授業コード 00036900 クラス
科目名 総合教養講義b(メディア論) 単位数 2
担当者 船津 靖 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 ニュースの焦点と表現の自由 Focusing on Main News and Freedom of Speech
授業の概要 開講時期から考えてロシアによるウクライナ侵略、先進7カ国(G7)首脳会議(広島サミット)が中心テーマになります。中国・台湾・朝鮮半島情勢、防衛と憲法、統一地方選、事件事故も扱います。新総裁下の日銀、経済停滞、財政赤字、人口減、雇用・格差問題などへの対策、女性や障害者の社会進出などにも触れるでしょう。エンタメやスポーツは原則として対象外。(昨年度、大谷翔平の歴史的な大活躍には触れました)
 新聞・放送はじめ日本の主要メディアの報道内容を主に扱います。事実確認の重要性、人間の認識能力の制約・限界・党派性、ニュース記事や報道番組、雑誌・書籍等の活用法、文章の読み方、書き方などの技術について話します。就活や社会での実務における心構え、注意点、工夫などにも触れます。
 自由な報道は自由主義諸国の基本的価値であるリベラリズムと不可分です。戦前の日本や中国共産党、プーチン政権下の言論統制と比較すればその貴重さがわかります。個人の尊厳、人権保障、民主主義や公平な法の支配は「自由の基礎法」と呼ばれる憲法的価値の基盤です。
 戦後日本の政治外交は日米安保条約を軸とし、日本のジャーナリズは憲法9条2項と自衛隊の「矛盾」や核兵器の持ち込み問題を最大の争点に展開してきました。中国の軍拡・海洋進出、ロシアのウクライナ侵略で国際関係は対立色が強まっています。日本の安全保障政策が問われています。護憲・改憲の論点や保守とリベラルの違いを理解することはニュースを読み解くのに必須です。今年度はこの点を例年より手厚くする計画です。
 資料の中に若干の英文が含まれます。英語の予習は不要です。大きなニュースが飛び込めば以下の授業計画は柔軟に変更します。授業の順序を変更することがあります。
 【実務経験】
 共同通信社の地方3支局で警察、裁判所、県庁、市役所、知事選・国政選挙などを取材後、外信部、モスクワ、エルサレム、ロンドン特派員、ニューヨーク支局長。東京本社で国際経済担当デスクや科学・文化・運動を含む重要ニュース全般の速報・編集管理や企画・論説を手掛けた。
学習の到達目標 ニュースの要点を素早くつかめるようになる。好悪ではなく客観的な事実や論理で考えられるようになる。個人の尊厳・人権、言論・報道の自由、事実確認、公権力監視、多角的・複眼的な分析の大切さが理解できるようになる。信頼できる優先度の高い情報を選び出せるようになる。フェイクニュースに騙されないようになる。自分自身を含め人間がその時代の思想の制約を受けていることを理解できるようになる。権力関係や利害関係を客観的に観察できるようになる。組織や団体の建て前と本音、看板と実態の違いを見抜けるようになる。実務におけるスピード、正確性、確認作業とチームワークの大切さが理解できるようになる。
授業計画 第1回 主要メディア、事実確認、記事の構成・活用法
第2回 ロシアのウクライナ侵略:背景と現在、論点
第3回 日本の保守とリベラル
第4回 憲法9条2項:誕生と解釈
第5回 核抑止論と核廃絶論
第6回 G7広島サミット開催(オンデマンド)
第7回 G7広島サミット評価
第8回 戦前の新聞・世論の軍国主義
第9回 中国共産党の支配・軍拡と日本
第10回 立花隆と田中角栄、ロッキード事件
第11回 沖縄の地上戦、返還交渉、核密約報道
第12回 象徴天皇制、国家神道、政教分離、富田メモ
第13回 刑事事件の捜査と冤罪、死刑
第14回 NATO首脳会議とロシア、ウクライナ
第15回 まとめ
授業外学習の課題  共通の情報インフラとしてNHKのニュース防災アプリhttps://www3.nhk.or.jp/news/(無料)に目を通して授業に臨む。日本経済新聞(電子版を含む)など全国紙や中国新聞、民放の報道番組などに接する。速読すれば15分でも主要記事をかなり読める。
 授業でレジュメや資料をすべて解説することはできない。次週までに自分で読み通す。授業や資料の感想や質問などをときどき提出する。
