授業コード 30041400 クラス
科目名 特別講義A(民事執行法) 単位数 2
担当者 山田 明美 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 権利実現の仕方 Civil Execution Act
授業の概要  お金を貸したのに返してもらえない、あるいは代金を支払ってもらえないといった場合には、相手に対して裁判(民事訴訟)を起こし、支払いを命じる判決を得ることができます。しかし、相手がその判決に従わない場合、どうしたらよいのでしょうか?
 裁判で勝訴の判決を獲得しても、相手に対する自己の権利が認められただけで、判決に従った自力での権利の実現は許されていません。もし、「力」で権利を実現しようとすれば、刑事上の罪に問われることにもなりかねません。私法上の権利を強制的に実現するためには、国家が用意した制度である民事執行手続を利用しなければならないのです。この手続を定めている法律が民事執行法です。また、民事執行法は、判決等の内容の実現だけでなく、抵当権の実行手続についても規定しています。
 
 本講義では、私法上の権利の実現プロセスとその最終段階に位置付けられる権利実現の手段である民事執行手続の仕組みと制度の在り方を説明します。
学習の到達目標 私権の権利実現のプロセスを知る。
民事訴訟と民事執行の関係および権利の強制的実現手段である民事執行手続の基本的な仕組みを理解する。
授業計画 第1回 民事執行の世界---法の果実を目指して;権利の強制的実現とは? 
 民事執行の種類と機能
 強制執行の種類・構造
第2回 執行手続の主体
強制執行の要件
第3回 債務名義 総説
第4回 各種の債務名義
第5回 執行文
第6回 執行救済(1)
 執行抗告・執行異議、請求異議の訴え
第7回 執行救済(2)
 第三者異議の訴え
第8回 金銭執行の構成、強制競売
第9回 不動産強制競売(1)差押え、換価のための準備
第10回 不動産強制競売(2)換価
第11回 不動産強制競売(3)満足
第12回 動産執行
第13回 債権執行(1)
 (1)債権執行の特質 (2)金銭債権の差押え
第14回 債権執行(2)
 (1)金銭債権の換価 (2)満足
第15回 非金銭執行
授業外学習の課題 予習:授業計画を参照に教科書を読む。
復習:授業で取り上げたテーマ・判例については、教科書など文献の該当箇所や該当判例を調べ読んで理解を深める。
履修上の注意事項  この講義では、前提として、民事訴訟法(判決手続)ならびに民法の基本的な知識を有していることを求めます。これらの講義を履修済み、又は同時並行で履修することが望ましいです。

教科書・六法を必ず手元に置き授業を受け、条文が出てきたらその都度確認してください。
 
 授業資料の配布や連絡等にMoodleやGoogle Classroomを使用します。
成績評価の方法・基準 定期試験(60%)、受講態度40%(小テスト等の課題回答・提出を含む)を目安に総合的に評価する。
 (なお、状況により試験はレポート課題等に変更する場合もありうる。)
テキスト 1冊用意してください。
中西正・中島弘雅・八田卓也・青木哲『民事執行・民事保全法【第2版】』(有斐閣)2021年
野村秀敏ほか著『民事執行・保全法』(法律文化社)2021年
上原敏夫・長谷部由起子・山本和彦『民事執行・保全法【第6版】』(有斐閣)
中野貞一郎『民事執行法』(青林書院)
参考文献 『民事執行・保全判例百選』
主な関連科目 民事訴訟法、民法(担保法・物権法など)
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
質問・相談は、授業終了後の教室にて、またメールやMoodleのメッセージ機能等を利用しても随時対応します。小テストなどの講評は、Moodle等で配信します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
法学部法律学科(発展科目) 2013~2016 2・3・4
法学部法律学科(発展科目) FLLA30911 2017~2017 2・3・4