授業コード 50024000 クラス
科目名 基礎特殊講義(気候変動と環境法) 単位数 2
担当者 下村 英嗣 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 気候変動適応に対する法的対応
授業の概要  気候変動対策には、緩和策と適応策がある。緩和策(温室効果ガス削減)については、他の科目で取り上げる機会も多いことから、この授業では、適応策に焦点を当てる。気候変動適応は、気候が変動した結果生じる現象にどのように対応していくかが問題になる。気候変動がもたらす現象は多種多様で人間社会や環境のほぼすべての分野に影響を与える。
 授業では、前半で「異常気象と地球温暖化」を読み、気候変動の基本的知識を習得し、後半に「川と国土の危機」を読み、災害対策(環境法だけでなく、災害対策基本法、森林法、河川法、土砂災害防止法などの災害対策関連法も含む)を中心に気候変動適応について考える。
 授業の進め方は、次のとおりである。
①予習:教科書として指定した課題図書の指定範囲を予め読んでくる。
②要約:指定範囲の要約を400字で指定プリントに書く。
③内容確認:指定範囲の内容について教員から受講生に質問する(ランダムに指名)ので、応答する(答えられない場合は減点する)。
④教員が指定範囲の内容に関連する環境法を解説する。下記「まとめテスト」に備えてノートをしっかりとること。
⑤1冊が終了した時点で、教員による解説について「まとめテスト」を実施する。テストは記述式。
 これらは、すべて評価対象になる。
*通常の講義形式とは異なることに注意すること
学習の到達目標 気候変動の現象について理解し、災害対策関連法の内容と課題、気候変動適応策の現状と課題が理解できるようになる。
授業計画 第1回 ガイダンス:授業の進め方、予習範囲指示、第2回までに課題図書を購入し、指定範囲を読んでおくこと
第2回 「異常気象と地球温暖化」第1章 異常気象
・災害対策基本法
第3回 「異常気象と地球温暖化」第2章 地球の気候はどう決まっているか
・異常気象の原因と人間活動
第4回 「異常気象と地球温暖化」第3章 気候変動の過去と現在
・海面上昇と土地利用規制
第5回 「異常気象と地球温暖化」第4章 二一世紀の地球はどうなるか
・不確実性と法
第6回 「異常気象と地球温暖化」第5章 日本の気候はどうなるか、第6章 気候のティッピングポイント
・自然保護関連法の限界
第7回 「異常気象と地球温暖化」第7章 気候変動の影響―緩和策と適応策①
・気候変動適応法
第8回 「異常気象と地球温暖化」第7章 気候変動の影響―緩和策と適応策②
2~8回のまとめテスト
第9回 「川と国土の危機」序章 気候変動と水害
・災害と法の発展
第10回 「川と国土の危機」第1章 社会とともに変わる川(日本の治水;水害は社会現象;無思慮な開発;歴史記録に学ぶ)
・国家賠償法
第11回 「川と国土の危機」第2章 川にもっと自由を(堤防という文化;信濃川の分水とその後遺症;河床の土砂;河川事業に伴うマイナスの影響)
・河川法
第12回 「川と国土の危機」第3章 流域は一つ―水源地域から海岸まで(国土インフラとしての森林と地下水;ダムにより水没する人々;いま平野を水害が襲ったら;海岸の逆襲)
・森林法
第13回 「川と国土の危機」第4章 川と国土の未来(文明と災害;ハード対策の限界と新しいソフト対策;災害文化の復活;水害激化に備える国づくり;景観の劣化の意味するもの)
・砂防法、土砂災害防止法
第14回 気候変動適応策と環境法1:環境法の機能不全の可能性
第15回 気候変動適応策と環境法2:環境法の埋没化の可能性
9~15回のまとめテスト
授業外学習の課題  指定範囲を読んで予習し、復習として授業で解説した法律の概要を行政HPや関連書籍で調べておくこと。
履修上の注意事項 ①必ず環境法入門と環境法を履修し終えておくこと。履修したことを前提に授業を進める。
②指定範囲を毎回読む予習が必須であることを心得ること。
③教員から履修者への指定範囲の内容に関する質問に答えられない場合は、予習を怠ったとして減点する。
成績評価の方法・基準 毎回提出を義務づけるプリント60%、前半まとめテスト20%、後半まとめテスト20%
(質問に対して答えられない場合は減点)
テキスト 鬼頭昭雄「異常気象と地球温暖化」(岩波新書)
高橋裕「川と国土の危機」(岩波新書)
参考文献 適宜紹介する。
主な関連科目 環境法入門、暮らしの中の環境法、環境法、比較環境法
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業中に積極的に発言し、質問してください。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
人間環境学部人間環境学科(基礎科目) FHES23154 2018~2019 2・3・4