授業コード | 30069600 | クラス | |
科目名 | 特殊講義E(民主主義論) | 単位数 | 2 |
担当者 | 中道 壽一 | 履修期 | 後期授業 |
カリキュラム | *下表参考 | 配当年次 | *下表参考 |
授業題目 | 民主主義とは何か |
授業の概要 | かつて「危険な思想」であった民主主義は、今やすべてのものを正当化するレトリックとなり、極めて形式的なものとなっています。そこで、本講義では、民主主義に関する議論を活性化するためのいくつかの素材、論点、概念などを提示し、「民主主義とは何か」を問い直してみたいと思います。 本講義では、まず、民主主義の基礎的知識として、民主主義を歴史的に考察してみます。次に、民主主義を理論、運動(組織)、制度の3つのレベルに区分し、民主主義の理論として、同質性民主主義論、エリート主義的民主主義論、参加民主主義論、共生の民主主義論、熟議民主主義論等について考察します。次に、運動(組織)のレベルでは、1989年の「東欧革命」、1968年の「青年の反乱」、1938年の日独青少年の交歓事業を取りあげ、民主化と反民主化について考察します。制度のレベルでは、議院内閣制民主主義と大統領制民主主義を比較し、民主主義の制度化について考察すると同時に、議会制民主主義の諸問題や首相公選制などについても考察します。 そして、こうした三つのレベルでの民主主義の考察を通じて、民主主義の「新しい可能性」について検討してみたいと考えています。 |
学習の到達目標 | ものごとを一つの視点からではなく、多様な視点から捉えることの大切さを身につけましょう。民主主義を理論、運動(組織)、制度という三つのレベルから、また、民主主義の理論においても、さまざまな民主主義理論の比較を通じて、民主主義を多角的に理解し、政治に対する柔軟な思考力と豊かな知識を身につけましょう。 |
授業計画 | 第1回 | はじめに・・・グローバリゼーションとデモクラシー 民主主義の3レベルについて |
第2回 | 「デモス」と「クラティァ」について・・アテナイ民主主義の諸要素 | |
第3回 | 二つの民主主義伝統について・・近代民主主義の二つの源流 | |
第4回 | 近代市民革命と自由民主主義について・・自由主義と民主主義の結合、自由民主主義の諸類型 | |
第5回 | 現代民主主義の理論の比較・・同質性民主主義論、エリート主義的民主主義論 | |
第6回 | 現代民主主義の理論の比較・・参加民主主義論、共生の民主主義論 | |
第7回 | 現代民主主義の理論の比較・・熟議民主主義論、ラディカル・デモクラシー論 | |
第8回 | まとめのグループ討論、グループ発表 | |
第9回 | 民主主義の運動(組織)について・・1989年の東欧革命、1968年の「青年の反乱」の日独比較 | |
第10回 | 民主主義の運動(組織)について・・1938年の日独青少年交歓事業について | |
第11回 | 民主主義の制度について・・議院内閣制と大統領制の比較 | |
第12回 | 議院内閣制民主主義の諸問題について・・A・レイプハルトの分析、J・リンスの分析、統治形態ー民主主義のモデル | |
第13回 | 大統領制民主主義の諸問題について・・二極行政、首相公選制 | |
第14回 | 民主主義の運動および制度に関するまとめ・・小テストなど | |
第15回 | 民主主義に関する全体のまとめ |
授業外学習の課題 | 事前に講義用レジュメ(講義内容をまとめたもの)を配布しますので、当日講義予定の箇所を読んでおくこと、また、講義中に書き留めた穴埋め箇所を中心にして復習しておいてください。 |
履修上の注意事項 | 民主主義に興味があれば、どなたでも受講できますが、国内外のニュースを読んだり見たりしておいてください。 多くの情報を持っていれば、それだけ講義の内容に興味を持つようになります。 毎回、講義のレジュメを配布しますので、紛失しないようにファイルし、毎回の講義に持参してください。 講義が一段落すると、数人一組のグループを作り、グループ内で議論したことを、代表者に発表してもらうという、「まとめ」を行う予定ですので、講義に積極的に参加してほしいし、講義を楽しんでください。 |
成績評価の方法・基準 | 成績は、下記のような配分で、総合評価します。 毎回の授業への取り組み(コミュニケーション・カード) 20% 小テスト 10% 授業への積極参加(グループ討論) 20% 定期試験 50% |
テキスト | テキストはなし。 基本的にレジュメを配布して講義します。 |
参考文献 | 参考文献としては、 〇中道『政治思想のデッサン』(ミネルヴァ書房) 〇J・リンス他『大統領制民主主義の失敗』(南窓社) 〇中道編『現代デモクラシー論のトポグラフィー』(日本経済評論社) 〇イアン・シャピロ『民主主義理論の現在』(慶應義塾大学出版会) を挙げておきます。 |
主な関連科目 | 政治学、特殊講義E(政治理論)、特殊講義E(政治文化論)、特殊講義E(政策構想論) |
オフィスアワー及び 質問・相談への対応 |
基本的には、講義終了後の休み時間。 また、オフィスアワーを木曜日午後に設定しますので、事前にメールで予約してください。 |
所属 | ナンバリングコード | 適用入学年度 | 配当年次 |
法学部国際政治学科(E群) | - | 2011~2016 | 2・3・4 |
法学部国際政治学科(E群) | FLIP20518 | 2017~2017 | 2・3・4 |