履修上の注意事項  対面授業をする。ノートを準備し講義の内容をメモする。メモは勉強でも実務でも基本。書店に行けばメモの取り方に関する本が山ほどある。
 欠席や遅刻の多い学生は歓迎しない。私語は迷惑。出席登録は厳正に。
 質問や感想は次回に授業の素材とする。褒められば喜び、添削されても喜ぶ。文章を直されない人はいない。文章は「猫にでも見せろ」と言われる。批評されて上達する。
 教員の別の授業「国際ジャーナリズム論」は英米メディアの報道を主な対象とする点で異なる。メディア・ジャーナリズムに関する原理的な話は一部重なる。前期と後期で扱うニュースが異なること、学生のさまざまな質問に答えながら授業を進めることなどで差異化する。
 Moodleを使用したブレンド型授業を実施する。
成績評価の方法・基準 受講状況約30%、期末試験約70% 期末試験の受験は原則として10回以上の出席が条件だが、個別の事情には柔軟に配慮する。
テキスト 『英文対訳 日本国憲法』(ちくま学芸文庫、2011年)\540+税
レジュメや資料をMoodleに掲載する。
参考文献  船津靖著『パレスチナ 聖地の紛争』(中公新書、2011年)=現在は電子版=。
 佐々木隆著『メディアと権力』、前坂俊之『太平洋戦争と新聞』、古関彰一『増補改訂版 日本国憲法の誕生』、加藤典洋著『9条入門』、竹内洋『革新幻想の戦後史』(上下)など随時紹介する。
主な関連科目  国際ジャーナリズム論、政治と社会(アメリカ、中東)
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
 質問は授業中もMoodleやメールでも歓迎し評価します。授業後、時間の余裕がある限り対応します。重要な質問には次の授業で触れます。期末試験についてはMoodle上に正解や講評を掲載します。その他学生から求めにはできるだけ対応します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
商学部商学科(教養科目) 2011~2016 2・3・4
商学部商学科(教養科目) WGEL23201 2017~2023 2・3・4
商学部経営学科(教養科目) 2011~2016 2・3・4
商学部経営学科(教養科目) WGEL23201 2017~2023 2・3・4
経済科学部現代経済学科(教養科目) 2011~2016 2・3・4
経済科学部現代経済学科(教養科目) WGEL23201 2017~2023 2・3・4
経済科学部経済情報学科(教養科目) 2011~2016 2・3・4
経済科学部経済情報学科(教養科目) WGEL23201 2017~2023 2・3・4
人文学部人間関係学科心理学専攻(教養科目) 2011~2016 2・3・4
人文学部人間関係学科社会学専攻(教養科目) 2011~2016 2・3・4
人文学部人間関係学科社会学専攻(教養科目) WGEL23201 2017~2023 2・3・4
人文学部人間関係学科教育学専攻(教養科目) 2011~2016 2・3・4
人文学部教育学科(教養科目) WGEL23201 2017~2023 2・3・4
人文学部英語英文学科(教養科目) 2011~2016 2・3・4
人文学部英語英文学科(教養科目) WGEL23201 2017~2023 2・3・4
法学部法律学科(教養科目) 2011~2016 2・3・4
法学部法律学科(教養科目) WGEL23201 2017~2023 2・3・4
法学部国際政治学科(教養科目) 2011~2016 2・3・4
法学部国際政治学科(教養科目) WGEL23201 2017~2017 2・3・4
法学部国際政治学科(教養科目) 2018~2023 2・3・4
人間環境学部人間環境学科(教養科目) 2011~2016 2・3・4
人間環境学部人間環境学科(教養科目) WGEL23201 2017~2023 2・3・4
健康科学部心理学科(教養科目) WGEL23201 2017~2023 2・3・4
健康科学部健康栄養学科(教養科目) WGEL23201 2017~2023 2・3・4
国際コミュニティ学部国際政治学科(教養科目) WGEL23201 2018~2023 2・3・4
国際コミュニティ学部地域行政学科(教養科目) WGEL23201 2018~2023 2・3・4