授業コード 31003800 クラス
科目名 不法行為法 単位数 2
担当者 柳迫 周平 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 不法行為・不当利得・事務管理の基礎
授業の概要 本講義では民法が定める債権の発生原因のうち、法定の債権発生原因である、不法行為、不当利得、事務管理(民法第3編第3章~第5章)に関する諸規定や制度について、その基本的な構造について解説を行います。特に不法行為は契約と並び、社会的に見ても極めて重要かつ頻繁に登場する債権の発生原因ということができますが、その反面この分野に関する民法の条文数は極めて少ないという特徴があります。そのため、判例や学説を通じて様々な法理が形成されており、その見通しは決して良いということができる領域ではありません。そこで、その制度趣旨を理解することに重点を置きつつ、この領域の全体像を受講生の皆さんに理解してもらうことを目指します。

なお、あわせてこの領域に関する特別法についてもごく初歩的な内容に触れていきます。
学習の到達目標 ①:不法行為・不当利得・事務管理に関する基本的な規定・制度の趣旨を理解し、それを自らの言葉で的確かつ簡潔に説明することができる。

②:①における理解を前提とした上で、初歩的な事案に対して、当該規定等の解釈・適用を行い、適切な法的解決を導くことができる。
授業計画 第1回 本講義で扱う領域の概要、不法行為制度の意義、ガイダンス
第2回 一般不法行為の要件(1)-故意、過失①
第3回 一般不法行為の要件(2)-過失②、権利侵害(総論)〔オンデマンド〕
第4回 一般不法行為の要件(3)-権利侵害(各論)
第5回 一般不法行為の要件(4)-損害の発生、因果関係①
第6回 一般不法行為の要件(5)-因果関係②、責任阻却事由
第7回 一般不法行為の効果(1)-損害賠償の範囲、賠償額の算定
第8回 一般不法行為の効果(2)-損害賠償請求権の主体〔オンデマンド〕
第9回 一般不法行為の効果(3)-賠償額の減額事由、消滅時効
第10回 特殊不法行為(1)-他人の行為に関する責任
第11回 特殊不法行為(2)-物の危険に関する責任
第12回 特殊不法行為(3)-複数の行為者の責任
第13回 不当利得(1)-総論、侵害利得
第14回 不当利得(2)-給付利得、多数当事者間の不当利得
第15回 事務管理
授業外学習の課題 予習として、(初回を除き)事前に示す予習のポイントを意識しつつ教科書・判例教材のうち指定された項目に目を通しておいてください(1時間程度)。復習として、レジュメやノートを参照しながら、改めて教科書を熟読すると同時に、関連する判例について、事実関係をしっかりと押さえながら確認しておいてください(1時間半~2時間程度)。なお、復習の際は、各回で学んだ知識が具体的にどのような場面に適用されることになるのかを念頭に置くことを忘れないようにしてください。
履修上の注意事項 本講義は受講生の十分な予習を前提としたうえで、教員と受講生との対話形式での授業を行います(ただし、オンデマンドによる授業回は除く)。そのため、予習の段階で最低限の知識を押さえておくとともに、疑問点を明確にしたうえで授業に臨むことが求められます(教員からは事前に示す予習のポイントを踏まえて、受講生に対して質問をしますのでこれにしっかりと答えられるように準備しておく必要があります)。

なお、本授業ではブレンド型授業を実施します。オンデマンド授業実施回については、対面授業回と同様にmoodleにレジュメをアップするとともに、該当回の授業日までに授業動画をYoutubeに限定公開の形でアップしますので授業日から1週間以内に視聴するようにしてください。動画のURLについては、該当回授業日までにmoodleを通じて通知します。

民法のうち民法総則及び契約法の授業で扱われる事項については基礎的な理解を有していることを前提とします。また、物権法や債権総論の授業で扱われる事項についても基礎的な知識を有していることが望ましいです。

授業の際は、最新版の六法を必ず持参してきてください(なお、授業時は紙媒体でも電子版でも構いません)。また、ノートやパソコンなど講義中にメモを取ることができるものも併せて用意しておいてください。

レジュメの配布方法は初回授業時に指示します。
成績評価の方法・基準 定期試験(100点)による。なお、授業内における教員からの質問に対して十分な予習に基づいた回答をする、予習の際の疑問点を十分に整理したうえで積極的な質問を行うなど授業への貢献度が大きい受講者については10点を上限として別途平常点を定期試験の得点に加算する。
テキスト 中原太郎・根本尚徳・山本周平(山本敬三監修)『民法6 事務管理・不当利得・不法行為(有斐閣ストゥディア)』(有斐閣、2022)、窪田充見・森田宏樹編「民法判例百選Ⅱ債権」(有斐閣、第9版、2023)
参考文献 適宜授業内で紹介します。
主な関連科目 その他の民法に関する科目。特に、民法総則、債権総論、契約法。
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
質問については、授業後に対応します。また、相談や時間がかかることが予想される質問については、オフィスアワーの時間帯に対応するほか、メールをいただければ個別に日程調整の上、対応します(オフィスアワーの時間帯・場所、担当教員のメールアドレスについては、初回授業時にお伝えします)。
試験のフィードバックについてはmoodleを通じて個別に合計点、大問別の素点等を通知するとともに、平均点や全体講評をmoodleにアップします。定期試験の評価に関するさらなる個別の問い合わせについてはメールをいただければ質問と同様に個別に対応します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
法学部法律学科(民事法) FLLA20604 2018~2023 2・3・4