授業コード | 30069400 | クラス | |
科目名 | 特殊講義E(政治理論) | 単位数 | 2 |
担当者 | 小須田 翔 | 履修期 | 第4学期 |
カリキュラム | *下表参考 | 配当年次 | *下表参考 |
授業題目 | 規範的政治理論(Normative Political Theory) |
授業の概要 | 地域の行政から国際政治まで、私たちの社会は様々なアイデアからなっています。アイデアには、例えば「平等」や「正義」や「平和」などがあります。こうしたアイデアがいくつもいくつも積み重なり複雑に絡み合うことによって、一つの社会が成立しています。そこで本講義では、政治や社会を一つ一つのアイデアの単位にまで分解して、それぞれがどのようなものなのか、そしてそれをどのようにして組み立てていくべきなのかを考える「規範的政治理論」を概観します。 規範的政治理論は、ここ半世紀にわたって目覚ましい発展を遂げています。「自由や平等とはなにか」「正義に適った社会とはどのようなものか」「民主主義はなぜ正しいのか」などといった問いに対して様々な答えが与えられています。この授業では、こうした問いに対する規範的政治理論の議論を、基本から最先端の議論に渡って詳細に検討します。本講義の修了時には、受講生は政治の基本的な概念を理解できるようになるだけでなく、こうした問いに対する複数の異なる考え方を説明できるようになることが期待されます。 |
学習の到達目標 | この講義の目的は3つです。 1.現代の民主的な政治を支えている基礎的な概念についての理論を理解することができる。 2.政治的に異なる立場にある他者の言説に含まれる論理を分析し、再構成することができる。 3.投票に行ったり行政に関わったり、それ以外の政治的な活動に参加するための前提となる知識や思考力を身につける。 |
授業計画 | 第1回 | イントロダクション――平等な人々からなる自由な社会を目指して |
第2回 | 規範的政治理論の方法①――アイデアを哲学的に「分析する」ということ | |
第3回 | 規範的政治理論の方法②――「政治的」であり「規範的」なアイデア | |
第4回 | 功利主義――なるべく多くの人をなるべく幸せにするというアイデア | |
第5回 | 公正としての正義――最も不利な立場にある人を優先する政治 | |
第6回 | 政治的リベラリズム――自由で平等な人なら合意できるラインを探る | |
第7回 | 自由の二つの概念――干渉がないことと何かになれること | |
第8回 | 非支配としての自由――他人の意のままにならないために | |
第9回 | 平等とは何か――何をどれくらい平等にすればいいのか | |
第10回 | 関係的平等と運の平等主義――平等とは何かを巡る議論 | |
第11回 | 差別――基本的人格の平等とその違反 | |
第12回 | グローバルな正義――ローカルな正義とグローバルな正義の対立 | |
第13回 | フェミニズム――正義の影に置かれて | |
第14回 | 環境問題――「人新世」の政治に生み出されるべき新しいアイデア | |
第15回 | まとめ――これまでの政治のアイデアとこれからの政治のアイデア |
授業外学習の課題 | 1.教科書や授業内で提示する参考文献を読み内容を理解する。(1時間程度) 2.授業内容をまとめて、復習する。(1時間程度) 3.政治理論では、異なる人の立場に立つことが重要です。そのためには、ドキュメンタリーや小説、映画、ドラマ、アニメ作品などが間接的に役に立ちます。 |
履修上の注意事項 | 1.私語は授業の進行の妨げになりますので、絶対にしないでください。 2.授業の連絡、資料の配布などはMoodleを用いて行います。必ず定期的に確認してください。 3.前提となる知識はありませんが、現代政治理論は抽象的な概念と複雑な論理を扱います。受講生には時間を掛けてゆっくりと解釈していくような態度が求められます。 |
成績評価の方法・基準 | 毎回のリアクションペーパー:20% 小テスト:20% 期末試験:60% |
テキスト | 授業内で資料を配布します。 |
参考文献 | 現代政治理論のわかりやすい参考書として以下があります。 田村哲樹・松元雅和・乙部延剛・山崎望(2017)『ここから始める政治理論』有斐閣ストゥディア、2017年。 川崎修、杉田敦『現代政治理論 新版』有斐閣、2012年。 アダム・スウィフト(有賀誠、武藤功訳)『政治哲学への招待――自由や平等のいったい何が問題なのか?』風行社、2011年。 他にもテーマごとの文献を授業内で紹介します。 |
主な関連科目 | 政治学概論、民主主義論、政治思想 |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
・オフィスアワー:木曜日12:15~13:05 ※この時間はアポイント無しで研究室で質問を受け付けます。その他の時間はメールでアポイントメントをとってください。 ・授業前後にも質問を受け付けます。 ・試験については、Moodle上で講評します。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 |
法学部国際政治学科(E群) | - | 2014~2016 | 2・3・4 |
法学部国際政治学科(E群) | FLIP20516 | 2017~2017 | 2・3・4 |