授業コード 12018100 クラス
科目名 経営戦略論Ⅰ 単位数 2
担当者 中園 宏幸 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 経営戦略の歴史と理論、ツール、フレームワーク
授業の概要  本講義では、経営戦略についてその成立背景から学習する。当時どのような経営環境のもとで戦略理論が成立して、その理論を活用するためのツールやフレームワークが生まれたのかを理解してもらう。具体的には、1950年から2000年頃の経済の流れと企業の対応について概観して、そこから生まれた経営関連学者の諸理論やコンサルタントが生み出したツールやフレームワークを解説する。
 ともすると、古臭くて、いまでは使えないような「昔の話」に思われるかもしれない。しかしながら、いまでも現役の理論やツール、フレームワークである。現役ではあるが、限界はある。その限界がなにかを理解することことが、上手く利用するために欠かせない。
 戦略は、産業内における同業他社との違いをどのように作り上げるのか、複数の事業領域を持つユニークな企業はどのような論理から成立しているのかなど、企業の違いを説明するためにも役にたつ。日々伝えられる企業についてのニュースから、企業がなぜ新しいことをするのか、それにどのような意味があるのかについての理解も進むようになる。
 本講義では、経営戦略にかかわる基礎的な考え方や理論を理解してもらうために、多様なケース教材を用いる。
 講義担当者はスタートアップの創業経験および経営経験があり、それに基づいた講義内容やケースを取り扱うこともある。
学習の到達目標 経営戦略論で用いられる基本的な概念やツール、フレームワークを説明できるようになる。
現代の企業や製品・サービスを実際に分析できるようになる。
授業計画 第1回 戦略論を戦略的に学習するために:講義の進め方、講義の特徴、学習方略
第2回 企業に戦略のようなものが求められるようになった背景:完全競争市場、ビッグビジネス、チャンドラーの見える手、独占禁止法
第3回 戦略のような取り組みと経営理論から戦略論はどのように生まれ育ったか:コンティンジェンシー理論、サイモンの意思決定、チャンドラーとアンソフの戦略論、ビジネススクールとコンサルティングファーム
第4回 戦略と戦略論をどのように理解すればよいか:競争優位と利益、視点としての戦略論、理論と実務、時代性【オンデマンド】
第5回 序盤評価:序盤テスト、解説、まとめ
第6回 戦略のつくりかた:戦略計画学派、戦略策定プロセス、アンソフ、アンドリューズ、ホファーとシェンデル
第7回 思いもしなかった戦略がみつかる:創発戦略学派、ホンダエフェクト、パスカル、ミンツバーグ
第8回 壁をつくり競争を避ける:SCPパラダイム、参入障壁、戦略グループ、ケイブスとポーター
第9回 良い位置を見つけ出す:ポジショニング・ビュー、戦略策定のための産業構造分析、ファイブフォース分析
第10回 中盤評価:中盤テスト、解説、まとめ
第11回 企業の中身を整える:リソース・ベースド・ビュー、バーニー、伊丹
第12回 オペレーションでも差をつける:ケイパビリティ・ビュー、ポーター、クラークと藤本
第13回 時間軸を長くすると変わるものがある:ダイナミック・ケイパビリティ、アンビデクステリティ、マーチ、伊丹、ティース【オンデマンド】
第14回 他社との駆け引きに夢中:ゲーム・アプローチ、価値共創、競争と協調、ブランデンバーガーとネイルバフ、淺羽
第15回 終盤評価:終盤テスト、解説、戦略論の総括
授業外学習の課題 予習は基本的に求めない。予習を希望する場合は参考文献を入手しておくこと。
復習は毎回要求する。毎週最低2時間の復習が講義の到達目標に向けた前提となっている。講義内容の整理と、講義目標と内容の対応を各自行うこと。
課題については講義内にて事前に伝達する。
経済誌等の企業に関連する情報を積極的に入手して情報を蓄積しておくこと。
履修上の注意事項 ブレンド型授業形態を採用する。
ノート等の筆記媒体を持参すること。本講義ではデジタルデバイスのタイピング等による記録は推奨しない。
基本的なミクロ経済学の知識を保有していることが望ましいが、それを前提とはしない。
講義中の私語については積極的に注意を行う。場合によっては退室を求めることもある。
講義中の写真・動画撮影は厳禁とする。
履修者が確定した時点から座席指定を行う場合がある。
資料配布および課題の提出、オンデマンド授業の実施にはGoogle Classroomを用いる。
成績評価の方法・基準 講義課題(1%)、序盤評価テスト(30%)、中盤評価テスト(34%)、終盤評価テスト(35%)

穴埋めやキーワードを解答するようなものはなく、全て論述にて評価を行う。
採点基準は、各設問の配点(5〜8点)に対して、次のとおりである。
問いに対して、自身の主張を論理的かつ独自の事例を用いて記述できているとき90〜100%評価。
問いに対して、自身の主張を論理的または独自の事例を用いて記述できているとき80〜89%評価。
問いに対して、自身の主張を論理的または独自の事例を用いて記述しようとしているが曖昧さや誤解が見られるとき60〜79%評価。
問いに関連する講義の内容を整理したものや抜き出して記述したものは40〜50%評価。
問いに多少関連する記述や、単語・キーワードだけのものは10〜30%評価。
問いに関係のない解答は0%評価。

課題や評価テストにて剽窃・盗用などの不正行為が発覚した場合はこれまでの点数蓄積にかかわらず単位不認定とする。
また本講義では、Goolge Classroomを用いて、現在の得点・持ち点を随時確認可能としている。採点結果に対しても1週間の疑義申し立て期間を用意する。
テキスト 必携のテキストは指定しない。
参考文献 ウォルター・キーチェルⅢ(2010)『経営戦略の巨人たち:企業経営を革新した知の攻防』日経BP。
沼上幹(2009)『経営戦略の思考法』日本経済新聞出版。
青島矢一・加藤俊彦(2012)『競争戦略論[第2版]』東洋経済新報社。
西本章宏・勝又壮太郎(2022)『マーケティング』日本評論社。
マイケル・A・ヒット、R・デュエーン・アイルランド、ロバート・E・ホスキソン(2021)『戦略経営論 〈第3版〉 競争力とグローバリゼーション』パンローリング。
澤田直宏(2020)『ビジネスに役立つ経営戦略論 -- 企業の戦略分析入門』有斐閣。
ロバート・M・グラント(2019)『グラント現代戦略分析 <第2版>』中央経済社。
琴坂将広(2018)『経営戦略原論』東洋経済新報社。
網倉久永・新宅純二郎(2011)『マネジメント・テキスト 経営戦略入門』日本経済新聞出版。
淺羽茂・牛島辰男(2010)『経営戦略をつかむ』有斐閣。
主な関連科目 経営学総論、経営戦略論、経営管理論、経営組織論、経営史、マーケティング・マネジメント、マーケティング論、マーケティング戦略論
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
質問・相談には基本的に講義終了後に対応する。オフィスアワーについては初回講義時にお知らせする。ほかにもGoogle Classroomにて随時質問を受け付ける。
課題に対しては翌週にフィードバックを行う。評価テストに対しては終了後即解説を行う。
URLリンク Google Classroom

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
商学部商学科(E群) 2016~2016 2・3・4
商学部商学科(D1群) FCBS24108 2018~2023 2・3・4
商学部経営学科(B1群) FCBA22111 2017~2023 2・3・4