授業コード | 20082300 | クラス | |
科目名 | 国際社会学演習A(関係) | 単位数 | 2 |
担当者 | 高田 峰夫 | 履修期 | 前期授業 |
カリキュラム | *下表参考 | 配当年次 | *下表参考 |
授業題目 | 「国」を可視化する―原発問題を手掛かりに |
授業の概要 | 今の世界は「国民国家」を基本的な単位とする国民国家体制で成り立っています。グローバル化と共に国家の役割は縮小してゆく、との言説が一部にあります。しかし、それが誤っていることは、コロナ禍による国境封鎖と国内での国民に対する行動制限がほぼ全世界共通に実施されたことで、皮肉にも証明されてしまいました。 ただ、グローバル化が目に見えにくいのと同様に、「国家」は私たちの目に見えません。私たちはある国の中に生まれ、育ち、暮らしているにもかかわらず、その姿を目にすることは稀です。ただし、一部の事柄の中には国家がその姿を現すことがあります。その典型的な事例が原発問題です。東北の大地震で悲惨な原発事故を起こし、一時は全原発が稼働停止に追い込まれ、このまま脱原発かとまで思われたにもかかわらず、現政権は原発再利用路線に舵を切ろうとしています。 多くの国民が不安を感じる中で、国はなぜそこまで原発にこだわるのか。事故や問題が起きるたびに批判が噴出するにもかかわらず、必ずのようにまた原発稼働の方向に戻るのか。原発にかかわる様々な問題を検討してみると、そこに普段は姿を現さない国、国の意思、が浮かび上がります。 この授業では、原発問題を手掛かりに、国とは何か、私たちにとっての国の意味、を考えてみたいと思います。 授業は、テキストを使用し、それを全員で読み込む形で進めます。ただし、事前に各自が個別に読んでおき、当日は、回り持ちの報告者がレジュメを作成・配布し、報告。それを基に参加者の間での質疑応答、議論へと進む形を取ります。 |
学習の到達目標 | 原発問題を通じて国を理解すること。そのことにより、国が私たちにとって持つ意味を捉えなおすこと。 |
授業計画 | 第1回 | 演習ですから、講義のように明確な授業計画が事前に立てられるわけではありません。ともあれ、おおよそは以下のような内容で進める予定です。ただし、これはあくまで大まかな目安と考えてください。 1.教員からの概要説明。 |
第2回 | 2.原発問題 | |
第3回 | 3.技術的問題 | |
第4回 | 4.原発にまつわるウソ | |
第5回 | 5.根本的問題 | |
第6回 | 6.再稼働計画 | |
第7回 | 7.「想定外」はないのか? | |
第8回 | 8.原発事故 | |
第9回 | 9.事故の後 | |
第10回 | 10.原発訴訟で見えたこと | |
第11回 | 11.労働現場では? | |
第12回 | 12.避難計画は? | |
第13回 | 13.経済的優位? | |
第14回 | 14.処分問題 | |
第15回 | 15.まとめ 参加者がどこまで自分の問題として深く取り組むことが出来るかにより、内容は変化してゆきます。また、実社会の動きによって、変更が加えられることも考えられます。 |
授業外学習の課題 | 授業には事前の準備が欠かせません。報告者がレジュメを用意することはもちろん、全ての出席者が事前にテキストをしっかりと読み込んでくることが求められます。また、授業後には、授業で登場した話題、問題等について各自が改めて調べ直すことが望まれます。 また、授業の全回数が終了する時点で、一定のレポートをまとめて提出してもらう予定です。 ゼミですので時間を明示することは難しいですが、通常の授業以上の予習復習に時間を費やすことが前提です。 |
履修上の注意事項 | 出席は最低限の条件ですが、それだけでは困ります。きちんと考え、積極的に議論に参加し、理解を深める意思を持って授業に参加してください。まずは分からないことを「分からない」と認めることから始めましょう。 なお、G7サミットのため、5月18日(木)の授業回は5月27日(土)に変更になる予定です。 コロナ禍のため、進行方式等に変更がありえます。まだ状況が流動的なため、事態の推移を見つつ判断することになることを承知しておいてください。 |
成績評価の方法・基準 | 授業に取り組む姿勢(約20%)、毎回の授業に臨む準備状況および事後学習(約20%)、報告担当時の資料と報告の内容(約20%)、議論への参加の度合い(約20%)、レポート(約20%) |
テキスト | とりあえず、以下の本から取り上げることにします。その後は、参考文献に掲げた図書を中心に、場合によっては授業開始時点(または開始後も途中)までに新たに出版される図書も含めて、徐々に決定することにします。 高木仁三郎『原子力神話からの解放』講談社+α文庫 |
参考文献 | 沢山ありすぎて困るほどですが、とりあえず、以下のものは見ておいて欲しいです。 これ以外は授業中に紹介します。 日野行介『原発再稼働』集英社新書 ハッピー『福島第一原発収束作業日記』河出文庫 鈴木真奈美『核大国化する日本』平凡社新書 楠戸伊緒里『放射性廃棄物の憂鬱』祥伝社新書 添田孝史『東電原発事故10年で明らかになったこと』平凡社新書、 ほか。 |
主な関連科目 | 国際地域論演習B、エリア・スタディーズ演習A・B |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
少人数の授業ですから、質問は授業中にしてください。質問は歓迎しますから、恥ずかしがらず、どんどん質問して下さい。また、授業に関連した相談は、授業中ないしは授業の前後にして下さい。 なお、プライバシー等に関わる相談は、別途受け付けます。直接、またはメール等を通じて、教員まで連絡を下さい。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 |
人文学部人間関係学科社会学専攻(専門演習科目) | FHHS34231 | 2017~2023 | 2・3・4 |