授業コード | 20047900 | クラス | |
科目名 | 性現象論演習B(理論) | 単位数 | 2 |
担当者 | 河口 和也 | 履修期 | 後期授業 |
カリキュラム | *下表参考 | 配当年次 | *下表参考 |
授業題目 | 現代日本におけるクィア・スタディーズ Queer Studies in Contemporary Japan |
授業の概要 | 「クィア・スタディーズ」は、比較的新しく形成されたジェンダー/セクシュアリティを考察する学問分野です。歴史的には、セクソロジー研究や「病理」としての同性愛研究にさかのぼることもできますが、一般的にはフェミニズムの影響を受けつつ、レズビアン/ゲイ・スタディーズの研究蓄積や枠組みを批判的に問い直すところから始まっています。 この講義では、クィア・スタディーズを学ぶにあたり、必要とされる基本的な概念やその枠組みを概説していきます。そこには、セックス/ジェンダー/セクシュアリティのとらえ方、異性愛と同性愛、トランスジェンダーや性同一性障害というカテゴリー、ホモフォビアやヘテロセクシズムという構造やイデオロギー、カミングアウトの実践やクローゼット、ホモソーシャリティという概念などが含まれます。ここでは、概念を説明する際の事例として、できる限り日本で生起したケースを取り上げ、受講生のみなさんに、これまで学問として考える機会があまりなかったであろう諸問題について、身近に考えてもらうようにします。 また、後半部分では、日本社会で起きた、あるいは進行中のセクシュアリティをめぐる諸問題について取り上げます。同性愛者差別事件をめぐる裁判事例、近年テレビなどを通じて可視化されるようになったオネエタレント、クィア映画、同性婚の事例やクィア家族の諸問題、クィアの労働問題などに触れながら、実際に現代日本の社会において生じている現実や諸問題をクィア的な視点から論じていきます。 |
学習の到達目標 | 基本的なセクシュアリティをめぐる概念について理解し、新たな見方ができるようになることですが、さらに個人の研究や将来の人生や仕事のなかで、ここで得た考え方を活用できるようにする。 |
授業計画 | 第1回 | イントロダクション―「クィア」とは? |
第2回 | セックス/ジェンダー/セクシュアリティ | |
第3回 | 同性愛/異性愛のポリティクス | |
第4回 | 異性愛の無意識 | |
第5回 | 「心の性」「からだの性」とは何か?―性同一性障害の社会学Ⅰ | |
第6回 | 「心の性」「からだの性」とは何か?―性同一性障害の社会学Ⅱ | |
第7回 | ホモフォビアとヘテロセクシズム | |
第8回 | カミングアウト/クローゼット | |
第9回 | ホモソーシャリティという考え方 | |
第10回 | セクシュアリティをめぐる法の言葉―同性愛者差別事件を分析する | |
第11回 | クィア/セクシュアリティの表象Ⅰ | |
第12回 | クィア/セクシュアリティの表象Ⅱ | |
第13回 | クィアと家庭 | |
第14回 | クィアと仕事 | |
第15回 | 第2回から第14回までのまとめ |
授業外学習の課題 | 報告分担に当たっている場合は、レジュメを作成し、準備しておく。また、受講生全員が購読文献は必ず読み、事前に授業における議論参加のための準備をしておくこと。授業前後に1時間程度の学習をすることが望ましい。 |
履修上の注意事項 | 【対面授業】有 この授業は演習形式であるので、参加者の報告が中心となる。したがって、遅刻や欠席等は他の履修者にも迷惑をかけるので、十分注意すること。また、報告者はレジュメを作成し、報告をすることになるが、他の参加者は、そうした報告に基づき議論を行うので、報告者以外でも文献の該当箇所は必ず読み内容を理解しておくこと。 資料やレジュメ等はMoodleにより配布することがありますので、毎回授業の前には確認してください。 |
成績評価の方法・基準 | 授業中の取り組み(60%)と期末レポート(40%)により総合的に評価する。 |
テキスト | 風間孝・河口和也 2010 『同性愛と異性愛』 岩波書店 |
参考文献 | 授業中に適宜指示する |
主な関連科目 | 性現象論、クィア・スタディーズ、性現象論演習 |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
質問や相談等については、授業中でも、授業終了時に対面で対応します。また、日常的にはメールにより対応します。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 |
人文学部人間関係学科社会学専攻(自専攻科目) | - | 2011~2016 | 2・3・4 |