授業コード 30073903 クラス 03
科目名 国際関係演習BⅠ 単位数 2
担当者 船津 靖 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 国際社会と日本のリアリズム Ⅰ Realistic Analysis of Global Society and Japan Ⅰ
授業の概要  学生が選んだテーマについて事実や背景を調べ、発表する。質疑応答や討論をし、教員が補足する。国際社会と日本社会の現実に関する知識を深め、発表や討論、文章の技法を磨く。教員という「社会人」と接し、自分の興味・関心に沿って研究することで「新たな自分」を発見できる。構成を工夫し事実関係を確認しながら文章を練り上げる作業は、卒業後の職業生活や生涯続く独学の土台になる。
 口頭や文章の表現力向上を重視する。英語能力の向上を目指す。最新ニュースを解説する。社会や会社の実情など、文字にしにくい内容も時に話す。時折、近況や抱負を話すスピーチ練習をする。
 教員はまずゼミ生の個人的関心を聴き取る。①学生の研究の発展可能性、②社会的、学術的な意義、③教員の助言・指導の有効性~などの観点から研究テーマの候補を示す。学生が選択する。
 前年度は「国際社会とアメリカ」というタイトルだった。レポートのテーマは、アメリカ関係では白人優越主義、半導体政策、銃社会、米福音派の終末論、日米の観光産業など。その他の分野ではイスラエルのワクチン政策、ユダヤ人迫害、イスラム国、ジプシーとコロナ、中国の海洋進出、ニュージーランドの移民政策、日本の職場・企業の問題点、同性パートナーシップ、ジェンダー、浄土真宗とカトリックの「救い」、フィリピンと水、ロシアの政治と宗教など。
 発表段階では上記のテーマ以外に、歴史とロマンの旅スペイン、イエスの福音、「イスラム国」の日本人人質事件、米映画の白人ナショナリズム、島の暮らし、安佐南区の地産地消、デジタル4騎士GAFA、イスラエル首相、日中の経済成長、中国の海洋進出などがあった。
 人間に焦点を当てた伝記的研究も歓迎する。ゼミナールbでの学生のレポート内容なども参照のこと。教員はリアリズム(現実主義)をロマンチシズム(政治的ロマン主義、急進主義、理想主義)やポピュリズム(大衆迎合主義)に対置する。個人の尊厳や自由、人権、法の支配、民主的統治、国際協調といったリベラルな価値は、国家のパワー(防衛力、経済力等)なしでは守れない、と考えるのがリアリズム。教員のモットーは“Call a cat a cat”(猫は猫と呼ぼう~猫を虎やネズミと呼ぶ幻想・偽善から解放されよう)
 以下の授業計画は極めて暫定的なもの。学生の関心や進度に応じ柔軟に対応する。
【実務経験】共同通信社の地方3支局で警察、裁判所、県庁、知事選・国政選挙などを取材後、モスクワで米ソ核軍縮交渉とソ連崩壊、エルサレムで中東和平交渉や自爆テロ、ロンドンで英国の政治社会や金融市場、バグダッドで米英軍のイラク侵攻・国連の核査察、ニューヨークでアメリカ社会や国連を取材。東京本社では国際金融や科学・文化・運動を含む重要ニュース全般の速報・編集管理を指揮、英語・中国語による日本ニュース発信、編集企画・論説を担当した。 著書『パレスチナ 聖地の紛争』(中公新書)。編著『世界年鑑』。共著(寄稿)『アメリカ文化事典』『20世紀 未来への記憶』。
学習の到達目標  国際政治や日本社会の現実について知識や洞察力が身に付き、多角的で冷静な分析ができるようになる。自分の発表・レポートと関連する分野では専門的な知識が身に着けられるようになる。効果的な発表ができ、正確で説得力のある文章を書けるようになる。他の学生の話を正確に理解できるようになる。英語を自力で伸ばしていけるようになる。
授業計画 第1回 ゼミ生の関心領域例示
第2回 前年度ゼミ生の発表(1)3人、質疑応答・講評
第3回 前年度ゼミ生の発表(2)3人、質疑応答・講評
第4回 前年度基礎生の発表(1)3人、質疑応答・講評
第5回 前年度基礎生の発表(2)3人、質疑応答・講評
第6回 新ゼミ生の発表(1)3人、質疑応答・講評
第7回 新ゼミ生の発表(2)3人、質疑応答・講評
第8回 中間まとめ
第9回 期末レポートのテーマ
第10回 期末レポート草稿発表(1)
第11回 期末レポート草稿発表(2)
第12回 期末レポート発表(1)
第13回 期末レポート発表(2)
第14回 期末レポート発表(3)
第15回 最終まとめ
授業外学習の課題  発表担当者はキーワード、年表、要約や引用、地図などからなる発表資料(ワードでもパワポでもよい。パワポの場合も配布資料も)を遅くとも発表前日までに教員に送る。他のゼミ生が作成した資料を熟読する。授業に関する感想や質問を期す課題を提出する。国際政治・紛争、日本外交・経済に関するニュースに関心を持つ。本や新聞を読む。報道爆組やドキュメンタリー番組を視聴する。口頭や文章の日本語を磨き、英語の読解力を伸ばす努力をする。NHKのニュース防災アプリ(無料)を共通の情報インフラとする。ニュースの速読や視聴に1日30分は充てることを習慣としてほしい。
履修上の注意事項  他のゼミ生の発表に集中する。非礼な居眠りはやめてほしい。母語が日本語ではないゼミ生に配慮する。やむをえず欠席する場合は教員に事前にメールで連絡する。発表当日のドタキャンは厳禁。特段の事情なく欠席が続けばゼミ離脱とみなす。質問し、議論を盛り上げるサービス精神が必要。教員や他のゼミ生などとのコミュニケーション、信頼関係が大切。Sensitiveな話を外部に流出しない。
 国際社会の複雑さを面白いと感じる向学心のある学生の受講を歓迎する。
成績評価の方法・基準  発表・質疑等ゼミへの貢献度約40%、期末レポート(4000~5000字)約60%
テキスト  特に指定しないが、NHKのニュース・防災アプリ(無料)を共通の情報インフラとする。ゼミ生が作成したPPTやレポートをMoodleに掲載する。
参考文献  ゼミ生の関心や必要を考慮し、適宜、紹介する。日本経済新聞(電子版含む)や中国新聞などの国際関係記事に目を通すことを推奨する。
主な関連科目  国際ジャーナリズム論、政治と社会(アメリカ、中東)、メディア論、異文化理解論
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
 メールや面談などでできる限り対応する。授業の内容、発表やレポートに関する質問や相談はもちろん進路、就活、英語はじめ各種勉強法なども歓迎する。こも込み入った相談などはメール(funatsu@shudo-u.ac.jp )で都合を打診してもらえると面談の調整が便利。レポートのフィードバックは全体にかかわるものをMoodleのアナウンスメントで、個別のものをMoodleのFBCか通常のメールで行う。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
法学部国際政治学科(B群) 2014~2014 2・3・4
法学部国際政治学科(B群) 2015~2016 3・4
法学部国際政治学科(B群) FLIP30201 2017~2017 3・4