授業コード 70008800 クラス
科目名 政治文化論 単位数 2
担当者 中道 壽一 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 政治文化の比較研究
授業の概要 本講義は、これまで「国民性」や「政治意識」と呼ばれていたものを「政治文化」ととらえ、政治社会における政治制度を支える「政治文化」の役割に焦点を当てることにより、政治制度の現実的機能について比較検討することを目的としています。今年度は、まず東欧革命を手がかりに、政治文化の変化と政治システムの変動との関係を考察し、次に戦間期の政治システムの変化を危機の政治思想やファシズムの政治思想との関連で取り上げ、その背後にある政治文化、とりわけ日独の政治文化を比較してみます。また、環境問題などを対象とした、いわゆるポスト・モダンの政治思想を取り上げながら、今後の新しい政治のあり方、新しい政治文化について模索してみたいと考えています。
学習の到達目標  本講義では、人々が意識的、無意識的に前提としている政治文化を、各自が拘束されている現実的な政治的条件の一部として認識するとともに、政治文化の機能をしっかり理解することによって、各自が政治の中の主体であるという自覚を持ち、現実政治に関して責任ある判断が下せるようになることを目指しています。
授業計画 第1回 政治文化とは何か・・政治と文化、政治的社会化、政治制度と政治文化
第2回 政治文化と政治システムの変動との関連について・・東欧革命、民主化、市民社会
第3回 民主主義体制の崩壊と政治文化について・・総力戦、民主主義、大衆文化
第4回 ワイマル共和制の理念と現実・・ワイマル憲法、基本的権力関係、ワイマル文化
第5回 政治制度の諸問題・・政党制、主要政党の特徴、比例代表制、大統領内閣制
第6回 議会制民主主義の危機と大統領独裁・・指導者民主主義、M・ウェーバー、C・シュミット
第7回 ナチズムの思想、運動、体制・・イデオロギー、プロパガンダ、強制的同質化
第8回 文化的絶望の政治について・・文化ペシミズム、ラガルド、ラングベーン、メラー
第9回 ドイツ統一と民族問題・・憲法愛国主義、過去の克服、ナショナリズム
第10回 近代批判の思想について(1)・・満洲、大東亜共栄圏、近代の超克、歴史意識
第11回 近代批判の思想について(2)・・未完のプロジェクト、啓蒙の弁証法、否定の弁証法
第12回 国民国家のゆらぎ・・国民国家の虚構性、ポスト国民国家、異質性と多様性
第13回 自然との共生・・環境倫理学、コモンズの原理、人間中心主義からの脱却
政治文化の比較について・・新しい政治の在り方を求めて
第14回 まとめ・・テストを含め、政治文化全体に関するまとめ
第15回 まとめ・・講義内容全体に関する課題レポートの提出
授業外学習の課題 事前に、当日講義予定のテキスト該当箇所を読んでおくこと。また、毎回、講義用レジュメ(講義内容をまとめたもの)を配布しますので、当日講義予定箇所を読んでおくこと(少なくとも1時間程度)。
履修上の注意事項 国内外の政治関連ニュースを読んだり見たりしておいてください。
多くの情報を持っていれば、それだけ講義の内容に興味を持つようになります。
また、多くの講義レジュメを配布しますので、紛失しないようにファイルし、毎回の講義に持参してください。

今年度は、グループ討論を取りやめ、最後に、講義内容に関する課題レポートを提出してもらいますので、毎回の講義内容を確認しておいてください。

(状況に変化によって、オンライン講義に移行することがありますので、ご留意ください)
成績評価の方法・基準 成績は、下記のような配分で、総合評価します。
毎回の授業への取り組み(コミュニケーション・カード)  20%
小テスト      10%
課題レポート    20%
定期試験      50%
テキスト 中道『政治思想のデッサン』(ミネルヴァ書房)
参考文献 参考文献は毎回、講義中に提示します。
主な関連科目 政治理論、民主主義論、政策構想論
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
基本的には、講義終了後の休み時間。
また、オフィスアワーを木曜日午後に設定しますので、事前にメールで予約してください。
定期試験の全体評価および講義に関する講評をインターネット上で行うことによりフィードバックを行います。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
国際コミュニティ学部地域行政学科(政治領域) FGRA30302 2018~2020 3・4