授業コード 30047100 クラス
科目名 特別講義A(明治の法と裁判) 単位数 2
担当者 居石 正和 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 明治の法と裁判
授業の概要 明治になり、裁判は、お白州から法廷の場に変わります。欧米の裁判制度を日本に継受すること、それは日本の裁判史の大きな転換点でした。近代的な裁判制度の導入は、日本が近代国家になることを示すとともに、不平等条約改正のためにも必要なことでした。
江戸から明治へ。それは、法の近代化であり、裁判の近代化をもたらします。江戸時代の裁判のあり方が明治になって変わっていく様を追っていきます。
テーマは三つ考えています。①江戸時代の伺-指令型裁判の変化、②近代的訴訟原理の導入、③司法権の独立です。明治憲法下での司法制度の変遷を追いながら、戦前の司法制度の特徴を考えていきます。
学習の到達目標 1.実定法学を支え・発展させる基礎法学の知識を身につける。
2.近代的な司法制度が日本に形成されていく過程を理解できる。
3.戦前期司法の特徴を考え・理解できる。
4.現代社会に対する複眼的な思考を身につける。
授業計画 第1回 ガイダンス-裁判とは何か
第2回 江戸時代の裁判
第3回 司法制度の近代化_1-江戸から明治へ
第4回 司法制度の近代化_2-江藤新平の司法制度改革
第5回 司法制度の近代化_3-大審院の設置
第6回 司法制度の近代化_4-治罪法の制定と裁判制度
第7回 司法制度の近代化_5-裁判所構成法の制定
第8回 各地での裁判所の設置
第9回 民事訴訟手続原則と判決の変化_1(明治初期の民事訴訟手続)
第10回 民事訴訟手続原則と判決の変化_2(フランス民事訴訟法の影響)
第11回 司法権の独立について_1-司法権の独立とは
第12回 司法権の独立について_2-明治前期の裁判情況
第13回 司法権の独立について_3-大津事件と司法権の独立(1)(大津事件の発生)
第14回 司法権の独立について_4-大津事件と司法権の独立(2)(内閣及び児島惟謙の行動)
第15回 まとめ:戦前の裁判制度の特徴-いまに繋がる問題として
授業外学習の課題 復習を大切にしてください。講義資料を読み直してください。
日本史に限らず、世界史の理解があると興味が湧くと思います。歴史書を図書館で探して読み(自分で購入するも良し)、歴史に対する知識と感覚を養ってほしい。
時間外学習は、1.5時間程度を目安としています。
履修上の注意事項 講義中のおしゃべりや飲食、携帯電話の使用等は禁止します。
授業の内容は変更する場合があります。注意してください。
成績評価の方法・基準 基本的に期末試験(100点満点)の成績をもって評価します。なお、講義期間中、講義内容に関して課題を出し、「課題ペーパー」に書いてもらうことがあります。期末試験の成績が60点に満たない者については、20%を超えない範囲で「課題ペーパー」の評価を加味することがあります。
テキスト テキストは使用せず、講義資料を配布します。
参考文献 新井勉・蕪山嚴・小柳春一郎『ブリッジブック 近代日本司法制度史』(信山社)
染野義信『近代的転換における裁判制度』(勁草書房)
三阪佳弘『近代日本の司法省と裁判官―一九世紀日仏比較の視点から』(大阪大学出版会)
家永三郎『司法権独立の歴史的考察』(日本評論社)
林屋礼二『明治期民事裁判の近代化』(東北大学出版会)
尾佐竹猛・三谷太一郎校注『大津事件』(岩波文庫)
主な関連科目 日本法制史
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業終了時に対応します。そのほか、説明に時間を要したりややこみいった質問・相談、成績評価に対しては、研究室で対応します。この場合は事前にアポイントメントをとってください。メールでも対応します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
法学部法律学科(発展科目) 2013~2016 2・3・4
法学部法律学科(発展科目) FLLA30914 2017~2017 2・3・4
法学部法律学科(発展科目) FLLA20909 2018~2022 2・3・4