授業コード 90701600 クラス
科目名 金融統計特殊研究 単位数 4
担当者 張 南 履修期 年間授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 金融経済の数量分析(The Quantitative Analysis of Financial Economy)
授業の概要  資金循環分析の沿革を整理した上で、経済循環と資金循環の関係を明らかにするため、まず、マクロ経済学の理論に基づき、国民経済計算体系(SNA)の基本構造と国民経済計算体系における資金循環勘定の位置付けに関する解明を行う。また、資金循環統計の基本的考え方、資金循環表の仕組みと見方及び、マネーサプライ統計と国際収支統計の関連付けを検討する。それらの理解を通じて、国民経済における通貨ないし資金の流れを観察して、「モノ」の経済と「カネ」の経済の関係、金融経済のフローとストックの関係、金融の国内面と対外面の関係及び、金融全体の仕組みと動きを明らかにすることをねらいとするものである。これらの分析を通じて、資金循環分析の体系的理論と計量分析の応用方法に焦点を当てて考えていきたい。
 また、国際資金循環の概念、統計的枠組み、国際資金循環統計の試作及び分析手法を検討する。国際資金循環は、世界経済という有機体における血液の流れのような存在である。それは、各国の経常収支不均衡がどのような国際資本移動によってファイナンスされているのかを表したものであり、また国際資本取引における各国の相互依存関係の特徴を表したものである。国際資金循環分析は、資金循環分析の対外資金フローに対する延長であり、国内の資金の流れから国際的資金フローへの分析視野の展開である。
学習の到達目標 本研究指導は、世界経済発展の必要性と資金循環分析理論の体系化を念頭に入れ、国際資金循環の実際と結び付けて、国際資金循環の理論構造と分析体系を検討して、博士論文の作成を目指す。
授業計画 第1回 広義金融市場構造
第2回 金融通貨統計の見方
第3回 SNAと資金循環勘定
第4回 資金循環統計の取引項目
第5回 資金循環統計の部門分類
第6回 資金循環分析の理論
第7回 資金循環分析の枠組み
第8回 国際収支分析の理論
第9回 国際収支統計とBPM6
第10回 国際収支分析の理論と枠組み
第11回 中間のまとめ
第12回 金融連関表の作成:部門と取引項目の再編成
第13回 金融連関表の作成:R表とE表の作成
第14回 金融連関表の作成:U表とV表とX表とY表の作成
第15回 金融連関表作成のまとめ
第16回 資金需要の波及分析:レオンティエフ逆行列
第17回 資金需要の波及分析:制度部門による波及分析
第18回 資金需要の波及分析:金融商品による波及分析
第19回 金融リストと対外資金循環分析
第20回 国際資金循環の統計体系
第21回 国際循環統計のデータソース
第22回 国際循環統計マトリックス
第23回 国際資金循環分析手法
第24回 国際資金循環構造の序列分析
第25回 国際資金需要の波及分析
第26回 国際資金循環構造の序列分析
第27回 国際資金循環構造の安定性分析
第28回 国際資金需要伝播の非対称性に関するパネルデータの推計
第29回 国際資金需要伝播の非対称性に関するパネルデータの分析
第30回 全体のまとめ
授業外学習の課題 計量モデルの作成
SASやEViewsなどの統計処理ソフトの使用
履修上の注意事項 特にないですが、一緒に議論して一緒に勉強しましょう。

【修正】第14回目の講義については、確認テスト(60分)及び試験の解説などのフィードバック(30)とする。
成績評価の方法・基準 研究発表50%、レポート50%で評価する。
テキスト 張南『国際資金循環分析の理論と展開』ミネルヴァ書房
参考文献 1.張南 『資金循環分析の理論と応用』ミネルウア書房
2.石田定夫『日本経済の資金循環』東洋経済新報社
3.辻村和佑・溝下雅子『資金循環分析-基礎技法と政策評価』慶応義塾大学出版会
4.筒井義郎『金融分析の最先端』東洋経済新報社
5.Jacob Cohen The Flow of Funds in Theory And Practice
Kluwer Academic Publishers
主な関連科目 計量経済学研究Ⅰ・Ⅱ、金融システム論研究Ⅰ・Ⅱ、証券市場論研究Ⅰ・Ⅱ
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
質問・相談があれば、授業後にも聞いてください。
或いは、以下の時間と場所へ来て下さい。
時間:毎週金曜日16:30時から17:30時まで
場所:第2研究棟408室

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
経済科学研究科D現代経済システム専攻 2020~2020 1・2・3