授業コード 30069400 クラス
科目名 特殊講義E(政治理論) 単位数 2
担当者 中道 壽一 履修期 前期授業
カリキュラム *下表参考 配当年次 *下表参考

授業題目 政治理論の基礎知識
授業の概要 かつて、経験的分析を重視する実証的政治科学の隆盛によって、「政治理論はまだ存在するのか」との声が上がったこともありましたが、最近の「政治理論の復活」は、J・ロールズ『正義論』の登場とも関係しています。近代政治理論としての社会契約論を復活させたロールズをめぐってリベラル―コミュニタリアン論争が生じたことからもわかるように、現代政治理論は、ロールズから始まるとも言われています。
 この講義では、こうした流れを踏まえながら、政治理論に関わるいくつかのトピックスについて触れるつもりです。まず、政治学の一分野である政治理論とは、政治学のなかの価値に関わる部分を対象とするということや、政治理論の没落、政治理論の復活とはどういうことなのか、などについて説明したのち、「今なぜ政治なのか」に関わる政治理論や、近代政治理論としての社会契約論、近代市民国家の変化に伴う政治理論、現代民主政治に関わる政治理論について触れながら、政治理論に関する基礎的理解を得ることで、政治に対する新たな視点を修得してほしいと考えています。
学習の到達目標  政治理論を学ぶことによって、「政治的なもの」や「政治的価値」についての理解を深め、現代政治に関する認識力と判断力を養い、自分自身の力で政治に向き合うことができるようになりうることを目指します。
授業計画 第1回 はじめに:【政治とは何か】【M・ウエーバー『職業としての政治』】【政治の諸要素】
第2回 政治理論とは何か:【政治学の科学化】【イデオロギーの終焉】【政治理論の没落と復活】
第3回 政治化と政治理論:【政治化のパラドクス】【アリストテレスの政治理論】【トマス・アクィナスの政治理論】
第4回 近代の政治理論:【2Rの政治的意義】【N・マキャベリの政治理論】【ヴィルツゥとスタト】
第5回 近代市民革命と政治理論:【近代市民革命】【T・ホッブズ】【リヴァイアサン】
第6回 近代政治理論:【社会契約論】【J・ロックの政治理論】【J・J・ルソーの政治理論】
第7回 近代市民国家と政治理論:【近代市民国家の諸原理】【功利主義】【J・ベンサムの政治理論】
第8回 近代市民国家の変化と政治理論:【J・S・ミルの政治理論】【T・H・グリーンの政治理論】【二つの自由概念】
第9回 現代国家と政治理論:【ファシズム】【C・シュミットの政治理論】【自由からの逃走】
第10回 現代政治理論:【功利主義批判】【J・ロールズ『正義論』】【格差原理】
第11回 現代政治理論:【ロールズ批判】【リバタリアニズム】【コミュニタリアニズム】
第12回 現代社会と政治理論:【リスク社会】【サブ政治】【U・ベック】
第13回 現代社会と政治理論:【液状化社会】【政治の発見】【Z・バウマン】
第14回 現代政治と政治理論:【ポピュリズム】【現代市民社会論】【新たな政治を求めて】
第15回 まとめ:グループ討論を含めて、政治理論の講義全体のまとめ
授業外学習の課題 事前に、当日講義予定のテキスト該当箇所を読んでおくこと。また、毎回、講義用レジュメ(講義内容をまとめたもの)を配布しますので、当日講義予定箇所を読んでおくこと。
履修上の注意事項 国内外の政治関連ニュースを読んだり見たりしておいてください。
多くの情報を持っていれば、それだけ講義の内容に興味を持つようになります。
また、講義レジュメを配布しますので、紛失しないようにファイルし、毎回の講義に持参してください。

講義の中で1~2回、グループ討論を行う予定です。数人一組のグループを作り、グループ内で議論したことを、代表者に、あるいはグループ全員で発表してもらうという、「まとめ」を行う予定ですので、講義に積極的に参加してほしいし、講義を楽しんでください
成績評価の方法・基準 成績は、下記のような配分で、総合評価します。
毎回の授業への取り組み(コミュニケーション・カード)  20%
小テスト         10%
授業への積極参加(グループ討論)    20%
定期試験         50%
テキスト 中道寿一『政治思想のデッサン』(ミネルヴァ書房)
理解を深めるため、毎回レジュメを配布します。
参考文献 参考文献は毎回、講義中に提示します。
主な関連科目 政策構想論(2017年度以前生は特殊講義E(政策構想論)、特殊講義E(政治文化論)、特殊講義E(民主主義論))
オフィスアワー及び
質問・相談への対応
基本的には、講義終了後の休み時間。
また、オフィスアワーを水曜日午後に設定しますので、事前にメールで予約してください。

■カリキュラム情報
所属 ナンバリングコード 適用入学年度 配当年次
法学部国際政治学科(E群) 2011~2016 2・3・4
法学部国際政治学科(E群) FLIP20516 2017~2017 2・3・4