授業コード 30006100 クラス
科目名 政治思想史 単位数 2
担当者 小須田 翔 履修期 第3学期
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 政治理論史(History of Political Theory)
授業の概要  この授業では、政治を形作るアイデア(思想)の歴史である「政治思想史」について学びます。現代の社会は、鉄やコンクリートといった固いモノだけでなく「国家」「正義」「民主主義」といった形のないアイデアからも成り立っています。こうした現代の社会を形作っている基礎的なアイデアは、長い歴史のなかで少しずつ作られて積み重ねられてきました。これらが、どのように生み出され、洗練されてきたかを振り返ることは、現代の暮らしや政治を理解するために不可欠です。そこで本講義では、政治の基礎的なアイデアを歴史的に学ぶことで、現在の政治の成り立ちについてより深く考察するための視点を獲得することを目指します。講義を修了すれば、「なぜ国家は存在するのか」「正義とは何か」「政治的な権力を行使することは正しいか」等のような問いに対する解答の歴史的展開を説明することができるようになります。。
 この授業で扱う過去の政治思想家たちは、こうした問いに対してオリジナリティのある答えを残した思想家たちです。彼女らの思想を紐解き、現代を生きる上で考えなければならないことについてのヒントを得ることを目標とします。
学習の到達目標 1.政治思想についての知識を獲得する。
2.政治思想の知識を応用して、現在の政治を形成する基礎的な概念について理解する。
3.政治の根本的な問いに対して、多様な解答を与えることができるようになる。
授業計画 第1回 イントロダクション(本講義の目的・進め方・概要・成績評価についてなど)
第2回 プラトン 正義や国家について考えるということ
第3回 アリストテレス 現代とは異なる古代の世界観
第4回 マキァヴェッリ 運命に抗して道を切り開く思想
第5回 トマス・ホッブズ 一人ひとりが約束して国家を作るというアイデア
第6回 ジョン・ロック 私のモノというアイデア
第7回 ジャン=ジャック・ルソー 自分たちのことは自分たちで決める
第8回 イマヌエル・カント 一人ひとりがかけがえのない存在であるというアイデア
第9回 社会契約論の歴史と現在
第10回 アレクシス・ド・トクヴィル 民主主義はよいものというアイデア
第11回 カール・マルクス 平等を実現する社会
第12回 ハンナ・アーレント 自分の居場所のない社会
第13回 政治思想におけるグローバリズム 世界市民か国民国家か
第14回 私たちの時代の政治思想 政治はどのように変わっていくか
第15回 まとめ
授業外学習の課題 1.教科書や授業内で提示する参考文献を読み内容を理解する。(1時間程度)
2.授業内容をまとめて、復習する。(1時間程度)
3.政治思想では、異なる人の立場に立つことが重要です。そのためには、ドキュメンタリーや小説、映画、ドラマ、アニメ作品などが間接的に役に立ちます。
履修上の注意事項 ・私語は授業の進行の妨げになりますので、絶対にしないでください。
・授業に関する連絡や資料の配布などは、Moodleを用いて行います。履修中は必ず定期的に確認してください。
・抽象的な概念を多数取り上げます。最初は分かりにくくても時間を掛けてゆっくり考えることで徐々に分かるようになり、面白くなります。受講生には、分かるようになるまで諦めずに取り組む姿勢を求めます。
成績評価の方法・基準 毎回のリアクションペ―パー:20%
小テスト:20%
試験:60%
テキスト 宇野重規『西洋政治思想史』有斐閣、2013年。
参考文献 プラトン(藤沢令夫訳)『国家(上・下)』(岩波書店、1979年)。
ハンナ・アーレント(清水速雄訳)『人間の条件』(筑摩書房、1994年)。
他にもテーマごとの文献を授業内で紹介します。
主な関連科目 政治学概論、政治理論、民主主義論
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
・オフィスアワー:木曜日12:15~13:05 ※この時間はアポイント無しで研究室で質問を受け付けます。その他の時間はメールでアポイントメントをとってください。
・授業前後にも質問を受け付けます。
・試験については、Moodle上で講評します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
法学部法律学科 2015~2016 2・3・4
法学部法律学科 FLIP20504 2017~2017 2・3・4
法学部国際政治学科(E群) 2014~2016 2・3・4
法学部国際政治学科(E群) FLIP20504 2017~2017 2・3・4