授業コード 30069600 クラス
科目名 特殊講義E(民主主義論) 単位数 2
担当者 清水 満 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 民主主義論 On the theries of democracy
授業の概要 民主主義の理論とその歴史的な実践について学ぶ。
民主主義の前提となる共和政についても考察します。
古代ギリシャのアテネの民主主義から始まり、中世の自由自治都市、近代の革命理論、そして現代の議会制民主主義のモデルとなった19世紀のブルジョア民主主義、それらを批判的に考察した20世紀の政治理論と実践について概括する形式を取ります。

集中講義なので、疲労度を考慮して、視聴覚教材なども多く利用します。
学習の到達目標 民主主義の本質を理解し、現代日本で選挙権、被選挙権をもち、地方自治では条例制定権や解職請求権なども有する市民として、積極的な政治参加ができるようになる。
マスメディア、ネットメディアなどの世論操作に左右されず、自分で情報を取捨選択でき、主体的な政治判断をして、民主主義を支える一員となることができる。
授業計画 第1回 イントロダクション
ギリシャ、ローマの民主主義と共和政
人類史で民主主義の起源の一つとなったギリシャ・ローマのあり方を見る。
第2回 中世自由自治都市の市民自治……イタリア、ドイツの自由自治都市の共和政
古代の都市国家の伝統を引き継いだ自由自治都市の民主主義を考察する。
第3回 マキァヴェリの政治思想
「君主論」で有名なマキァヴェリは実は共和主義者だった!
第4回 ホッブズの思想
絶対王政支持者のホッブズの国家論は、ラディカルな民主主義論として読み替え可能である!
第5回 スピノザの民主主義論
ラディカル・デモクラシーの元祖としてのスピノザを考察する。
第6回 ルソーとフランス革命
ルソーはロールズの先取りだった!
第7回 カントとフィヒテ
多数派民主主義の横暴を乗りこえるヒントとして監督官制度を考察する。
第8回 ブルジョア民主主義と公共圏
現代の議会制民主主義のモデルとなったブルジョア民主主義を公共圏の視点から考察する。
第9回 マルクスとモリス アソシエーション民主主義
ブルジョア民主主義の疎外の克服を考える。
第10回 デンマークの民衆の民主主義 グルントヴィとホイスコーレ運動
福祉国家の社会民主主義とは異なるデンマークの農民民主主義を考察する。
第11回 シュミット 民主主義の病弊
現代の議会制民主主義の問題をシュミットの考察を通して考える。
第12回 ファシズムとナチズム 大衆民主主義の残酷さ
ムッソリーニのファシズムとヒトラーたちのナチズムの問題を考える。
第13回 評議会民主主義とグラムシ
現代の議会制民主主義を乗りこえる評議会民主主義を考察する。
第14回 ハーバマスの討議的民主主義
現代の議会制民主主義を乗りこえようとする討議的民主主義を考える。
第15回 全体のまとめと考察
授業外学習の課題 講義レジメにある参考文献を読む(1冊につき、2〜6時間程度)。
講義レジメを読み返し、復習する。
リフレクションカードの問題を解く(30分)
履修上の注意事項 講義中の質問、討論を歓迎します。
リフレクションカードも適宜用いて、みなさんの講義の理解度を見ます。
リフレクションカードは教室での記述あるいはMoodleを使います。
コロナウィルス感染など特別な事情は考慮します。
成績評価の方法・基準 リフレクションカードの内容評価 30%
リフレクションカード等の提出回数 10%
期末の試験もしくはレポート 60%
テキスト なし。
毎回、講義レジメを配布します。
参考文献 宇野重規『民主主義とは何か 』(講談社現代新書) この講義の展開と近い構成なので、まとめとしてお勧め。
山本圭『現代民主主義-指導者論から熟議、ポピュリズムまで』(中公新書)これも現代の概観として、講義と重なるので、お勧め。
レオ・シュトラウス『自然権と歴史』(ちくま学芸文庫)
アントニオ・ネグリ『構成的権力』(批評社)
個別の講義では毎回その講義についての詳しい参考文献リストをあげます。
主な関連科目 政治学概論、政治理論、政治思想
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
講義後の休み時間。
メールでの質問も受けつけます。
Moodleを利用してのフィードバックも適宜あります。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
法学部国際政治学科(E群) 2014~2016 2・3・4
法学部国際政治学科(E群) FLIP20518 2017~2017 2・3・4