授業コード 50008000 クラス
科目名 生物情報と環境 単位数 2
担当者 髙橋 恭一 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 感覚と脳の生物学
授業の概要 科学技術の進歩と経済の発展は、一方で人間の生活に物質的な豊かさを提供してくれたが、他方で自然の破壊や環境の汚染という厄介な問題(環境問題)を生み、近年悪化の一途を辿っている。今、われわれがこの問題を解決しなければ、生物が安全に暮らせる地球は近い将来消失するに違いない。
本講義では、環境問題を理解し、この解決に向けて取り組むために必要な生物学の知識のなかで、特に『動物が環境変化を察知するしくみ』に焦点を合わせ、
(a) 動物に備わった感覚器
(b) 動物の感覚器の精度
(c) 感覚器における情報処理のしくみ
(d) 感覚器と中枢神経系(脳と脊髄)の連絡
(e) 中枢神経系における感覚情報処理のしくみ
などについて最近の研究成果を交えて解説する。
学習の到達目標 知識・理解の目標
環境関連分野の諸事象を理解するために必要な生物学の知識、特に動物に備わった感覚器と、その処理装置である脳の役割に関する基礎的・基本的事項について説明することができる。
思考・判断の目標
本講義のみならず新聞、雑誌やテレビなどで報道される医学・生物学関連のニュースなどを通じて、生命現象に潜む物理・化学的事象について理解し、生命維持に必要なしくみについて論理的に考えることができる。
関心・意欲の目標
身の回りの変化(四季に伴う変化や地域の開発に伴う変化など)とヒトの生活のかかわりについて興味・関心を持ち、周辺環境を積極的に調査(実地調査や文献調査など)し、この知識を周囲に発信することができる。
態度の目標
地球環境問題(地球温暖化、酸性雨や大気汚染など)の進行を阻止するため、環境負荷の少ない生活を実践することができる。そして、環境保護活動に積極的に参加することができる。
技能・表現の目標
医学・生物学に関する知識を、適切な術語(専門用語)を使用し、正しい日本語で論理的に表現することができる。
授業計画 第1回 講義ガイダンス、生物の成り立ち
第2回 感覚総論
第3回 細胞の機能
第4回 細胞膜の性質
第5回 味覚
第6回 嗅覚
第7回 視覚
第8回 聴覚と平衡感覚
第9回 皮膚感覚
第10回 神経細胞の機能Ⅰ ~神経細胞の形態~
第11回 神経細胞の機能Ⅱ ~神経細胞の機能~
第12回 シナプスの構造と機能
第13回 脳の構造
第14回 脳の機能分化
第15回 自律神経系による身体機能調節、内分泌器官の構造とホルモンの役割
授業外学習の課題 (a) 講義内容の復習・予習を行うため、講義ノートを作成する。
(b) 生物学辞典や医学辞典などを利用し、各回の講義で教授される生物学や医学の学術用語(術語)を調べ理解する。
(c) 講義内容を理解すると同時に、獲得した知識の定着を図るため、レポート課題に取り組む。
(d) Webシラバスにある参考文献を活用し、講義内容の理解に加え、講義内容を超えた広領域の知識獲得に努める。

(a)~(d)の授業外学習のため、最低60時間の取り組みが必要である。
履修上の注意事項 講義は、対面(第1回目~第5回目および第11回目~第14回目)と遠隔(第6回目~第10回目および第15回目)を併用する。
講義内容に連続性があるため、毎回出席が基本である。4回(第1回目の講義を含む)以上の欠席は認めない。
講義内容を説明するため、視覚教材(動画やアニメなど)を使用するが、この中には刺激的な内容が含まれることがある。
講義内容に関連するプリント(講義プリント)をMoodleに提示する(提示期間については、Moodleアナウンスメントで知らせる)。
講義中にクイズ(小テスト)を実施する。対面講義において、クイズの解答を記述する用紙(クイズ解答用紙)は、Moodleトピックに提示する。講義受講前にクイズ解答用紙を印刷し、持参する(用紙サイズなどについては、Moodleアナウンスメントで知らせる)。遠隔講義において、クイズおよび解答欄はMoodleトピックにクイズ(小テスト)として提示する。
レポート課題はMoodleトピックに提示する(レポート内容や提出期間・場所などはMoodleアナウンスメントで知らせる)。
成績評価の方法・基準 学習の到達目標の中で、特に「知識・理解」、「関心・意欲」そして「技能・表現」を中心に成績評価を行う。成績評価の方法は、講義中に実施するクイズ[小テスト](20%)と課題レポート(20%)および定期試験(60%)とする。単位の認定には、これらの評価を総合して60%以上のポイント獲得が必要である。クイズ[小テスト]と定期試験では講義内容(知識の正確さ)を理解しているか否か、そして課題レポートでは自分の周辺環境を把握しているのか否かを判定する。
定期試験を受けない場合、X評価とする。また、所定の出席に満たない場合にもX評価とする。
テキスト テキストは使用せず、講義プリントをMoodle配信する。
参考文献 細胞のはたらきがわかる本(伊藤明夫著;岩波書店)
人体機能生理学(杉 編著;南江堂)
標準生理学(本郷ら 編;医学書院)
現代の生物学(上下)(石川ら 訳;東京化学同人)
医科生物学(長野ら 編;理工学社)
医科生理学展望(星ら 共訳;丸善)
神経生物学入門(工藤 著;朝倉書店)
脳と神経(金子ら 著;共立出版)
生体はどのようにして情報を処理しているか(杉 著;理工学社)
みえる人体(佐藤ら 監訳;丸善)
感覚の地図帳(山内・鮎川 共著;講談社)
脳の地図帳(原 著;講談社)
神経生物学入門(工藤 著;朝倉書店)
動物の多様な生き方 1巻~5巻(日本比較生理生化学学会 編;共立出版)
シリーズ21世紀の動物科学 1巻~11巻(日本動物学会 監修;培風館)
いろんな感覚の世界(江口・蟻川 編;学会出版センター)
生体電気信号とはなにか(杉 著;講談社)
これでわかるニューロンの電気現象(酒井 著;共立出版)
モリス 生物学 生命のしくみ(八杉ら 訳;東京化学同人)
主な関連科目 生命のしくみ、教養講義(ヒトの生命科学)、総合教養講義b(生命情報論)
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
月曜日第1時限(09:00 ~ 10:30)をオフィスアワーとし、面談は第2研究棟1階ロビーで行う(面談希望者は、研究棟受付にある学内電話で連絡すること)。オフィスアワー以外は、随時、メール(Moodleメール)により質問・相談を受け付ける。

下記の方法で、クイズ、レポートと定期試験に対するフィードバックを実施する。
クイズ(小テスト)を実施した場合、実施回以後の講義で解説する。レポートと定期試験については、講評をMoodleアナウンスメントに提示する。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
人間環境学部人間環境学科(リテラシー形成科目) 2011~2016 1・2・3・4
人間環境学部人間環境学科(リテラシー形成科目) FHES12104 2017~2017 1・2・3・4
人間環境学部人間環境学科(基礎科目) FHES23121 2018~2021 2・3・4