授業コード | 20016800 | クラス | |
科目名 | 翻訳研究Ⅱ | 単位数 | 2 |
担当者 | 市川 薫 | 履修期 | 第3学期 |
カリキュラム | *下表参考 | 配当年次 | *下表参考 |
授業題目 | 文芸翻訳 Translation of Literary Works |
授業の概要 | この授業は3時間目と4時間目連続のダブルコマ、8週間で完了するコースなので、まず、そのことを知っておいてほしい。なぜなら、演習形式の授業をこのように短期集中でおこなうために、受講生の皆さんにはそれ相応の心構えが必要だからである。ただ、裏を返せば、充実した経験ができるということでもある。 授業は基礎演習と実践演習で構成する。具体的には以下のような内容である。 (1)基礎演習:比較的短い文章の翻訳を通して、基礎的な翻訳技法を学ぶとともに、翻訳という作業の勘所を自分なりに見つけること。 (2)実践演習:(1)を踏まえたうえでの短編小説の翻訳。 英文読解力やこれまでの読書体験を土台にして、場面、時、人物相互の関係など小説を構成する様々な要素に留意しながら原文を解釈する。そして、それを的確な日本語に置き換える作業を通して英日それぞれの言語についての感性を磨くことをめざす。 この授業では受講生の「主体的な取り組み」が何よりも大切である。したがって、担当者のアドバイスやコメントは必要最小限にとどめたいと考えている。翻訳に解答はないことをしっかり心に刻み、とにかく自分の頭で考えること。 |
学習の到達目標 | 1. 文学作品の翻訳という作業を通して、英日それぞれの言語についての感性を磨くこと。 2. 文学作品の翻訳という作業を通して、文学作品を味読する楽しさの一端を知ること。 3. 辞書、事典、文法書、などを適切に利用することができること。 |
授業計画 | 第1回 | イントロダクション+基礎演習1 授業の進め方と評価法、(2)課題の提出方法、(3)参照すべき辞書・事典類、について詳しく説明する。 |
第2回 | 翻訳と英文解釈の違いについて考える! 「幸福な王子」を題材として | |
第3回 | 基礎演習1-1:できるだけ原文の流れに沿って(頭から)訳せ!(1)導入 | |
第4回 | 基礎演習1-2:できるだけ原文の流れに沿って(頭から)訳せ!(2)演習と解説 | |
第5回 | 基礎演習2-1:代名詞に最大限の注意をせよ!(1)導入 | |
第6回 | 基礎演習2-2:代名詞に最大限の注意をせよ!(2)演習と解説 | |
第7回 | 基礎演習3:やっていいことと悪いこと 基礎演習4:徹底的に調べろ! |
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第8回 | 基礎演習5-1:「会話文」の翻訳(1)演習 | |
第9回 | 基礎演習5-2:「会話文」の翻訳(2)解説 | |
第10回 | 実践演習1-1 第1課題:全体の読解(内容確認中心) |
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第11回 | 実践演習1-2 第1課題:提出原稿の添削と解説 |
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第12回 | 実践演習1-3 第2課題:全体の読解(内容確認中心) |
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第13回 | 実践演習2-2 第2課題:1回目提出原稿の添削と修正 |
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第14回 | 実践演習2-3:演習 第2課題:完成原稿提出 |
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第15回 | 実践演習2-4:第2課題合評会 |
授業外学習の課題 | 翻訳演習を課題として提出するので、それを「翻訳」と呼べるレベルの日本語にすることが求められる。表面をなぞっているだけではとうていできないものばかりなので、早めに取りかかり、しっかりと時間をかけて取り組むこと。最低でも3時間程度の予習は必要。なお、日本語の力を付けるために、日本の文学作品を何でもよいから片っ端から読むことを勧める。自己評価の観点として次の項目を参照してほしい。 (1)文構造を正確に把握できているかどうか (2)単語・熟語の語義を文脈に応じて正確に理解できているかどうか。 (3)代名詞が何を指しているかが理解できており、かつ翻訳上適切な処理ができているかどうか。 (4)訳文が日本語表現として妥当かどうか。 (5)上記の4項目すべてについてじゅうぶんな調べごとができているかどうか。 |
履修上の注意事項 | 基本的に対面で行うが、リモートも一部利用する可能性がある。 課題の提出を義務付けるので、それをきちんと提出すること。もちろん、ただ提出すればよいものではない。たとえば、辞書や事典を調べれば簡単にわかることが「怠慢」によってできていないときは、添削の対象としない。もちろん、そういう提出物は大幅に減点する。また、知っている(と思い込んでいる)単語も、翻訳となるとその語義をしっかりと精査する必要があるので、これもまたこまめに辞書を調べること。とにかく「勤勉」に取り組むことが大切。なぜなら、翻訳とはまさにそのような作業だからだ。また、授業では、訳文(特に合評会)をめぐって受講生諸君の発言をもとめるので、その際には間違いをおそれず積極的に発言すること。なお、課題提出はMoodleとメールを利用する。 原則として4回を超える欠席については認めない。また、欠席については必ず事前に連絡すること。 |
成績評価の方法・基準 | 翻訳や文書作成に関するルールを守っているかどうか30%、以下の5項目を達成すべく相応の努力をしているかどうか70%。 (1)文構造を正確に把握できているかどうか (2)単語・熟語の語義を文脈に応じて正確に理解できているかどうか。 (3)代名詞が何を指しているかが理解できており、かつ翻訳上適切な処理ができているかどうか。 (4)訳文が日本語表現として妥当かどうか。 (5)上記の4項目すべてについてじゅうぶんな調べごとができているかどうか。、 実践翻訳演習1、2はふたつとも提出しないと不合格となる。欠席は4回まで。10分以上の遅刻も欠席として扱う。 |
テキスト | 担当者がプリントを用意する。 参考文献欄にある指南書を読むことを強く求める |
参考文献 | 『翻訳英文法』(安西徹雄著、バベル・プレス) 『英文翻訳術』(安西徹雄著 ちくま学芸文庫) 『翻訳エクササイズ』(金原瑞人、研究者) 『翻訳のおきて』(河野一郎、DHC) 『文芸翻訳教室』(越前敏弥、研究社) 『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文』(越前敏弥、ディスカバー) 『翻訳の作法』(斎藤兆史、東京大学出版会) このほか辞書、事典類は最初の授業の時に紹介する。 |
主な関連科目 | 文学関係の授業、Reading 、ゼミナール。 |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
メールでコンタクトしてほしい。ichikawa@shudo-u.ac.jp |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 |
人文学部英語英文学科(専攻科目) | - | 2014~2016 | 2・3・4 |