授業コード 90332000 クラス
科目名 性現象論Ⅰ 単位数 2
担当者 河口 和也 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 クィア・スタディーズ Introduction to Queer Studies
授業の概要 「クィア」という考え方は、主に1980年代終わりから90年代初頭のアメリカで登場し、その後、学問研究/運動・実践の双方の領域で展開されるようになりました。91年にテレサ・デ・ラウレティスが「クィア理論」という用語を提唱したことは、クィア・スタディーズという学問分野が形成される画期とも言えます。
本講義の前半では、レズビアン/ゲイ・スタディーズ、その後のクィア・スタディーズにおいて作り上げられてきた理論がいかに現実の諸問題のなかから生まれ、またその問題自体に介入しようとしてきたかについて体系的に説明します。そこでは、クィア前史、クィア理論とフェミニズムとの関連/分離、フーコーによる影響、エイズ問題におけるクィア理論の活用などを取り上げます。
 後半では、ネオリベラリズム体制の浸透によって生起する、おもにセクシュアリティをめぐる諸問題に焦点をあてます。ここでは、クィアと消費社会、クィアの表象、クィア家族の諸問題、同性婚の問題、グローバル化するセクシュアリティなどを取り上げ、クィア理論における様々な概念枠組みを用いることで、考察していきます。
学習の到達目標 さまざまなトピックに触れながら、クィア理論というひとつの枠組みをとおして学ぶことにより、社会や文化において、歴史的にも、そして現在の時点においても、セクシュアリティが果たす役割を、批判的に考えることができるようになる。
授業計画 第1回 イントロダクション:「クィア」とは?
第2回 クィア前史Ⅰ:セクソロジーの時代/ホモファイル運動
第3回 クィア前史Ⅱ:レズビアン/ゲイ・リベレーションとレズビアン/ゲイ・スタディーズ
第4回 フェミニズムとセクシュアリティⅠ:ルービン「性を考える」
第5回 フェミニズムとセクシュアリティⅡ:バトラー『ジェンダートラブル』
第6回 フーコーによるインパクト:『性の歴史』
第7回 エイズ時代をクィアするⅠ:映画「怒りを力に」を題材に
第8回 エイズ時代をクィアするⅡ:バトラーとベルサーニの理論を通して映画『ゼロ・ペイシェンス』を分析する
第9回 ネオリベラリズム体制とセクシュアリティ
第10回 クィアと消費社会
第11回 クィアの表象
第12回 クィアな家族
第13回 同性婚をクィアする
第14回 グローバル・クィア
第15回 第1回から第14回までのまとめ
授業外学習の課題 指示した文献を授業前に必ず読んでおくこと。
履修上の注意事項 講義を受講するための準備をきちんとしておくことが必要となります。

【授業は対面で行う予定ですが、コロナ感染状況によっては授業形態が変更になる可能性があります】
成績評価の方法・基準 講義の際に課す課題レポート作成(60%)および講義における報告と議論への参加の度合い(40%)を総合して評価する。
テキスト 風間孝・河口和也 2010 『同性愛と異性愛』 岩波書店
風間孝・河口和也・守如子・赤枝香奈子 2018 『教養のためのセクシュアリティ・スタディーズ』法律文化社
参考文献 授業の際に、適宜指示する。
主な関連科目 性現象論Ⅱ
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
質問や相談等については、授業時および授業外に、またメール等で適宜対応します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
人文科学研究科M社会学専攻 2017~2022 1・2