授業コード 20039400 クラス
科目名 英米の言語文化Ⅱ(イギリスの小説) 単位数 2
担当者 市川 薫 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 イギリスの小説 British Novels
授業の概要 この授業では「イギリスの小説」の中から、以下の作品を中心に紹介、解説する。それらはすべて、英語を学ぶ者にとって少なくとも作者と作品名、そして粗筋ぐらいは知っていないと恥ずかしい作品(つまりcanon)ばかりである。授業はMoodleを用いてオンデマンドで行う。

A群:『ロビンソン・クルーソー』『ガリバー旅行記』『オトランドの城』
B群:『自負と偏見』『多いなる遺産』『ジェイン・エア』『嵐が丘』
C群:『テス』『ドリアン・グレイの画像』
D群:『息子と恋人』『ダロウェイ夫人』『インドへの道』『日の名残り』

A・B群からひと作品、C・D群からひと作品を択んでレポートを書くことを求める。また、毎回、予習課題を提出することを求めるので、しっかり準備してほしい。より詳細なスケジュールについては1回目の授業の時に示す。
学習の到達目標 <知識・理解>
(1)授業で取り上げる作者と作品について概略を述べられること。
(2)授業で読む英語について、英文和訳ができること。
<思考・判断>
小説を鑑賞する為の、基本的な視座を身につけ、論じることができるようになること。
<関心・意欲>
しっかりとした予習をおこない、それに基づいて活発に意見を発表できるようになること。
授業計画 第1回 (1)小説とはどのような文学ジャンルか
  講義概要説明、「小説」を読むときの留意事項
第2回 (2)近代小説の誕生―ロビンソンとガリヴァー
第3回 (3)近代小説の誕生―主人公はなぜ「外」へ出ていくのか(2)
   *Daniel Defoe, Robinson Crusoe (1719) 作品解釈
第4回 (4)「ゴシック小説」から「偉大な伝統」へ、
   *Jane Austen, Pride and Prejudice (1813) 冒頭部分の読解。
第5回 (5)「外」から「内」へ、結婚」というテーマ(1)
   *Jane Austen, Pride and Prejudice (1813) 作品解釈。
第6回 (6)Pride and Prejudiceをどう読むか(ビデオ資料参照)
第7回 (7)ストーリーの定番=「教養小説」(1)、大英帝国の光と影
   *Charles Dickens, Great Expectations (1860-61) 冒頭部分の読解。
第8回 (8)ストーリーの定番ー「教養小説」(2)、大英帝国の光と影
   *Charles Dickens, Great Expectations (1860-61) 作品解釈。
第9回 (9)ご都合主義はどこまで許される?-「女の子」小説のすごさ(1) 
   *Charlotte Bronte, Jane Eyre(1847) 冒頭部分の読解
第10回 (10)ご都合主義はどこまで許される?-「女の子」小説のすごさ(2)
   *Charlotte Bronte, Jane Eyre(1847)作品解釈
第11回 (11)イギリス小説の「突然変異」
   *Emily Bronte, Wuthering Heights (1847) ノヴェルとロマンス(冒頭部分の読解を含む)。
第12回 (12)なぜ幸せになれないの、わたしが悪いの?―英国の陰り(1)
   *Thomas Hardy,Tess of the D'Urbervilles(1891)冒頭文の読解。
   *第1回レポート提出。
第13回 (13)なぜ幸せになれないの、わたしが悪いの?―英国の陰り(2)
   *Thomas Hardy,Tess of the D'Urbervilles 作品解釈。
第14回 (14)芸術のための芸術?
   * Oscar Wilde, The Picture of Dorian Gray
   * 第1回レポートの返却及び講評。
第15回 (15)20世紀の小説家たち 
   *後半は全体のレヴュー。
授業外学習の課題 予習・復習には最低でも2時間は必要。また、以下の作品をできる限り多く読むこと。
Daniel Defoe, Robinson Crusoe
Jonathan Swift, Gulliver's Travels
Jane Austen, Pride and Prejudice
Mary Shelley, Frankenstein
Charlotte Bronte, Jane Eyre
Emily Bronte, Wuthering Heights (『嵐が丘』)
Charles Dickens, Great Expectatios (『大いなる遺産』)
Thomas Hardy, Tess of the D'Urbervilles (『テス』)
Oscar Wilde, The Picture of Dorian Gray
E.M.Forster, Howards End
D.H.Lawrence, Sons and Lovers(『息子と恋人』)
James Joyce, A Portrait of the Artist as a Young Man (『若き芸術家の肖像』)
Virginia Woolf, Mrs Dalloway
William Golding, Lord of the Flies (『蠅の王』)
Margaret Drabble, The Millstone (『碾臼』)
Ian McEwan, Amserdam (『アムステルダム』)
Kazuo Ishiguro, The Remains of the Day (日の名残り』)
履修上の注意事項 (1)各小説の冒頭部分の英語をしっかりと読むこと。いずれも翻訳のある作品ばかりなので、それらを積極的に活用することを勧める。そして、その冒頭部分にどんなことが書かれているか、細かいことも含め徹底的に吟味すること。
(2)授業を通して、何にこだわった結果、何が見えてきたか、をしっかりつかむこと。
(3)レポートを書くこと。
(4)レポート、学期末テスト、すべてを提出あるいは受験すること。授業には積極的に参加し、質問に対しては臆することなく答えること。一時間目の授業であるし、課題もあるし、試験も行う。いい加減な気持ちでは単位取得は不可能であることをあらかじめ述べておく。
(5)いかなる理由があっても欠席は4回までとする。
  (病気、交通機関の乱れ、冠婚葬祭等、一切の事情を含める。)

【対面】無 【非対面】有
成績評価の方法・基準 <知識・理解>
①英語読解:予習課題に反映
②作家と作品に関する知識テスト:レポート及び予習課題に反映
<思考・判断>
レポート:60点(第1回20点、第2回40点)
<関心・意欲>
予習課題:40点
テキスト 特に使用せず、随時プリントを用意する。したがって欠席すると授業についてこられなくなる。
参考文献 参考書・参考資料等
随時紹介するが、とりあえず下記の書物によってイギリス小説の歴史的流れを予習しておくことを進める。
川口喬一、『イギリス小説入門』、研究社
また、小説の読み方を知る一助として、
平野啓一郎、『スロー・リーディングの実践』、『小説の読み方』、いずれもPHP選書588
トーマス・C・フォースター、『大学教授のように小説を読む方法』、白水社
林文代、『英米小説の読み方・楽しみ方』、岩波書店
を読んでおくとよい。
また、レポートの書き方については以下の書物を参考にすること。
河野哲也『レポート・論文の書き方入門第3販』、慶應義塾大学出版会
主な関連科目 イギリスの歴史と文化IからⅣ
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
Moodleを利用するので、有効活用してほしい。レポートについては返却する際に講評する。試験についてはMoodleを用いてフィードバックする予定。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
人文学部英語英文学科(専攻科目) 2014~2016 2・3・4
人文学部英語英文学科(英米の文化・文学) FHEN30201 2017~2020 2・3・4