授業コード 20084200 クラス
科目名 表象文化論演習(方法) 単位数 2
担当者 河口 和也 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 クィアと視覚文化 Queer and Visual Culture
授業の概要 「クィア」という考え方は、主に1980年代終わりから90年代初頭のアメリカで登場し、その後、学問研究/運動・実践の双方の領域で展開されるようになりました。91年にテレサ・デ・ラウレティスが「クィア理論」という用語を提唱したことは、クィア・スタディーズという学問分野が形成される画期とも言えます。
 クィア理論は、セクシュアリティを研究対象として措定していますが、さらに社会における他の領域における諸問題との交差性を扱う理論的視角をもっています。この演習では、そうした視角をとおして、視覚文化においてセクシュアリティやクィアネスがいかに表象されてきたか、そしてその表象はどのような社会的文脈から可能となり、構築されてきたかを考察します。
学習の到達目標 クィア・カルチャーにおける視覚表象の理論を修得するとともに、ジェンダー/セクシュアリティがクィア・カルチャーのなかでいかに表象されているかを考察する方法を修得し、現実に存在する表象を分析・考察できるようになる。
授業計画 第1回 セクシュアリティ/クィア表象を捉える視点
第2回 セクシュアリティ表象の歴史:映画『セルロイド・クローゼット』
第3回 クィア・シネマの歴史
第4回 ゲイ解放運動の表象:『真夜中のパーティ』から『ミルク』まで
第5回 バイセクシュアリティの表象
第6回 エイズ表象Ⅰ:『ロングタイム・コンパニオン』
第7回 エイズ表象Ⅱ:『ゼロ・ペイシェンス』
第8回 性的マイノリティとコミュニティの表象:『パリ、夜は眠らない』
第9回 第1回から第8回までのまとめ【オンデマンド授業】
第10回 レズビアンの表象『ラブマイライフ』
第11回 ゲイ男性の表象『ハッシュ』『二十歳の微熱』『渚のシンドバッド』
第12回 トランスジェンダーの表象『東京ゴッドファーザーズ』
第13回 クィア・アニメーション
第14回 性的マイノリティとドラマ
第15回 10回から14回までのまとめ
授業外学習の課題 報告分担に当たっている場合は、レジュメを作成し、準備しておく。また、受講生全員が購読文献は必ず読み、事前に授業における議論参加のための準備をしておくこと。
履修上の注意事項 この授業は演習形式であるので、参加者の報告が中心となる。したがって、遅刻や欠席等は他の履修者にも迷惑をかけるので、十分注意すること。また、報告者はレジュメを作成し、報告をすることになるが、他の参加者は、そうした報告に基づき議論を行うので、報告者以外でも文献の該当箇所は必ず読み内容を理解しておくこと。

11月21日の授業はオンデマンド授業になります。
【ブレンド型授業を実施します。ソフトはMoodleを使用します。】
成績評価の方法・基準 授業中の報告およびディスカッションへの参加度(60%)と学期末に課すレポート(40%)を総合して評価する。
テキスト 風間孝・河口和也 2010 『同性愛と異性愛』 岩波書店
風間孝・河口和也・守如子・赤枝香奈子 2018 『教養のためのセクシュアリティ・スタディーズ』法律文化社
参考文献 岩川ありさ 2022 『物語とトラウマ—クィア・フェミニズム批評の可能性—』青土社
出雲まろう(編) 2005 『虹の彼方に―レズビアン・ゲイ・クィア映画を読む―』 パンドラ
菅野優香(編著) 2021 『クィア・シネマ・スタディーズ』 晃洋書房
菊地夏野・堀江有里・飯野由里子編 2019 『クィア・スタディーズをひらく1 アイデンティティ、コミュニティ、スペース』 晃洋書房
菊地夏野・堀江有里・飯野由里子編 2022 『クィア・スタディーズをひらく2 結婚、家族、労働』 晃洋書房
久保豊 2022 『夕焼雲の彼方に―木下惠介とクィアな感性』 ナカニシヤ出版
國友万裕 2021 『マスキュリニティで読む21世紀アメリカ映画』 英宝社
主な関連科目 親密性の社会学演習
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
質問や相談等については、授業中でも、授業終了時に対面により対応します。また、日常的にはメールにより対応します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
人文学部人間関係学科社会学専攻(専門演習科目) FHHS34274 2017~2023 2・3・4