授業コード 93105400 クラス
科目名 経済法研究Ⅰ 単位数 2
担当者 道下 正子 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 経済法研究Ⅰ(独占禁止法と競争政策)
授業の概要  独占禁止法の基本的な内容を取り上げます。
 独占禁止法は,企業が経済活動を行う上で守るべき基本ルールを定めた法律で,「経済憲法」と呼ばれています。
近年,社会経済を取り巻く環境が大きく変化する中,経済の民主的で健全な発達を促し,事業者と消費者の利益を守るためには,公正かつ自由な競争環境を整備し,市場メカニズムの働きを確保する必要があります。
 授業では,この市場メカニズムの機能を十分に発揮させるため,独占禁止法がどのような基本ルールを定めているのか,最近ニュースになった事例を取り上げながら学習を進めます。
 また,競争環境の整備という観点から,各種取引に関する実態調査(フリーランス,スタートアップ,コンビニ本部と加盟店の取引)や違反行為の未然防止の観点から定めている各種ガイドライン(知的財産権,フランチャイズ取引等)を踏まえ,どのような行為が独占禁止法上問題となり得るのか,学習します。
学習の到達目標  独占禁止法の基本的な内容,及び,経済活動において独占禁止法上問題となり得る行為を理解することを目標とします。
独占禁止法は,将来,弁護士や税理士を目指す方,地方自治体や企業に就職される方には,関わりが出てくる法律ですので,基本的内容を理解していれば,知識として役に立ちます。
授業計画 第1回 独占禁止法の概要
 競争政策とは、独占禁止法の目的と規制対象,競争政策の必要性,競争を制限する行為,違反行為に対する措置
第2回 不当な取引制限
 入札談合の態様(発注機関,対象となる物件,発注方法,談合の方法等)
第3回 私的独占の禁止
 支配型私的独占と排除型私的独占
第4回 不公正な取引方法①(総論)
 行為類型(法定5類型とその他)、公正競争阻害性
 法定5類型(優越的地位の濫用,再販売価格の拘束,不当廉売,共同の取引拒絶,差別対価)
第5回 不公正な取引方法②(各論)
 優越的地位の濫用
第6回 不公正な取引方法③(各論)
 一般指定と特殊指定,物流特殊指定,大規模小売業告示
第7回 独占禁止法違反事件の手続き
 端緒,審査,事前手続,措置,確約手続
第8回 独占禁止法違反事件の措置
 排除措置と課徴金納付命令,課徴金減免制度,調査協力減算制度
第9回 競争制限的な企業結合
 企業結合審査の考え方、手続き、届出制度、一定の取引分野の確定、競争の実質的制限
第10回 独占禁止法適用除外
 地銀・バス特例法等
第11回 競争環境の整備①
 コンビニ本部と加盟店との取引実態調査結果
フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方
第12回 競争環境の整備②
 スタートアップの取引慣行に関する実態調査結果
スタートアップとの事業連携に関する指針
スタートアップへの出資に関する指針
第13回 競争環境の整備③
 フリーランスガイドライン
第14回 官製談合防止法について
第15回 競争政策を巡る最近の情勢
授業外学習の課題 事前学習は必要ありません。
履修上の注意事項 後期に実施する経済法研究II(主に独占禁止法の補完法である下請法中心)の授業と関連する内容になっていますので、可能な限り、経済法IIを履修する予定の方は履修してください。
成績評価の方法・基準 授業への取り組み及び授業態度(50%)、リアクションペーパー(意見、気付き、疑問点、質問等を記載:50%)で評価する。
テキスト 毎回配布する資料及び以下の公正取引委員会が作成している冊子やパンフレットを配布して使用します。
「公正取引委員会の最近の活動状況」
「入札談合の防止に向けて」
「優越的地位の濫用~知っておきたい取引のルール~」
「優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」
「独占禁止法に関する相談事例」
「独占禁止法ガイドブック」
参考文献 授業では使用しませんので購入を求めるものではありませんが、独占禁止法の基礎について勉強したい方は、以下の文献を参考にしてください。
○「独禁法の授業を始めます」菅久修一著
主な関連科目
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
メールまたは授業時間内に質問を受け付けます。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
法学研究科M法律学専攻 2017~2022 1・2