化、男性・家優位の保守性、経済の縮小
少子化、婚姻の減少、教育格差、女性の異様に低い社会経済的地位、男性天皇について考える
第13回 日米関係:日米安保条約の意義と問題
日本の唯一の同盟国アメリカとの関係をリベラル・デモクラシーと国家安全保障の面から学ぶ
第14回 質疑応答と文章作法:よい質問、よい文章
全範囲を対象に学生の質問を考え、論作の技法を確認する
第15回 最終まとめ:ニュースとメディアの重要性
期末試験に備え重要事項を振り返り、ニュースとメディアの本質的な重要性を確認する
授業外学習の課題 事前学修(1時間半程度)共通の情報インフラとしてNHKのニュース防災アプリhttps://www3.nhk.or.jp/news/(無料)に目を通して授業に臨む。日本経済新聞(電子版を含む)など全国紙や中国新聞、民放の報道番組でニュースに接する。週間リポートを読む。Moodleに資料が掲載されている場合はざっと目を通す。
事後学修(2時間半程度)レジュメや資料、講義ノートを復習する。興味のある分野を調べる。課題に質問や感想・考察を書く。
履修上の注意事項  Moodleにレジュメや参考記事、資料を掲載する。ノートを準備し講義の内容をできる限りメモする。欠席や遅刻の多い学生は歓迎しない。私語は迷惑。出席登録は厳正に。不正行為には最大限、厳格に対処する。
 課題の質問や感想は授業の素材とする。褒められれば歓び、欠点を指摘されても気にしない。文章を直されない人はプロでもいない。
 科目の特性上、対象は多岐にわたる。授業でレジュメや資料をすべて解説することはできない。興味のある部分を自分で調べる。
 公認欠席は欠席として扱うが、単位認定要件や期末試験の受験要件に影響しないように配慮する。
成績評価の方法・基準 受講状況(課題や授業への貢献)約30%、期末試験約70% 期末試験の受験は原則として10回以上の出席が必要。相談してくれれば個人的な事情はできるだけ考慮する。
テキスト NHKのサイトをテキストとして代用する。レジュメや資料をMoodleに掲載する。
参考文献  船津靖著『パレスチナ 聖地の紛争』(中公新書、2011年)=現在は電子版=。
 佐々木隆著『メディアと権力』、前坂俊之『太平洋戦争と新聞』、古関彰一『増補改訂版 日本国憲法の誕生』、加藤典洋著『9条入門』、竹内洋『革新幻想の戦後史』(上下)など随時紹介する。
主な関連科目  国際ジャーナリズム論、政治と社会(アメリカ、中東)
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
 質問は授業中もMoodleやメール(funatsu@shudo-u.ac.jp)でも歓迎し評価します。授業後、時間の余裕がある限り対応します。重要な質問には次の授業で触れます。期末試験についてはMoodle上に正解や講評を掲載します。その他学生から求めにはできるだけ対応します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次 身につく能力
知識・技能 思考力 判断力 表現力 協創力
商学部商学科(一般教養科目) 00100 2024~2024 2-4 -
商学部経営学科(一般教養科目) 00100 2024~2024 2-4 -
経済科学部現代経済学科(一般教養科目) 00100 2024~2024 2-4 -
経済科学部経済情報学科(一般教養科目) 00100 2024~2024 2-4 -
人文学部教育学科(一般教養科目) 00100 2024~2024 2-4 -
人文学部英語英文学科(一般教養科目) 00100 2024~2024 2-4 -
人文学部社会学科(一般教養科目) 00100 2024~2024 2-4 -
法学部法律学科(一般教養科目) 00100 2024~2024 2-4 -
法学部国際政治学科(一般教養科目) 2024~2024 2-4 - - - - -
人間環境学部人間環境学科(一般教養科目) 00100 2024~2024 2-4 -
健康科学部心理学科(一般教養科目) 00100 2024~2024 2-4 -
健康科学部健康栄養学科(一般教養科目) 00100 2024~2024 2-4 -
国際コミュニティ学部国際政治学科(一般教養科目) 00100 2024~2024 2-4 -
国際コミュニティ学部地域行政学科(一般教養科目) 00100 2024~2024 2-4 -