授業コード | 20085100 | クラス | |
科目名 | 社会調査方法論演習 | 単位数 | 2 |
担当者 | 中根 光敏 | 履修期 | 後期授業 |
カリキュラム | *下表参考 | 配当年次 | *下表参考 |
授業題目 | 参与観察調査の技法 |
授業の概要 | これまでの社会調査において、参与観察調査は、質的調査法の中心的な調査法として位置づけられてきた。けれども、その実施方法や分析方法に関しては、調査者の職人芸的な側面だけが強調されることも多く、科学的な方法として十分な展開がされてきたとは言い難い。本講義では、参与観察調査を調査者の職人芸的な=ミステリアスな囲いから解き放ち、科学的な方法、すなわち社会学的な技法として位置づけることを目指す。まず、これまで行われてきた参与観察調査にもとづいた諸研究を批判的に検討する。その上で、参与観察調査を科学的=社会学的方法論として位置づけるために必須となる種々の質的分析法を取り上げ、それらの質的分析法を適切且つ有効に適応していく方法をさぐる。さらに、参与観察調査のデータ収集・分析・解釈の際に、調査者と被調査者を含めた社会的文脈と社会関係がそれらに決定的な影響を与えることを理解し、最終的な記述を行うための課題を探る。 |
学習の到達目標 | 参与観察調査法の基本的なスキルを身につけ、質的調査法に関する基本的な知識を習得すること。 |
授業計画 | 第1回 | ①「講義概要の説明」及び「社会調査とは何か」 |
第2回 | ② 社会調査に於ける質的調査法の位置づけ | |
第3回 | ③質的調査法に於ける参与観察調査の位置づけ(オンデマンド) | |
第4回 | ④参与観察調査の「参与」とは何か | |
第5回 | ⑤これまでの参与観察調査研究 「初期シカゴ学派(都市社会学研究)の意義」 |
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第6回 | ⑥「日本に於ける参与観察調査研究」 | |
第7回 | ⑦調査者と被調査者との関係性 「ラポールという病から、調査場面における関係性の自覚へ」 |
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第8回 | ⑧インタビュー調査/聞き取り調査と参与観察調査 | |
第9回 | ⑨聞くこと/見ること/感じること 「言説以外のデータこそ、参与観察調査の醍醐味」 |
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第10回 | ⑩フィールドにおける調査データ解釈 | |
第11回 | ⑪フィールドノートを分析する!(オンデマンド) | |
第12回 | ⑫記録機械によって取得したデータ分析 | |
第13回 | ⑬記述のスタイルと方法 「エスノグラフィ/モノグラフ/ストーリー」 |
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第14回 | ⑭参与観察調査において「科学的」とは何か? | |
第15回 | ⑮社会調査の思想 ※調査者のモラル/被調査者の合意/プライバシーの保護/調査目的と社会的意義などを考える |
授業外学習の課題 | 本講義は、原則的に、次年度の「質的社会調査演習」に連続していくものであるため、次年度の調査に備えた予備調査を講義時間外に行い、次年度の実習で使用する調査レポートを作成する。 |
履修上の注意事項 | ブレンド型授業を実施します。 履修者に対しては、毎回課題を提示するので、必ずそれらの課題に取り組んでから、講義に望むこと。 |
成績評価の方法・基準 | 出席は単位取得の前提条件。平常講義における課題レポート(50点)、及び、講義終了後の総括レポート(50点)によって、成績評価を行う。 |
テキスト | 使用しない。 |
参考文献 | アリス。ゴッフマン『逃亡者の社会学』亜紀書房 レス・バック『耳を傾ける技術』せりか書房 アンダーソン『ホーボー』ハーベスト社 クレッシー『タクシーダンス・ホール』ハーベスト社 ハイナー『ホテルライフ』ハーベスト社 中野正大・宝月誠『シカゴ学派の社会学』(世界思想社) マーネン『フィールドワークの物語』(現代書館) 永江朗『のための文章術』(NHK出版) 永江朗『インタビュー術!』(講談社現代新書) 植草甚一『スクラップ・ブック 全40巻・別巻1』(晶文社) ※なお、他の参考文献は、講義の際に、適宜指示する。 |
主な関連科目 | 社会調査演習Ⅰ・Ⅱ |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
講義中適宜受け付ける。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 |
人文学部人間関係学科社会学専攻(調査演習科目) | FHHS35201 | 2017~2023 | 2・3・4 |