授業コード 41001000 クラス
科目名 現代経済概論Ⅱ 単位数 2
担当者 亀崎 澄夫 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 戦後日本経済の概説 The Japanese Economy since the Second World War
授業の概要  第二次世界大戦の終結以来すでに70年以上過ぎ、日本経済も世界経済も戦争直後のシステムから大きく変わってきています。日本経済の推移を簡単にふり返ると、敗戦直後は食糧危機や大量失業者予想などを背景に社会的混乱が生じましたが、民主化などの戦後改革を断行し、1955年頃からは「日本の奇跡」といわれた高度成長を達成しました。(日本の「奇跡」は、その後、改革開放後の中国にみられるように東アジアを中心に世界の各地域で起こりました。)高度成長によって先進国の仲間入りをした後も、日本経済は発展し、安定成長期といわれる80年代に日本は「経済大国」になりました。しかし、90年代初めのバブル崩壊後、日本は長期の経済不況に悩んでいます。日本経済は、経済のグローバル化・情報(デジタル)化・金融化という世界システムの大きな変動に適切に対処できませんでした。97-98年の銀行危機後、日本はさまざまな分野で自由主義的な「構造改革」を実施し、そのなかで一部の大企業は業績を大きく伸ばしました。しかし、日本経済を安定的な成長軌道に乗せることはできませんでした。また、自由主義的な経済改革は、非正規雇用を増大させ、所得格差を拡大させるという負の結果ももたらしました。2003年頃から日本経済は新たな成長の過程に入ったと思われたのですが、それはアメリカの過剰消費にもとづく輸出主導の成長でした。2008年秋の世界金融危機とその後の世界貿易の低減は、日本の実体経済を急激に悪化させました。世界経済の激動のなかで、日本は長い不況に苦しみ、デフレの脱却にもがきました。アベノミクスによる円安は輸出を中心に大企業の業績を回復させましたが、賃金の目立った上昇はみられず、国民は成長の実感を感じられずにいます。
 この講義では、資本主義についての歴史的な見方(資本主義の発展段階論)を踏まえて、日本経済が第二次大戦後どのように発展し、現在如何なる問題を抱えているかについて概説します。
学習の到達目標 戦後日本経済の大きな流れについて説明できる。
日本経済の特徴について経済学の用語を使って説明できる。
現在の日本経済が抱えている諸問題について説明できる。
授業計画 第1回 講義の進め方と現代の資本主義--パックス・ブリタニカとパックス・アメリカーナ
第2回 戦後日本経済の概要と時代区分
第3回 戦後の経済改革
第4回 経済復興(50年代前半)
第5回 第一次高度成長(50年代後半)
第6回 転型期(60年代前半)
第7回 第二次高度成長(60年代後半)
第8回 高度成長終焉の諸要因
第9回 世界経済の変容:ニクソンショックと石油ショック
第10回 80年代:日本経済の構造転化(機械産業の発展と経済のサービス化)
第11回 金融システムの転換・国際化
第12回 80年代後半の大型好況と経済のバブル化
第13回 バブル崩壊と90年代以降の長期不況
第14回 経済の「構造改革」
第15回 最近の日本経済:日本の金融危機と世界金融危機
授業外学習の課題 配布する「ハンドアウト」で予習・復習をして授業に臨むこと。授業で紹介する日本経済に関する参考文献のうちから1冊以上を読むこと。
履修上の注意事項 1.授業の要点をまとめたワークシートの提出を求めます。
2.現在の経済について関心をもち、知識をえるために、新聞を読むこと。

【この科目は、グローバルコース(2014~2016年度生)対象科目にもなっています。※ただし、一部の学部・学科では配当されていない場合があります。】
成績評価の方法・基準 試験70%とワークシート30%とにより総合的に評価します。
テキスト ハンドアウトを配付する。
参考文献 適時紹介します。
主な関連科目 初年次セミナー、日本経済論Ⅰ・Ⅱ
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
質問・相談は、基本的に授業時に受け付けます。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
経済科学部現代経済学科(B群) 2007~2016 1・2・3・4