授業コード 30068201 クラス 01
科目名 ゼミナール基礎 単位数 2
担当者 伊藤 嘉亮 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 ゼミナール基礎
授業の概要 講義形式の授業(刑法総論、各論)では、教員が説明する様々な判例や学説を覚えるだけで手一杯だったかもしれません。これに対して、ゼミ形式の授業では、判例や学説が何故そう考えているのか、あるいは本当にそう考えるべきなのかをじっくりと考え、他のゼミ生や教員と一緒に議論・検証することになります。自主的・能動的な学習が求められることになりますが、このゼミナール基礎では、そのためのスキルの習得を目標とします。具体的には①調査・資料収集(判例や論文などの収集)、②読解(資料の精確な理解)、③報告・議論(プレゼンテーション、ディスカッション、レポート作成など)といったスキルを身に付け、3年次以降の本格的なゼミに備えて頂きます。

本授業では、以上の目標を達成するために、❶論文(「刑法事例の歩き方―判例を地図に」)の報告・検討、❷時事問題の検討、❸模擬裁判/ディベートを実施する予定です。なお、下記のスケジュールはあくまでも一例であり、実際に扱う論文や判例は皆さんの希望を伺いながら決めたいと思います。
学習の到達目標 ・法学部における学習リテラシー(上記①②③)を習得すること。
・刑法総論、各論の基礎を理解すること。
授業計画 第1回 イントロダクション ―自己紹介、役割分担―
第2回 刑法事例の歩き方―判例を地図に(1)〔教員担当〕
第3回 刑法事例の歩き方―判例を地図に(2):不作為犯
第4回 刑法事例の歩き方―判例を地図に(3):因果関係
第5回 刑法事例の歩き方―判例を地図に(4):正当防衛
第6回 山口県阿武町での電子計算機使用詐欺事件の検討(1):本罪の概要
第7回 山口県阿武町での電子計算機使用詐欺事件の検討(2):誤振込に関する民事判例
第8回 山口県阿武町での電子計算機使用詐欺事件の検討(3):本件の検討
第9回 模擬裁判:不能犯
第10回 刑法事例の歩き方―判例を地図に(5):過剰防衛
第11回 刑法事例の歩き方―判例を地図に(6):共犯関係の解消
第12回 刑法事例の歩き方―判例を地図に(7):承継的共同正犯
第13回 刑法事例の歩き方―判例を地図に(8):実行の着手、早すぎた構成要件実現
第14回 ディベート:実行の着手
第15回 総括
授業外学習の課題 このゼミナール基礎は、①事前準備(判例・学説の調査、レジュメなどの資料作成)、②報告、③議論、④報告・議論内容のレポート作成を内容とします。自身が報告する時だけでなく、他のゼミ生が報告する時にも議論に参加し、積極的に質問・発言できるよう予習することが必要となります。
最初に、報告の準備期間として、教員が資料の収集方法や刑法の基本事項についてレクチャーをします。ゼミ生の皆さんには、その間に担当の判例を調べて頂きますが、初めての経験だと思いますので、資料収集やレジュメ作成などについても随時助言します。そのため、授業時間外でも一緒に勉強できる場や機会を設けます。
履修上の注意事項 ゼミ形式の授業は、自身の考えを自由に発言してよい場です。むしろそうすることが求められる場であるとすらいえます。人前で発言するのは難しい(あるいは恥ずかしい)と思っている方もいるかもしれませんが、試行錯誤する中で徐々に慣れていくと思います。本ゼミナールを通じて、自分の考えを自分の言葉で表現し、他の人と納得し合いながら問題を解決できるようになってください。
なお、この授業は、受講生の皆さんが「主役」として作り上げるものですので、教員はアドバイザーとして関わるにとどめます。教員のことは、分からないことや悩んでいることがあった時に相談できる便利なツール程度に思って頂ければ幸いです。
成績評価の方法・基準 報告(50%)、議論への参加・寄与度(50%)で評価します。
テキスト 特に指定はしません。
参考文献 嶋矢貴之ほか『刑法事例の歩き方―判例を地図に』(有斐閣、2023年)
*本書の発刊が遅れているため、別の本を教材にする可能性もあります。
主な関連科目 刑法総論、刑法各論、現代犯罪論
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
アポイントを取って頂ければ、質問や相談等には随時対応します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
法学部法律学科(演習) FLLA20802 2018~2023 2