授業コード 30091800 クラス
科目名 特別ゼミナール(民事裁判の研究2019) 単位数 2
担当者 豊田 博昭 履修期 後期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 親子関係事件と親子鑑定
授業の概要  親子関係事件とは何か。人事訴訟法が、嫡出否認の訴え、認知の訴え、認知の無効・取消しの訴え、民法773条の規定により父を定めることを目的とする訴え、実親子関係の存否の確認の訴えを列挙しています。また親子鑑定とは何か。これらの訴訟の証拠調べの段階で、自然科学の知識に基づき生物学的な親子関係の存否を明らかにする鑑定という証拠方法のひとつであり、最近ではDNA鑑定がその代表格です。しかし、DNA鑑定の歴史はそれほど古いものではありません。
 授業では、これらの訴えにおいてどのような親子鑑定が、どのような内容で報告され、それを用いて裁判はどのように判決を下したのかを学習してみようと考えています。
 このテーマに関連する学問領域といえば、民法の家族法分野、また法医学の分野が中心であり、そして人事訴訟法の分野となります。私は最後の人事訴訟法、または民事訴訟法の観点から少し勉強してきた程度ですが、最近、このテーマに関して研究する機会がありました。しかし、残念ながらDNA鑑定についてはよくわかりませんが、家族法については少しは勉強したかなと思います。まだまだ試行錯誤の段階ですが、これらの各事件類型において親子鑑定がどのように用いられてきたか、判例および論文を読みながら、勉強してみたいと思います。そして今後の議論にも少しは目を向けたいと思っています。興味のある方の参加を期待します。
学習の到達目標  授業で使用した判例における各訴えの目的や内容、およびそこで用いられた親子鑑定を理解するレヴェルでよいかなと思います。大きな目標として、「親子とは何か」がありますが、それはなかなか難しい。
授業計画 第1回 授業ガイダンス 家庭裁判所と人事訴訟手続きの構造
第2回 認知請求訴訟、親子関係不存在確認訴訟、嫡出否認訴訟などの学習1
第3回 認知請求訴訟、親子関係不存在確認訴訟、嫡出否認訴訟などの学習2
第4回 親子鑑定1
 血液型鑑定、DNA鑑定など。
第5回 認知請求訴訟と親子鑑定1
  参考判例として、最判昭和31年9月13日民集10巻9号1135頁。
第6回 認知請求訴訟と親子鑑定2
 参考判例として、最判昭和29年1月21日民集8巻1号87頁。
第7回 認知請求訴訟と親子鑑定3
 参考判例として、広島高判平成7年6月29日判例タイムズ893号251頁。
第8回 親子関係不存在確認訴訟と親子鑑定1
 参考判例として、大分地判平成9年11月12日判例タイムズ970号225頁。
第9回 親子関係不存在確認訴訟と親子鑑定2
 参考判例として、最判平成10年8月31日判例時報1655号112頁3号251頁。
第10回 親子関係不存在確認訴訟と親子鑑定3
 参考判例として、最判平成26年7月17日民集68巻6号547頁(旭川事件)。
第11回 親子関係不存在確認訴訟と親子鑑定4
 参考判例として、最判平成26年7月17日民集68巻6号547頁(大阪事件)。
第12回 親子関係不存在確認訴訟と親子鑑定4
 参考判例として、最判平成26年7月17日LEX/DB 25446513(高松事件)。
第13回 嫡出否認争訟と親子鑑定
第14回 認知無効確認訴訟などと親子鑑定
第15回 おわりに
 将来の課題など議論して終わりましょう。
授業外学習の課題 事前に判例や文献を精読して、授業の予習をしたうえで授業に臨んで下さい。
履修上の注意事項  ただただ出席すれば単位が取れるという授業にはしないつもりです。きちっと教材を予習して、授業でも積極的な発言や報告を期待します。そのような履修者と一緒に勉強したいと考えています。これが無理な方は履修しない方がよいでしょう。最後にレポート課題を出します。

成績評価の方法・基準  授業教材について予習が充分できているか20%、授業中の発言や報告の充実度30%、レポート課題の出来の程度30%、授業に主体的、積極的に取り組んでいるか20%、以上を総合的に考慮して、決定します。
テキスト  図書館所蔵の判例や図書を教材に用います。特定のテキストは定めません。
参考文献  図書館所蔵の判例や文献とします。
主な関連科目  民法・家族法、民事訴訟法などの科目でしょう。
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
授業時に余裕があれば、また授業終了後に対応します。日時を決めて、研究室でも対応します。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
法学部法律学科(演習) 2007~2010 3・4
法学部法律学科(演習) 2012~2016 3・4
法学部法律学科(演習) FLLA20807 2017~2017 3・4