授業コード | 90507001 | クラス | 01 |
科目名 | 研究指導(経済法研究) | 単位数 | 2 |
担当者 | 伊永 大輔 | 履修期 | 前期授業 |
カリキュラム | *下表参考 | 配当年次 | *下表参考 |
授業題目 | 修士論文(Master Thesis)を作成する |
授業の概要 | 判例法による法体系を前提としない我が国においても、判例をはじめとする事例の蓄積は、法解釈学において重要な位置を占める。特に、複雑かつ多様な経済実態を対象とする経済法においては、個別具体的な事例に対する事実認定や法適用を学ぶことが必須といえる。こうした事例分析を通じて法解釈上の問題意識も培われるし、法学のような社会科学分野において、こうした問題意識なくして有意な学術論文を書くことも難しいと考える。 本指導は、修士論文を書くためのステップとして、経済法事例の評釈を行えるようになることを目指す。事例評釈を行うに当たっては、判決文といった一次資料を中心的に扱うが、研究者の書いた判例評釈といった二次資料も当然重要である。これらを通じて、判決を評釈するという法的分析の手法を学ぶとともに、これを理解するために必要となる法的知識を修得できるように配慮した指導を行う。 |
学習の到達目標 | 本指導によって目指すのは、判例評釈ができるようになることであり、これは、修士論文を書けるようになるための重要なステップにすぎない。とはいえ、判例評釈ができない者に学術論文の執筆は不可能である。実際に独自の視点や問題意識から事例の法的分析を行うことができなければ判例評釈もできないといえ、特にそのための作法を知っておくことが肝要であり、研究活動を行う前提となる非常に重要なスキルとなる。本指導は、このスキルの習得を目標とする。 |
授業計画 | 第1回 | イントロダクション 研究の進め方について |
第2回 | 研究課題のアプローチの仕方(1)一次資料(判決文など)、二次資料(学術論文、判例評釈など)の確認 | |
第3回 | 研究課題のアプローチの仕方(2)文献の分析、学説の整理の全体把握 | |
第4回 | 評釈対象の判例の選定(1)判例の調べ方 | |
第5回 | 評釈対象の判例の選定(2)判例評釈の調査方法・入手方法 | |
第6回 | 判例評釈の方法論(1)よい判例評釈を知る その1 | |
第7回 | 判例評釈の方法論(2)よい判例評釈を知る その2 | |
第8回 | 判例評釈の方法論(3)よい判例評釈を知る その3 | |
第9回 | 判例評釈の方法論(4)判例評釈のやり方を知る その1 事実の概要と判旨 | |
第10回 | 判例評釈の方法論(5)判例評釈のやり方を知る その2 評釈の構成・内容 | |
第11回 | 判例評釈の方法論(6)判例評釈のやり方を知る その3 論理展開・引用方法 | |
第12回 | 事例評釈の実践(1)レジュメと論点出し | |
第13回 | 事例評釈の実践(2)文章として書くことの重要性 | |
第14回 | 事例評釈の実践(3)評釈を書き切る | |
第15回 | 事例評釈の実践(4)文章の推敲 |
授業外学習の課題 | 院生各自の研究計画の基づいて研究指導を行うので、院生は事前に論文作成に向けた先行研究や資料収集、文献整理など、基本的な準備を自主的に行わなければならない。論文指導は院生の進捗状況を見ながら指導するが、四半期毎の研究計画の作成をしっかり立てておかなければ、一方通行的なレクチャーに終わってしまうのでその点、注意して臨むことが必要です。また、毎回、課題をこなし、判例評釈の手直し、添削を受けるように自主的に研究活動を進めることを前提としています。 |
履修上の注意事項 | ⑴ 経済法研究Ⅰ・Ⅱ、経済法演習Ⅰ・Ⅱを履修していることを条件とします。 ⑵ 毎回の授業前の予習、授業後の復習をいつもこなすことを前提に、熱心に取り組むことができる方に限ります。 |
成績評価の方法・基準 | 研究の計画性や進捗(20%)、与えられた課題に対する対応(20%)、成果としての評釈論文の評価(60%)を総合する。 |
テキスト | 菅久修一=品川武=伊永大輔=原田郁『独占禁止法〔第3版〕』商事法務、2018年 金井貴嗣=泉水文雄=武田邦宣(編)『経済法判例・審決百選〔第2版〕』有斐閣、2017 白石忠志『独禁法事例集』有斐閣、2017 |
参考文献 | 概括的な教科書から順に記載すると、次の書籍が理解を進めるのに定評があります。 (1)『独禁法講義(第8版)』白石忠志(著)、有斐閣(2018年) (2)『ベーシック経済法(第4版)』川濵昇・瀬領真悟・泉水文雄・和久井理子(著)、有斐閣アルマ(2014年) (3)『独占禁止法概説(第5版)』根岸哲・舟田正之(著)、有斐閣(2015年) (4)『経済法(第8版)』岸井大太郎・大槻文俊・向田直範・和田健夫・川島富士雄・稗貫俊文(著)、有斐閣アルマ(2016年) (5)『独占禁止法(第3版)』白石忠志、有斐閣(2016年) (6)『独占禁止法(第6版)』金井貴嗣・泉水文雄・川濵昇(編著)、弘文堂(2018年) |
主な関連科目 | 経済法研究Ⅰ 経済法研究Ⅱ 経済法演習Ⅰ 経済法演習Ⅱ 研究指導(経済法研究)_51 |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
7号館4階に研究室があります。授業、会議、出張等以外の時間は基本的に研究室におりますので、お気軽に質問等をしに来てください。もちろん、授業後の質問やメールでの質問でもかまいません。 疑問に思ったら、そのままにせず、友達と議論したり一緒に質問にきたりして疑問を解消するようにしましょう。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 |
法学研究科M法律学専攻 | - | 2017~2019 | 1・2 |