授業コード 70011300 クラス
科目名 地方自治法 単位数 2
担当者 川本 達志 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 地方自治法
授業の概要  地方自治とは、国の一定領域を地方団体に区分し、中央政府とは別の主体である地方政府が、これを統治することをいいます。この統治機能は「団体自治」と「住民自治」にわけられます。前者の団体自治とは、地方の運営はその地方に国とは別の独立した、自治権を持つ地方統治機構により行われるべきという概念であり、後者の住民自治とは、地方の運営はその地方の住民の意思によって行われるべきという概念です。
 地方自治法は、この二つの機能を具体的な制度に落とし込んだ法律で、地方自治行政の基礎になるものです。
 この授業では、実際に起こった事案に具体的に地方自治法の適用を考えて進めます。
 地域課題の解決のための最低限のルールを理解することで、自治体行政の役割、住民と自治体の関係性、議会の役割と限界、首長の力の源泉などを理解していきます。併せて、実体的な自治体経営についても財政制度などを通じて学びます。

実務経験内容:広島県庁と廿日市市役所(副市長)にて、基礎自治体行財政指導、人事制度管理、予算編成、財政健全化計画策定、争訟事務、協働のまちづくり条例制定など
学習の到達目標  地方自治体の全体像を把握し、日常生活の課題について、地方自治体がどのような体制で解決に向けて活動しているのか、その活動が有効に行われる構造になっているか、またそのチェックは誰がどのように行っているのか、若い世代の自治への関心の薄さはどこから来るのかなどの問題意識を持てるようにします。
授業計画 第1回 はじめに
①自己紹介(経歴等)
②地方自治体の役割、責務
③戦前の自治体制度と地方自治法
第2回 日本国憲法と地方自治法
①地方自治の本旨(団体自治と住民自治)
②地方自治法の目的と概要(住民福祉の増進、普通地方公共団体、特別地方公共団体)
第3回 地方制度改革の編成と未来
①地方分権改革の経過と現在
②地方制度調査会の中間報告
第4回 住民自治
①住民(外国人住民の参政権)
②住民参加の仕組み(直接請求)
③住民監査請求と住民訴訟
④住民投票条例
第5回 二元代表制における議会
①議会の組織と運営(定数、運営の仕組)
②議員の位置づけと選挙
③議員の権利、義務と責任
④議会改革と議会基本条例
第6回 二元代表制における首長
①首長と行政委員会
②首長の権限
③首長と議会との関係
第7回 地方財政の役割と仕組(財政民主主義)
①予算の原則(総計予算主義、事前議決の原則、単年度予算の原則)
②決算報告と審査、承認
③予算の修正
④会計のあり方
⑤財産の種類と管理
第8回 地方財政の役割と仕組(地方交付税法と地財計画)
①地方交付税制度(ナショナルミニマムと地方交付税制度)
②国と地方の財源配分(地方財政計画と臨時財政対策債)
③地方の財政状況(夕張市の破綻と地方公共団体の財政の健全化に関する法律)
第9回 地方公務員の身分と給与
①基本理念(全体の奉仕者、メリットシステム)
②任用と給与(懲戒・分限と給与勧告制度)
③服務義務と労働基本権(政治的行為の制限、労働基本権の制約と保障)
第10回 公の施設と指定管理者制度
①公の施設の建設と管理(財源と「公共施設等総合管理計画」及び「立地適正化計画」)
②指定管理者制度の課題(効率的施設運営と公益)
第11回 自治立法権
①条例をめぐる法律問題(判例を中心に)
②地方創生と条例(条例の多様化)
第12回 市町村合併と広域行政
①様々な広域行政の手法(一部事務組合、定住自立圏、連携中枢都市圏)
②市町村合併の功罪(効率的自治体運営と住民自治のバランス)
第13回 自治体運営(広島県OBをゲストスピーカーに迎えて自治体運営の実際、国と県の関係、市町村との関係など講演)
第14回 普通地方公共団体に対する国または都道府県の関与
①関与の意義
②関与の基本原則
③法定受託事務に係る処理基準
④関与の手続
第15回 まとめ
①地方分権改革の要点
②これからの地方自治体(地方自治発展のために)
授業外学習の課題 参考文献の中から1冊読んでおいてください。
履修上の注意事項 地方自治法は、地方自治体運営の基本法なので、公務員志望の学生は必修です。法律の解釈にとどまらず、現在の自治体運営の課題も実例を上げながら考えます。

地域の日常生活と地方自治体の活動が密接に関係していることを理解するとともに、公務員志望の者にとっては、時分が属しようとしている組織がどのような活動をしているかをあらかじめ知ることができます。

ミニッツペーパーは、授業開始時に配付します。この提出をもって出席の確認とします。

【対面授業】有 【非対面授業】無

<非対面授業に変更になった場合> 
  同時双方向:有、オンデマンド:無、課題研究:無

<欠席時の連絡方法>
事前に kawamoto79645@yahoo.co.jp にメールにて連絡すること。
成績評価の方法・基準 ミニッツペーパー15回各2点計30点、定期試験70点
<非対面授業に変更になった場合>
【期末試験】無
 前半終了時(第7回授業)に課題を出すので、レポートを提出30点
 授業終了後の課題レポート提出70点
テキスト 授業ではレジュメ等を、メール又はMoodleにてあらかじめ配布します。

非対面授業に変更になった場合も同様です。
参考文献 「地方自治法概論」(宇賀勝也著 有斐閣)
「地方自治のしくみと法」(岡田正則他著 自治体研究社)
「基礎から学ぶ入門 地方自治法」(松村享著 ぎょうせい)
「地方自治の基礎」(藤井浩司他著 一藝社)
主な関連科目 憲法
行政法
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業終了後に質問に答えます。
また、ミニッツペーパーで書かれた質問には次回の授業の冒頭で答えます。
試験の講評をインターネット上で行うことによりフィードバックを行う。
<非対面授業になった場合>
メールによる質問に答えます。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
国際コミュニティ学部地域行政学科(法律領域) FGRA20603 2018~2020 2・3・4