授業コード 50012200 クラス
科目名 環境倫理学 単位数 2
担当者 宮坂 和男 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 環境をめぐる倫理的諸問題の検討
授業の概要 現代の科学技術文明の中で、新たな倫理的課題が数多く湧出してきた。その中の一つが環境問題である。環境をめぐってどのような問題が生じているかを見、次いで、それをどのように理解して対処したらよいか、倫理的に考える。
学習の到達目標 そもそもなぜ環境を保護しなければならないのか、保護するために人間に何ができるのか、といった問題について自分の頭で考えることができるようになる
授業計画 第1回 序 人類の歴史と環境倫理学の成立
 産業形態の変化とそれに伴う地球上の人口の爆発的増加によって、環境問題についても倫理的な考察を行うことが必要になった事情を説明する。
第2回 Ⅰ.「権利」概念の拡大と環境保護思想
 ヨーロッパにおける人間の権利が確立した歴史的過程を概観する。
第3回  ヨーロッパにおいて人間の権利が確立した後に、自然の権利が次第に顧みられるようになった歴史的過程       を概観する。
第4回  アメリカの環境保護思想(その1)
       エマソン、ソローなど、アメリカの初期環境保護思想家の思想を見る。
第5回  アメリカの環境保護思想(その2)
 ミューア、レオポルド等の環境保護思想家の思想を見る。
 ヘッチヘッチー論争に絡めて、自然保護とは何を意味するかを検討する。
第6回  そもそもなぜ環境を保護するのか
 自然の「保存」と「保全」との違いについて見る。
 自然保護に考えるときに間違った対立図式に陥りがちになることを批判的に検討する。
第7回 「切り身」と「ネットワーク」――環境保護とは何か――(その1)
 今日の大規模工業社会において、自然が直接体験されなくなった事情について見る。
第8回 「切り身」と「ネットワーク」――環境保護とは何か――(その2)
 今日の大規模工業社会において、自然との接触を回復するためにはどうしたらよいかについて検討する。
第9回 Ⅱ.世代間倫理の問題
 H・ヨナスの「責任」の原理(その1)
 今日の科学技術文明においては、伝統的な相互性の倫理原則だけでは不十分であること、一方方向的な「責任」の原理が必要となっていることを、H・ヨナスの主張に即して見る。
第10回  H・ヨナスの「責任」の原理(その2)
 「責任」の原理が親子関係を原型としていることなど、ヨナスの「責任」の概念について検討する。
第11回  H・ヨナスの「責任」の原理(その3)
 「責任」を現実に果たしてゆくためには具体的に何をしなければならないのか、検討する。
 ヨナスのブロッホ批判を参照しながら、科学技術の時代の倫理のあり方について検討する。
第12回 Ⅲ.今日の環境問題
1.地球温暖化の問題
 小宮山宏『低炭素社会』(幻冬舎新書)の内容に即して、二酸化炭素を削減し、地球温暖化を抑止するた       めには、具体的に何をしなければならないかを検討する。
第13回 2.生物多様性の保全(その1)
 主として鷲谷いづみの研究を参照しながら生物多様性について検討する。「生物多様性」とは何かを見る。
第14回   生物多様性の保全(その2)
 生物多様性を守るにはどうしたらよいかについて検討する。
第15回 3.公共事業の問題
 今日、無意味な公共事業が大規模に実施されて、自然が大きく破壊されている現実がある。このような公共事業がなぜ無くならないかを検討する。
授業外学習の課題 ・配布プリントを熟読すること。
・関連図書を読むこと。
履修上の注意事項 教室で対面授業を行います。絶えず問題意識を共有することに努めて下さい。従って、原則として毎回出席してください。なお、私語は絶対禁止。
授業時間内のどこかで中間テストを行います(日時は未定)。必ず受験して下さい。なお、それに応じて、上記の講義計画が修正されることがあります。あらかじめご了承ください。


【追記】諸々の事情で講義のやり方に関して大きな変更が生じるかもしれません。変更の具体的な内容は Shudo Moodle 等で通知します。注意して見るようにして下さい。
成績評価の方法・基準 学期末定期試験で評価する。
その際、次のことが前提条件になる。すなわち、
・授業に7割以上出席すること(欠席は4回が限度)
・授業時間に実施する試験を受験してあること

【追記】諸々の事情で成績評価の方法や基準に関して大きな変更が生じるかもしれません。変更の具体的な内容は授業の中で通知します。注意して聴くようにして下さい。
テキスト なし。
参考文献 ・加藤尚武『環境倫理学のすすめ』(丸善ライブラリー)
・鬼頭秀一『自然保護を問い直す』(ちくま新書)
・加藤尚武(編)『環境と倫理』(有斐閣)
・加茂直樹・谷本光男(編)『環境思想を学ぶ人のために』(世界思想社)
・ハンス・ヨナス『責任という原理』(東信堂)
ほかは授業中にそのつど指示する。
主な関連科目 科学技術と倫理
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
・毎回カードで質問を授業後に提出することができる。次回の授業で返答する。
・電子メールで質問を常時受け付ける。miyasaka@shudo-u.ac.jp

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
人間環境学部人間環境学科(マインド形成科目) 2011~2016 1・2・3・4
人間環境学部人間環境学科(マインド形成科目) FHES11103 2017~2017 1・2・3・4
人間環境学部人間環境学科(基礎科目) FHES23116 2018~2022 2・3・4