授業コード 20032000 クラス
科目名 都市社会学B 単位数 2
担当者 中道 豪一 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 民俗宗教の視点から広島デルタ地域を眺める
授業の概要 本講義は宗教と社会の関係を考えるため民俗宗教という存在に注目します。

民俗宗教は教祖や教義の存在しない形態の宗教ですが、地域の文化や歴史と密接な関係を築きながら成長するため、時には伝統文化・習俗としての認識が優先し、本質的な宗教としての認識が欠落することが珍しくありません。

例えばお正月に飾る「鏡餅」や「角松」。これらは「新年に家々を訪問する神様を迎えるため」のれっきとした民俗宗教のアイテムですが「宗教」という言葉で説明されると戸惑う人も少なくないのではないでしょうか。

本講義では具体性を重んじるため、広島デルタ地域(広島市中心部)という身近な地域に焦点を絞り民俗宗教の事例を1~12月まで順番に学んでいきます。近世から現代までの様々な事例に触れることで「宗教の存在」を感じ取れるようにすることを第一の目的とし、「宗教が地域社会に及ぼす影響」「時代による推移」「現代広島地域における特殊性」「宗教を分析する理論」などのトピックについて意見を持てるようにすることを第二の目的とします。(宗教に関する理論については①マックス・ヴェーバー ②エミール・デュルケーム ③ピーター・L. バーガー ④和辻哲郎などを紹介します)

講義で扱う内容は神社・寺院といった既存の宗教施設を舞台とするものもありますが、いわゆるお正月や雛祭りといった私たちに馴染みのある行事、さらにはきつね・たぬきをはじめとする妖怪の話まで幅広く取り扱います。その中には江戸時代に、魔王山本と戦った武士の話や、川通り餅の秘密など、思わず人に話したくなるようなものや「えっ?それも宗教!?」といったものも含まれます。

「宗教」や「広島」に関心のある学生の受講を歓迎します。
学習の到達目標 ①民俗宗教事例を正しく理解し説明できる
②民俗宗教の存在を意識し現代社会における影響を説明できる
③民俗宗教事例の時代的推移を説明できる
④民俗宗教事例における広島の特殊性を説明できる
⑤宗教に関する理論を正しく理解し説明できる
授業計画 第1回 失われた広島の歴史と文化について
―講義概要と評価方法の説明―
第2回 旧暦1月における旧広島市域の生活と文化
―正月行事を中心に人々の生活を知る―
第3回 旧暦2月における旧広島市域の生活と文化
―初午を中心に人々の生活を知る―
第4回 旧暦3~4月における旧広島市域の生活と文化
―上巳の節句(3月3日)・こと追いなどを中心に人々の生活を知る―
第5回 旧暦5月における旧広島市域の生活と文化
―端午の節句(5月5日)・さねもりさまを中心に人々の生活を知る―
第6回 旧暦6月における旧広島市域の生活と文化①
―忘れ去られた嚴島神社と管絃祭―
第7回 旧暦6月における旧広島市域の生活と文化②
―広島城下における敬神行事:火振り・御供船―
第8回 旧暦6月における旧広島市域の生活と文化
―氷餅・国主棚・大祓を中心に人々の生活を知る―
第9回 旧暦7月における旧広島市域の生活と文化
―忘れられた七夕とお盆の関わりを知る―
第10回 旧暦8~9月における旧広島市域の生活と文化
―八朔・重陽の節句(9月9日)・乙九日を中心に人々の生活を知る―
第11回 旧暦10月における旧広島市域の生活と文化
―亥の子を中心に人々の生活を知る―
第12回 旧暦11~12月における旧広島市域の生活と文化
―川通り餅・針供養を中心に人々の生活を知る―
第13回 旧広島市域における説話・伝承①
―狸・狐・河童・妖怪・不思議な木の話など―
第14回 旧広島市域における説話・伝承②
―広島から伊勢にお札を受けに行った豚の話など―
第15回 まとめと分析
―「広島に関する諸文献」や「理論(聖なる天蓋など)」から広島の状況を分析する―
授業外学習の課題 講義中に参考にすべき書籍・ホームページ等を紹介します
履修上の注意事項 【1・対面授業実施時の注意事項】

★★★受講者は初回講義日までに「Google classroom」登録を済ませましょう★★★
①本講義は対面で実施予定ですが、新型コロナウイルス感染症の拡大状況によってはオンラインでの実施に移行します。
②「オンラインへ移行した際の移行をスムーズにするため」「コロナウイルス感染症対策のため」本講義は毎回の講義資料配布にあたり「Google classroom」を活用します。
③履修者が確定した段階で受講者全員に「Google classroom」のクラスコードを通知します。初回講義日までに「Google classroom」への登録を済ませておいてください。
④本講義は月曜01限開講です。講義資料は直前の土曜日08:00に「Google classroom」へアップロードします。各自、アップロードされたデータを出力して講義に出席してください。
⑤5・10回講義終了後に小課題を実施し、学期末に試験を実施する予定です。


【2・オンラインに移行した場合の注意事項】

★★★必ず「Google classroom」の登録を済ませましょう★★★
★★★講義日(月曜日)の09:00~12:00の間に「出席登録」をお願いします★★★
①「Google classroom」を使用します。
 1)「講義資料のアップロード」は講義日(月曜)の9:00を目途に行います。
 2)「出席確認」を当初の講義日(月曜)の09:00~12:00に行います。
 3)各種関連事項の連絡も講義日(月曜)の09:00に行います。
②講義期間中に「小課題」(5・10回講義終了時)、学期末に「課題レポート」を実施する予定です。
③1度アップロードした資料は容量不足等の事態が発生しない限り削除しません。また削除することになった場合は必ず事前に告知します。


【3・講義内容に関する注意事項】

①古文・漢文・くずし字等の専門知識は必要としません。
②「講義で話す内容(※ただし一部分)を文字起こししたプリント」をメインに使用します。
③理解を促すために関連映像を視聴することがあります。
④全15回の講義のうち10回以上の出席を評価対象とします。
成績評価の方法・基準 ①学期末レポートor試験(60%)……対面時は試験、オンライン時は学期末レポートを実施予定
②講義への取組み(40%)……………5・10回講義終了後に実施する小課題で評価します(状況により小課題の回数を変更したり実施を見合わせることがあります)
※全15回の講義のうち10回以上の出席を評価対象とします。
テキスト テキストは講義中に配布するプリントを使用します。購入する必要はありません。
参考文献 ①広島関係の文献
 本講義内容に関連する内容について現代日本語で容易に読めるものとしては、薄田太郎の『がんす
 横丁』『続がんす横丁』『続々がんす横丁』『がんす夜話』 (この4冊は全てたくみ出版 昭和48)がある。
②宗教を考える理論に関する本
 ■Emile Durkheim 訳:古野清人『宗教生活の原初形態(上)(下)』岩波文庫 昭和50
 ■ピーター・L. バーガー『聖なる天蓋』筑摩書房 平成30
 ■和辻哲郎『風土-人間学的考察』岩波書店 昭和54
 ■櫻井義秀・三木英編著『よくわかる宗教社会学』ミネルヴァ書房 平成19(令和02年に5刷)
主な関連科目 ヒロシマ文化論Ⅰ
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
①講義時間の前後(対面講義が実施されている場合)
②「Google classroom」のコメント(※非公開コメントを推奨します)
③「Google classroom」に記載してあるメールアドレス

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
人文学部人間関係学科心理学専攻(他学科及び他専攻科目) 2014~2016 2・3・4
人文学部人間関係学科社会学専攻(自専攻科目) 2014~2016 2・3・4