授業コード 20003200 クラス
科目名 臨床心理学 単位数 2
担当者 志和 資朗 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 臨床心理学概論 
Introduction to Clinical Psychology
授業の概要  先ずは皆さん自身を知り、自分自身を支えられるようになることや現代ストレス社会において自らが適切にストレスに対処する方法を知っておくことも大切です。また、自他共に信頼し、よりよい人間関係が築けるようになることも必要なことです。このことは、心理専門職に就かなくても、現代社会に適応していくためにとても大切なことだと思います。この授業では、臨床心理学的視点で自己や他者を理解し、建設的に社会を生きるための知識と実践力を養っていきます。
なお、この科目は「公認心理師科目」でもありますので、心理専門職(公認心理師、臨床心理士)を目指している皆さんは、心理的問題の解決に向けて専門的な知識と技法を学ぶ必要があります。臨床心理学に必要な理論や知識はテキストで深めていく形で授業を進めていきます。
【実務経験内容:法務省少年鑑別所で鑑別技官として非行少年の鑑別業務等の非行臨床、市立総合病院精神科で心理療法士として心理療法等の病院臨床、大学でカウンセラーとして学生相談等の心理臨床】
学習の到達目標 自分自身を知り、自分自身を支えられるようになること。現代ストレス社会において、適切なストレス対処ができるようになること。自他共に信頼し、よりよい人間関係が築けるようになること。心理専門職としてどのような仕事があるのかを理解して、心理専門職としてのキャリアデザインが描けるようになること。
心理学における臨床心理学の学問的な位置づけ、考え方、理論・関わりの概要などについて基本的な知識を習得することによって、社会生活に活かすことができるようになること。臨床心理学の代表的な理論を理解して、心理療法やカウンセリングの技法としてどのようなアプローチがなされているのか説明できるようになること。
授業計画 第1回 講義概要:オリエンテーション
~現代を生きるための臨床心理学~
第2回 こころの支援をするということ
実践:己を知る(セルフチェック)

第1章 公認心理師のための臨床心理学
臨床心理学を学ぶために
臨床心理学を定義する
第3回 こころの支援をするということ
実践:己を支える(自律訓練法)

第2章 臨床心理学はどのように役立つか
臨床心理学の実践活動の実際、心理的アセスメント、ケース・フォーミュレーション
問題解決に向けての実践活動
第4回 心理の仕事と資格
~心理臨床の主な資格~

第3章 臨床心理学を学び、公認心理師になる
第5回 心理の仕事と資格

臨床心理学の基本モデル
第4章 臨床心理学の成り立ち
第6回 <健康なパーソナリティとは>
からだの健康とこころの健康

第5章 実践だけでなく、研究も学ぶ
第7回 <司法・矯正領域の仕事>
非行臨床:少年法と少年非行

臨床心理学の基本モデル
第6章 心だけでなく,身体も社会も大切に(生物一心理一社会モデル:チームアプローチへ)
第8回 <司法・矯正領域の仕事>
司法矯正の流れと少年鑑別所

臨床心理学の方法(1):心理的アプローチ
第7章 安心できる関係を大切にする(人間性アプローチ:クライアント中心療法)
第9回 <医療・保健領域の仕事>
病院臨床:こころの病気と臨床の現場

臨床心理学の方法(1):心理的アプローチ
第8章 心の奥深くを探る(精神力動的アプローチ:精神分析学)
第10回 <医療・保健領域の仕事>
行動療法の理論と技法

臨床心理学の方法(1):心理的アプローチ
第9章 行動で心の動きをとらえる(行動主義:行動療法)
第11回 <よりよい人間関係とは>
アドラー心理学に見る「人間関係の縦と横」

臨床心理学の方法(1):心理的アプローチ
第10章 考え方を変えて気持ちも変える(認知モデル:認知行動療法)
第12回 <よりよい人間関係のために>
「勇気づけ」のコミュニケーション

臨床心理学の方法(2):心理社会的アプローチ
第11章 人間関係のなかで心をとらえる(システム論:家族療法・カップルセラピー)
第13回 <福祉領域の仕事>
障がいとともに

臨床心理学の方法(2):心理社会的アプローチ
第12章 地域のなかで生活を支える(コミュニティアプローチ:コミュニティ心理学)
第14回 臨床心理学的地域援助(心理援助のあり方)(学校臨床)

臨床心理学の方法(2):心理社会的アプローチ
第13章 心を構成する社会の物語を理解する(社会構成主義:ナラティブ・アプローチ)
第15回 振り返りとまとめ:心理学を生かす
授業外学習の課題 授業計画に示した内容について予習しておいてください。
テキストの内容については、テキストを読んで内容を整理し、「キーワード」をまとめてください。
授業後はノートの整理や疑問点の整理などの復習を行ってください。
授業時間外での学修時間の目安は予習復習を含め60時間程度。
履修上の注意事項 基本的に対面で授業を行います。自己の過失による欠席や遅刻は認めません。
授業に関する情報はMoodleに掲載します。定期的にMoodleを確認してください。
授業に用いるレジュメ等の資料はMoodleで配信します。
不定期に小レポート(授業内容の要約や感想・意見など)を提出してもらいます。
※受講人数や受講状況により授業の順序や授業内容を変更することがあります。
成績評価の方法・基準 【期末試験】有
期末試験(70%)、日頃の授業への取り組み方(授業への積極的な参加態度など)や小レポートの内容(30%)で評価します。
テキスト 下山晴彦・佐藤隆夫・本郷一夫(監修)(2020). 臨床心理学概論(公認心理師スタンダードテキストシリーズ )ミネルヴァ書房 ISBN:9784623086139
参考文献 野島一彦・岡村達也 (2018). 臨床心理学概論(公認心理師の基礎と実践 ) 遠見書房
主な関連科目 「公認心理師の職責」「心理的アセスメント」「心理学的支援法」「健康・医療心理学」「人体の構造と機能及び疾病」「精神疾患とその治療」「関係行政論」
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業中に適宜質問タイムを設けます。遠慮なく質問してください。
「小レポート」に記載された質問については、次回の授業で回答します。
また質問や相談はメールやMoodleでも随時受けつけます。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
人文学部人間関係学科心理学専攻(自専攻科目) 2014~2016 1・2・3・4
人文学部人間関係学科社会学専攻(社会学専門科目) 2017~2023 1・2・3・4