授業コード 50022300 クラス
科目名 水環境の生活化学 単位数 2
担当者 川村 邦男 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 水環境の生活化学 Chemistry for Daily Life and Water Environments
授業の概要 社会問題は様々な分野で拡大していますが、国民は有効な声をあげることができません。その原因の一つは、自然科学の基礎知識が十分ではないことにあります。環境問題を理解し、有効な対策を実践するためには、自然科学の基礎は不可欠です。この科目では生活をとりまく「水」について、資源・化学・環境保全・製造・消費・リサイクルという観点から、変遷と現状を講義します。ヒトの体の約60%は水であり生命を構成する最も重要な物質です。同時に、文明社会を営むためにもは大量の水が必要です。いま我々は安全な水をふんだんに使うことができますが、これは自然環境に恵まれ、莫大なエネルギーを使うとともに様々な技術・政策の発展があったからです。ここに至るまでには様々な公害事件が発生し、水環境破壊を解決するために市民と行政が一体となった活動がありました。これらについて学びます。
学習の到達目標 ①水をキーワードとして、身近な環境問題を自然科学的な視点から理解し、水の関わる環境問題を化学などの自然科学的用語を用いて説明できる。
②水に関連する身近な環境問題に対する関心と高い意識を身につけ、水製造・水処理技術や水の関わる公害問題・環境問題の概要・経緯を説明できる。
③発表・議論・質疑応答の技術および、考えを要約する技術を身につけ、水にまつわる環境問題に対する考えなどを口頭および文章で説明できる。
授業計画 第1回 ガイダンス・我々はなぜ水を必要とするか
第2回 水の成因
第3回 水の性質Ⅰ(構造・氷・水)
第4回 水の性質Ⅱ(水蒸気・水溶液・コロイド)
第5回 水の汚れを表す方法(BOD・COD・生物学的水質階級)
第6回 水道水の水質基準と関連する公害問題Ⅰ(大腸菌・pH・濁度・硬度)
第7回 水道水の水質基準と関連する公害問題Ⅱ(水銀・カドミウム)
第8回 水道水の水質基準と関連する公害問題Ⅲ(ヒ素・鉛・浄水器)
第9回 水域の水環境Ⅰ(湖沼・河川①)
第10回 水域の水環境Ⅱ(河川②・海)
第11回 合成洗剤とセッケンⅠ(合成洗剤の害毒・合成洗剤追放運動)
第12回 合成洗剤とセッケンⅡ(洗浄力・化学的性質・環境への影響)
第13回 水をきれいにする方法Ⅰ(水道水の製造方法)
第14回 水をきれいにする方法Ⅱ(下水処理)
第15回 微生物および廃棄物処理
授業外学習の課題 履修期間には生活に身近な環境を、化学を中心とする自然科学的視点で眺めることを心がける。疑問に感じたことを、授業やオフィスアワーで質問することが必要である。各自に課題を割り当て、プレゼンテーションを行い、討論に参加する形式で授業を行うので準備を必要とする。
履修上の注意事項 この科目を履修するためには基礎科目「環境科学の基礎」が履修前提科目となっているので予め履修しておくこと。ただし、2017年度生以前の学生には適用されない。
化学的視点から環境問題を学習することが中心なので、基礎科目として化学または関連する教科を履修しているべきである。暗記中心・知識偏重ではなく、身近な化学物質や生活物資が生活環境に大きな影響を与えているという視点で学んで下さい。ノートをとり、分からないことはその授業時間内に理解するよう積極的に質問して下さい。オンライン授業のため、質問の機会を設定するので、積極的に質問すること。
非対面授業(オンデマンド)で全授業を行う。
成績評価の方法・基準 【期末試験】無
授業中に行う作業・質問、授業前の課題、小テスト、提出物、および3回の中間テストを評価し、全体で60%以上のポイントを獲得した者に単位を認定する。毎回の小テストおよび中間テストは全体の評価に対して、おおむね50%とする。
テキスト 使用しない。
参考文献 藤田四三雄、園欣弥 (著)「水と生活(水の生活科学)」、槇書店、1982年。藤田四三雄(著)「水と生活(水の生活科学)」、槇書店、1982年。
主な関連科目 化学、環境科学の基礎
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
質問・相談への対応:フィードバックを適宜行い、質問などを受け付けるので活用して下さい。その他、自然科学・理科全般に関する質問を受け付けますので相談して下さい。
フィードバックの方法:授業内の課題と小テストは授業期間内に解説をする。第3回の中間テストの解説は,15回目授業の終了後に行う。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
人間環境学部人間環境学科(発展科目) FHES35110 2018~2020 3・4