授業コード 00037700 クラス
科目名 総合教養講義a(科学史) 単位数 2
担当者 宮川 卓也 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 西欧科学史(History of Science in the Western World)
授業の概要 現代社会に生きるわれわれのもつ科学や自然観は、ある日突然生まれたものではない。数千年の時を経て、様々な時代と地域で育まれた思想が交わり、混じり合い、あるいは衝突を繰り返しながら現代に至っている。科学の思想的な側面や社会的背景は、ともすると忘れられがちだが、現代の科学技術に関する問題を理解する上でも、人々の科学思想、自然観などを考えることは重要である。科学とは常に社会の中で人間によって営まれる文化的活動だからだ。
本講義は、一般的な西欧科学史叙述の出発点とされる古代ギリシャから、科学の歴史における大きな転換点とされる16-17世紀科学革命にいたるまで、社会の中の科学、文化としての科学、思想としての科学の歴史的変遷を通観する。
授業はすべてオンライン(動画配信)で進める。
学習の到達目標 科学の社会的、文化的、思想的変遷、形成過程を古代から概観し、文化や思想としての科学への理解を深めることを目標とする。講義で取り上げる科学史に関する数多くの論点を通じて、自然・人間・社会を幅広く俯瞰する能力を涵養し、現代社会における科学技術について論理的・批判的に思考できるようになることを目標とする。
授業計画 第1回 イントロダクション:科学史とは何か、科学史を学ぶ目的など本講義の目的や射程、問題意識、基本方針を説明する。
第2回 第2回 古代ギリシャの科学と思想(1):一般的な西欧科学史叙述の出発点となる古代ギリシャにおける自然についての思索とはどのようなものだったのか、なぜ古代ギリシャが「科学」の起源とされるのか、古代ギリシャの人々は身の回りの自然について何をどう考えたのか検討する。
第3回 古代ギリシャの科学と思想(2) 変化の問題:ものが変化するとはどういうことなのか。パルメニデスやゼノンは何を問題としていたのか理解する。
第4回 古代ギリシャの科学と思想(3) プラトン:自然思想・科学に関して古代ギリシャでもっとも重要な足跡を残した思想家を概観する。
第5回 古代ギリシャの科学と思想(4) アリストテレス:自然思想に科学に関して古代ギリシャでもっとも重要な足跡を残した思想家を概観する。
第6回 ヘレニズムの科学と思想:古代ギリシャで育まれた自然に関する思索・探求は、その後の時代にどのように受け継がれたのか、あるいは受け継がれなかったのか。後世に強い影響を及ぼしたプトレマイオスの天文学・宇宙論とはどのようなものだったのか考察する。
第7回 ローマ帝国、初期キリスト教の科学と思想:古代ギリシャの時代から約500年、キリスト教が生まれるころの自然思想はどのような変化を経たのか。初期キリスト教の指導者たちは聖書とギリシャ自然学をどう整合させようとしたのか考える。
第8回 アラビアの科学と思想:地中海世界の覇権を握ったアラブ・イスラム世界では自然の思索がどのように行われたのか。その特徴とは何か概観する。
第9回 中世ルネサンスの科学と社会(1):「暗黒時代」と形容されることの多い中世ヨーロッパ社会は、はたして本当に「暗黒」だったのか。長い中世において、キリスト教会や知識人たちは自然についてどのように考えていたのか、また中世後期にはどのような変化が見られたのか追いかける。
第10回 中世ルネサンスの科学と社会(2):中世後期からルネサンス期は、そのあとに続く「科学革命」を呼び起こす重大な変化がいくつも起こっていた。それはどんな変化なのか、なぜそのような変化の兆しが起こり始めたのか検討する。
第11回 科学革命(0): 17世紀科学革命とは何か、なぜ起こったのか、その社会的的背景と歴史的意義を考える。
第12回 科学革命(1)天文学:コペルニクスの宇宙論とはどういうものだったのか、どのような意義があったのか、なにが「革命的」なのか考える。
第13回 科学革命(2) 魔術から科学へ:「魔術」とは何か、魔術が科学や人々の自然観、キリスト教とどのように関係するのか考察する。
第14回 科学革命(3)科学と宗教:有名なガリレオ裁判を中心に、科学と宗教(キリスト教)の関係はどのように変化しつつあったのか概観する。
第15回 科学革命(4) ニュートン:17世紀科学革命の集大成とされるニュートンが成したこととはなんだったのか考える。
授業外学習の課題 講義の前日までにWEB上で公開するシラバスに目を通しておくこと。毎回の問いについて復習すること。
履修上の注意事項 (1) 前提知識を必要としないが、本講義では古代や中世ヨーロッパの自然観、科学をとりまく社会状況に多くの時間を割く。それを理解するには「想像力」が必要である。現代の常識ではなく、当時の常識に立って科学と歴史について考えてほしい。
(2) 高校世界史の教科書の古代〜中世ヨーロッパ に関する項目に目を通しておくことを勧める。
(3) 積極的に講義に参加する姿勢を期待する。特にマイクを向けられた際には、自身の考えを言葉にするよう努力することを期待する。
(4) 大人の分別をもって授業に臨むことを期待する。
成績評価の方法・基準 小テスト(10%x5回)、期末試験(50%)で評価する。期末試験は論述問題をレポート形式で出題する。
テキスト
参考文献 G.E.R.ロイド『初期ギリシア科学』法政大学出版局、1994年
G.E.R.ロイド『後期ギリシア科学』法政大学出版局、2000年
E.グラント『中世の自然学』みすず書房、1982年
伊藤俊太郎『近代科学の源流』中公文庫、2007年
伊藤俊太郎ほか『思想史のなかの科学』平凡社ライブラリー、2002年
橋本毅彦『<科学の発想>をたずねて』左右社、2010年
吉見俊哉『大学とは何か』岩波新書、2011年
主な関連科目 「科学技術社会論」
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
原則的に火曜日3限とするが、必ず事前にアポをとること。それ以外の日・時間を希望する場合は応相談。
質問は常時受け付ける。
期末試験についての講評はMoodle上にて行う。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
商学部商学科(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
商学部商学科(教養科目) WGEL13414 2017~2020 1・2・3・4
商学部経営学科(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
商学部経営学科(教養科目) WGEL13414 2017~2020 1・2・3・4
経済科学部現代経済学科(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
経済科学部現代経済学科(教養科目) WGEL13414 2017~2020 1・2・3・4
経済科学部経済情報学科(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
経済科学部経済情報学科(教養科目) WGEL13414 2017~2020 1・2・3・4
人文学部人間関係学科心理学専攻(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
人文学部人間関係学科社会学専攻(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
人文学部人間関係学科社会学専攻(教養科目) WGEL13414 2017~2020 1・2・3・4
人文学部人間関係学科教育学専攻(教養科目) 2008~2015 1・2・3・4
人文学部教育学科(教養科目) WGEL13414 2016~2020 1・2・3・4
人文学部英語英文学科(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
人文学部英語英文学科(教養科目) WGEL13414 2017~2020 1・2・3・4
法学部法律学科(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
法学部法律学科(教養科目) WGEL13414 2017~2020 1・2・3・4
法学部国際政治学科(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
法学部国際政治学科(教養科目) WGEL13414 2017~2017 1・2・3・4
人間環境学部人間環境学科(教養科目) 2008~2016 1・2・3・4
人間環境学部人間環境学科(教養科目) WGEL13414 2017~2020 1・2・3・4