授業コード 50000600 クラス
科目名 生命のしくみ 単位数 2
担当者 岡西 政典 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 現代生物学と新たな生物多様性研究
授業の概要 激変する地球環境を考える上で,そこに生息する生物を学ぶことは必須である.生物学では伝統的に,分類学,生態学といった目に見えるレベルの「マクロ生物学」が行われてきた.近代になり,マクロ生物学が見出してきた様々な生物の進化の過程や生命現象の基本原理を理解しようとする流れが生み出された.これは生体内の分子~細胞レベルの情報に基づいた「ミクロ生物学」と言える.現在はお互いがお互いの手法を取り入れることによって総合的に生命現象や生命のしくみを捉えようという流れが生まれてきている.
本講義では,分子(ミクロ)から集団(マクロ)のレベルの視点を織り交ぜた解説により、生物学の基礎と最先端生物学の発展を学ぶ.具体的には動物を対象とした生物多様性に関する最新の研究成果を紹介しつつ,以下の点を中心に解説する.

・マクロ生物学とミクロ生物学の例
・多種多様なDNAの解析技術とその結果の解釈
・分子(進化)系統樹の読み解き方とその方法論
・大規模データ解析の環境保全学分野,生物多様性学分野への応用
学習の到達目標 ・マクロな視点の生物学とミクロな視点の生物学の違いと共通点を説明できる
・PCR・シーケンスの原理,遺伝子,ゲノムなどの単語の意義を説明できる
・分子進化系統学に関する一連の用語と系統樹の解釈法を説明できる
・現代のシーケンシングが可能にした生物学的事例を説明できる

以上の点を理解することを目的とし,本講義を通じて人間とそれを取り巻く環境・生物の多様性を実際に考察するための知識と方法を学ぶことを期待する.
授業計画 第1回 講義ガイダンス,マクロ生物学,ミクロ生物学とは
第2回 生物の体を構成する物質
第3回 細胞のしくみと細胞小器官
第4回 細胞と遺伝① ~DNA,遺伝子,染色体,ゲノム~
第5回 細胞と遺伝② ~どのように遺伝子が受け継がれるか~
第6回 DNAの構造と複製 ~遺伝情報の実態を学ぶ~
第7回 セントラルドグマ① ~転写~
第8回 セントラルドグマ② ~翻訳~
第9回 重要なバイオテクノロジー ~クローニング・PCR・DNAシーケンシング~
第10回 DNA解析がもたらした新たな系統 ~ドメインと新たな高次分類群~
第11回 DNA解析がもたらした新たな系統 ~脱皮動物と冠輪動物~
第12回 進化と種 ~種はどのように生まれるのか~
第13回 博物館標本に秘められた生物多様性 ~断片化したDNAから過去を読み解く~
第14回 環境DNA ~メタバーコーディングと新たなモニタリング~
第15回 現代生物学における環境問題への取り組み ~マクロとミクロの融合~
授業外学習の課題 ・予習に必要な教科書などは毎回の講義で適宜アナウンスする
・事前に参考文献を調べて,授業内容を予習すること.各講義で1時間ずつの予習と復習を期待する
履修上の注意事項 ・対面形式を基本とする.
・本科目はやや発展的な内容となるため、「生物学」の履修していることが望ましい.
・講義前にはMoodleなどを通じて毎回資料を配信する.
成績評価の方法・基準 ・期末テスト(60%)、中間レポート(30%)、小テスト(10%)から総合的に評価する。
※講義内で、講義内容を問う小テストを実施する。
※中間レポート課題は講義の中盤を過ぎたあたりでアナウンスする。
テキスト テキストは使用せず,Moodleなどを通じて毎回資料を配信する.
参考文献 「動物の系統分類と進化」藤田敏彦,裳華房
「新種の発見」岡西政典,中公新書
「分子進化と分子系統学」根井正利・S. クマー,培風館
「環境DNA」土井秀幸・近藤倫生,共立出版
主な関連科目 生物学
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
講義中や講義終了後を含めて、質問については常に受け付ける.もしくはMoodleや個別メールにて対応する。
希望者にはレポートの採点結果を、本人にのみ開示する.

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
人間環境学部人間環境学科(リテラシー形成科目) 2011~2016 1・2・3・4
人間環境学部人間環境学科(リテラシー形成科目) FHES12103 2017~2017 1・2・3・4
人間環境学部人間環境学科(基礎科目) FHES23120 2018~2022 2・3・4